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バイブルメッセージ

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2021年3月の記事一覧

十字架と祈り

昨日の棕櫚の主日で始まった受難週は、イエス・キリストが地上での最後の一週間に味わわれた苦難を思う大切な時です。 どれほど想像力を働かせても、十字架刑の苦痛や、全世界の罪を身に負って死ぬ苦しみと悲しみと恐れのすべてを完全に理解することはできないので、ただただイエスの犠牲に感謝するばかりです。 私たちがそんな極限状態で祈る祈りには、正直で率直な本音が現れるものですが、イエスの場合はどうだったのでしょう。 十字架刑の前夜から当日にかけてイエスが祈った祈りが4つ記録されているの

あたりまえ?

朝に目が覚め、動き回り、仕事をし、食事をし、夜にはまた眠ることができる。 あたりまえ・・でしょうか? 先日、夫婦で昼食をとっていると、消防車のサイレンが聞こえてきました。 食事の手を休めて、消火活動がうまくいき、住人の方が無事であるようにと祈っている内に、サイレンの音がどんどん近づいてきます。 なんと、わずか数軒先にある屋外物置が燃えていたのでした。 ものすごい煙が上がっていましたが、延焼することもなく、しばらくして無事に鎮火されました。 聞いたところでは、持ち主

祈りが叶えられない時

=言葉にならない祈りが叶えられているかもしれない= 祈りはすべて神に聞かれますが、すべてが自分の思い通りに叶えられるわけではありません。 神はランプの精ではなく、天にいる私たちの父であり、子どもの願いをすべてそのまま叶えるわけではないのです。 その理由は様々ですが、そもそも私たちの知識や理解力は限られているので、最善のものを祈り求めているとはかぎりません。 「病者の祈り」と呼ばれる詩があります。 作者は、自分の考えによって願ったことは叶えられなかったけれど、「言葉に

共に苦しむ神

福音書にはイエスが十字架上で語った言葉が7つ記録されていますが、私がクリスチャンになりたての頃、特に心に響いたものがこれでした。 イエスは大声で叫んで、「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」と言われた。それは「わが神、わが神、どうしてわたしをお見捨てになったのですか」という意味である。(マタイ27:46) イエスは私たちの罪をすべて身に負い、罪びととして死なれたのですが、処刑された体の苦しみとともに、神に捨てられたという心の苦しみも味わいました。 私たちも苦しみの極みにある時

疑い深かった弟子たち

復活祭(イースター)まで残り一ヶ月ですが、復活と言われてもなかなか信じられない人も多いことでしょう。 イエスの弟子たちもそうで、特にトマスは疑い深い人の代名詞になっているほどです。 ヨハネ20章の内容を簡単に説明すると・・ 復活の後、イエスは弟子たちが集まっている部屋に現れたのですが、トマスだけそこにいませんでした。 後で他の者たちから話を聞いたトマスは、イエスの手や脇腹の傷に指を入れるまで信じないと言い張ったのです。 それから一週間ほど経ち、トマスも部屋にいる時に