アチャール&ピックル
旬の食材を長くたべられるように工夫して作られたものは世界中にあふれている。インドで言うとアチャールやピックルはインドを代表する保存食である。北インドではマスタードオイル、 酢、塩をふんだんに使ってマンゴー、レモン、ライム、野菜、青唐辛子などを漬けておくことが多 い。各家庭で作られているので、それぞれの家庭で味わいが違うのが面白い。使われている食材 も多岐にわてり使われており、インド各地に行くとアチャールだけを扱う専門店が存在する。量 り売りで販売しているところが多いが特に人気のアチャールになると瓶詰めにされてスーパーなど にも並んでいる。北インドの寒いところではお肉のアチャールなどもあるが特に人気なのがマン ゴーや唐辛子、レモンのアチャール。北東に移ると竹の子を使ったアチャールなどもあったり中 華やクメール系の文化も混ざり合い納豆や味噌に近いような発酵食品も数多く存在している。発酵させたアチャールは北東インドやネパールでは多く見れるような気がする。
西インドに移ると砂糖の生産量も多いせいか、砂糖で煮詰めて作るアチャールが多い。チャツ ネにも近いがアチャールと呼んでいるのでそのままにしておこう。ムンバイで食べられているア チャールとグジャラートで食べられているアチャールは味付けの部分で同じ西インドでも塩と砂 糖で分かれているような気がする。
南インドを見渡すと北インドでは広くマスタードオイルが使われていたのが、南インドでは太 白胡麻油が多く使われている。スパイスも北インドはアジョワンシードやフェネグリークが多 かったが南インドはマスタードシードの香ばしさを活かしたものが多い。野菜が多く漬けてあっ た北インドに比べると海老や魚、鶏肉などのお肉なども漬けられておりアチャールと言う名称で はなく「ピックル」と呼ばれていることが多い。
インド全土で遥か昔から作られているアチャールやピックル。その魅力はインドだけではなくイ ギリスにも広がりピクルスやチャツネ文化が世界中に広まるきっかけともなっていった。チャツネ はカレー文化とともに日本にも入ってきて隠し味や付け合わせなどにチャツネを使う人が増え た。アチャールやピックルはインド料理が広がり、日本独自のスパイスカレーの付け合わせとと もに各地で独特なアチャールやピックルが日本でも作られるようになってきた。四季がはっきりしていて全国各地に独特な食材が豊富な日本ではスパイスと掛け合わせることでもっとたくさんのアチャールやピックルが生まれるのではないかとも思っている。
そんなアチャールとピックルの広がりがジワジワと広がっているのを感じる昨今。全国ご当地 のお土産屋にアチャールやピックルが並べられる日も近いかもしれない。
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