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インド料理の基本的な調理手法

毎年のことだが、4月くらいから暖かくなるとイベントや料理教室を開催することが多くなる。近所で開催したり、遠くに行って開催したりしている。スパイスの使い方を料理を通して伝えていく中で、その歴史やちょっとした効能などを一緒に話すことが多く、ただの調味料としてキッチンの棚に並んでいるよりも親近感や愛情を持ってスパイスと接してくれるのではないかと期待している。
スパイスの歴史、使い方、効能も大事だが料理教室では「なぜ?」を調理の工程で考えることによってインド料理の様々な手法を学べるようにしている。そしてその問いをいつも自分に投げかけることによって他の料理や作ってみたい料理に活用できるようにしている。

スパイスは香りが大事である。その香りを活かす調理方法が色々とある。そしてその目的を意識、考えながら作るのはとてもためになるし、面白いと思う。

基本的なインド料理の調理方法としては何種かあるがその手法の一つにBaghar/tarka/tadka 地域によってはchonkaと言い英語ではTempering(テンパリング)という技がある。フライパンなどに油を加え温め、スパイスやハーブ、ニンニク、生姜などを加え熱し、それを元に調理をしていったり、その熱々の油を完成されたカレーやスープにかけて新たな香りを生み出す調理手法である。スパイスの持っている香りの成分は精油なので熱することによって香りが引き立つ、そしてこのエッセンシャルオイルは水ではなく油に溶ける性質を持っているため、その性質を生かした調理方法でもあり、香りを大事にするインド料理ならではのやり方なのかもしれない。北インドのダールタドゥカや南インドのサンバルやラッサムなどインド全土で油や使っているスパイスは異なるが愛されている調理手法である。テンパリングをすることでシンプルな料理がドレスを纏ったように煌びやかになり「優しい」が「美味しい」に変わるような気がする。スパイスで装飾をつけた油を料理にドレスアップしているような感じでもある。

テンパリングという調理方法を知るとインド料理の幅はすごく広がるし楽しくなると思う。そのほかにも基本的なインド料理の調理手法として Talna(Frying):たっぷりの油で玉ねぎなどを揚げてそれを料理に活かす手法。Bhunao(sauteing/roasting) スパイスや玉ねぎなどをローストして料理のベースを作る手法。Dum(Steaming) 鍋などを密封して極弱火で自らが持っている熱でじっくりと調理する方法、ハイデラバードのビリヤニなどが有名。Dhuanaar/Dhungar (smoking) 真っ赤になった炭を料理の上にのせスモークの香りを料理に移す調理手法、玉ねぎなど料理にのせその上に真っ赤な炭をのせ鍋の蓋をしめて少しの時間おいておいたりする。

このような調理手法の全てを使ったり、何種かを組み合わせながら料理を仕上げていくことが多い。それぞれの役割と理由を意識しながら調理をしていくとスパイスの香り方や料理の美味しさがどんどんと上がってくるので、料理がもっと楽しくなると思う。

今日もこれから料理教室がある。スパイスでその人の料理時間が楽しくなるきっかけになったら嬉しいな。

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