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バイブルメッセージ

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毎月2回配信している聖書関連のメッセージです。
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2022年10月の記事一覧

人のせい? 状況のせい?

何か失敗や過ちを犯すと、「あの人のせい」「環境のせい」、さらには逆ギレして「あんたのせいだ」と、自分以外の人や物や状況のせいにしたくなるのが、人間の悲しい性質のようです。 本当にそう思い込んでいる場合もあるでしょうし、プライドによって自分の過ちを認めたくないため、そのように責任転嫁してしまうこともあるでしょう。 「責任を嫁に転じる」と書きますが、転嫁の「嫁」は「よめ」ではなく、「他人にかぶせる」という意味だそうです。 しかし、聖書には、自分の過ちを実際に「嫁」のせいにし

のぼり坂

先日紹介した『歓びのうた、祈りのこころ』という本に、19世紀のイギリスの詩人クリスティーナ・ロセッティの詩も掲載されています。 ロセッティは、西條八十によって訳されて童謡にもなった『風』という詩(誰が風を見たでしょう)の原作者です。 宮崎駿監督のジブリ映画『風立ちぬ』で、主人公によって『風』の一節が朗読されているので、覚えている方もいるかも知れません。 『歓びのうた、祈りのこころ』に載っているのは、『丘をのぼって』(上り坂)という詩で、旅人と案内人との応答の形式になって

痛みを知っている人の言葉

痛みを知っている人、特に自分と同じような経験をしてきた人の言葉は、共感や感動を呼び、慰めと力の源ともなります。 最近、さまざまなクリスチャンによって書かれた詩が20篇、美しい花の写真とともに収められた『歓びのうた、祈りのこころ』という本を読みました。 そこには、詩人の辛い経験から生まれた作品がいくつも掲載されており、その内の3篇から一部だけ、背景の説明を交えて紹介したいと思います。 これが、何らかの苦難を味わっていて、それに耐え抜く力が必要な方の慰めとなりますように。

人生の旅路を導くナビ

聖霊のナビ日本ではクルマ所有者の8割がカーナビを装着しており、スマホやタブレットをカーナビ代わりにしている人も含めると、かなりの人が当たり前のようにナビに頼っているそうです。 特に初めての道では、ナビや地図がないと、なかなか正しい場所にたどり着けませんよね。 人生の道も同じで、自分の知恵や分別だけで進んでいると、簡単に道に迷ったり、変なところにたどり着いたりしてしまいます。 車にナビが搭載されていることを覚えて、それに頼れば目的地へ行けるように、主が自分と一緒におられる

赦しのちから

映画『赦しのちから』2019年に公開された『赦しのちから』という映画を見たことはあるでしょうか。 原題は『Overcomer』(困難や悪癖などを克服して勝利する者)ですが、監督の前作『祈りのちから』にならって、『赦しのちから』となったようです。 登場人物は基本的に善人ではあるものの、自分を励まそうとする家族に怒りをぶつける人、盗み癖がある人、薬物に依存して妻子を捨てた人、嘘をつく人・・と、決して完璧な人たちではありません。 しかし、赦すこと(そして赦されること)によって