べてるの家のオンラインマガジン「ホップステップだうん!」 Vol.289
・当事者研究 @江戸川ベースnappa 江連麻紀
江戸川ベースnappaで子どもや若者と当事者研究しました。
江戸川ベースnappaは、東京都江戸川区にあるカフェやこども食堂、学習支援、いろんな講座などを実施している居場所です。
毎週日曜日は、江戸川区ヤングケアラー相談支援等補助事業としてヤングケアラーの居場所ひだまりcafeがおこなわれています。今回はそこに集まった子どもや若者とピザパーティーをしたあとに当事者研究しました。
ひとりのモヤモヤ「春の周りのウキウキについていけない」というテーマから、苦手な人のこと、先生のこと、学校のこと、家族のこと、大人のこと、子どもたちの語りたい流れのままにいろんなことが語られました。
感想
・同じような共通点があったり、違う考えの人がいたりそれぞれの考えが知れてよかった。
・考えたことなかったけど、自分の機嫌の悪いときのパターンがあったのに気づいた。
・苦手な大人もいるけど、イヤじゃない大人もいる
・校則きびしかったけど高校になってゆるくなるのがうれしい
いつも遊んでて語ることが少ない子もたくさん話していたようでした。またねーとハイタッチしてくれた子がいて、またねーと私も応えたのでまた伺います!
・文/写真:江連麻紀
●新刊「弱さの情報公開」
2023年10月発売の最新書籍です。
2020年に発売しご好評をいただきました「弱さの研究」の続編。
不寛容な社会での孤立と孤独「つながり」を考える。
一部では、カーリング日本代表の吉田知那美選手とべてるの家の人や
向谷地生良氏との「強さと弱さ」についての対談。
二部では人と人の「つながり」を各章で考察、依存症、認知症の孤独について、本当の「つながる」ことの意味を考える。
<目次>
まえがき―「弱さの情報公開」の源流
一部 弱さの情報公開
一章 弱さの情報公開
二章 弱さを認める
三章 行き当たりバッチリ
二部 つながる
四章 わたしが「ダメ。ゼッタイ。」ではダメだと思う理由
質疑応答
五章 「認知症と繋がる」ということ
六章 あいだは「愛だ」
七章 地域と人と苦労で繋がって(向谷地生良氏最終講義)
●大反響増刷中!
『子ども当事者研究 わたしの心の街にはおこるちゃんがいる』
本体価格:990円+税、出版社:コトノネ生活
https://kotononeya.stores.jp/items/620f7a061dca32103eb2bf4b
・「北のバラバラな日々」 (42) 笹渕乃梨
娘の小3が終わって春休みに突入。長期休みに限ってなぜか早起きな我が家の9歳。わたしの朝の習慣のヨガは現在お休み中です。なんだかんだで半年以上続いている朝の太陽礼拝ですが、娘の長期休みごとにつまづき都度わたしのメンタルも大なり小なり揺れ、冬休みがやっと終わってホッとしたのも束の間、気づけば春休み。そしてまたつまづいたわけです。
なるべく機嫌よくいたい。ムッとする時間は短ければ短いほどいい。だけど、うまくいかない日もある。人間だもの。
先日久々にひとりで劇場で映画を観ました。わたしが個人的に大好きなデズモンド・ツツ大主教とダライ・ラマ14世のドキュメンタリー『Mission : JOY』という作品です。「愛」とか「幸せ」のことについてもたくさん語られているけど「JOY=喜び」にフォーカスしているところがこのお二人を象徴しているようで素敵でした。大好きなお二人の喜びのシャワーを浴びられて幸せ。やさしい刺激に示唆に富んだ金言だらけの90分でした。
そんな素晴らしい映画を観た翌日の朝、わたしはムッとしていました。前日の喜びはどこへやら。早朝のヨガタイムの途中で娘が起きてきて静かな時間が失われたこと、わたしの仕事の間娘を預かってもらえるはずの友人からの急な予定変更の連絡が入ったことがきっかけでした。どちらも仕方のないことなのに。わかっちゃいる。わかっちゃいるけど残念だったのでした。
「わたしの心もヘソも、こんなことでグニャリと曲がってしまうのかよ。」小さく自分にガッカリし、時間のない朝の予定変更にプンプンしながらなんとか一日を終えたのでした。あの日、わたしは自分の機嫌を取れなかったことを悔いて罪悪感まみれで泣きながら寝たのでした。
「娘の休み中はヨガはしない。心を自分の内側に向けたいなら別にヨガだけに頼らなくてもいいのでは?」
翌朝、用を足しながらふとひらめいて、横に置いてあった塔本シスコさんの画集をめくって心底ホッとしたのでした。ああ、何やってもいいんだった。好きに絵を描くんでも、写経するでも、手芸でも、工作でも、自分の内側に入っていけるツールなんていくつもあるじゃないか。というわけで、春休みは絵を描いたりしています。熊谷晋一郎先生の「自立とは依存先を増やすこと」という言葉、自立とは違うけどちょっと思い出したりしています。
ははは。
笹渕乃梨(ささき・のり) 自己病名は『境界線ぐちゃぐちゃ症候群サトラレ型変化球言葉タイプ(現在は枯れている)』
北海道で小学生の娘と二人暮らしをしている。趣味はゆるめの野遊び、スキー、工作、手芸など。精神科のお医者につけてもらった病名はうつ病とADHD。現在は無脳薬で約3年。
「子ども当事者研究」、「子育て当事者研究」、「なさ親」などで活動中。22年4月より「nasaLAB(なさラボ)」のWebラジオ「つまり、きりがないラジオ」パーソナリティ。
「nasaLAB(なさラボ)」の登録はこちら↓
・続「技法以前」229 向谷地生良
これから、「当事者研究の理念」を一つずつ取り上げ、紹介していきたいと思います。「理念」(philosophy)とは、言うまでもなく一つの「哲学」「思想」を意味しますが、ここでは当事者研究が「大切にしていること」と理解していただいていいと思います。
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べてるの家のオンラインマガジン「ホップステップだうん!」
『ホップステップだうん!』は月2回配信のべてるの有料マガジンです。 向谷地生良さんの連載をはじめ、べてるのメンバーのコラム、イベントの報告…
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