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冬の狂い咲き

古びたレコードを取り出し
回転する円盤の中心に
プラスチックの小さな人形をそっと置く

薄紫の煙が空気と溶け合う頃
頭の中のモヤも流れ漂う
針が飛ぶ瞬間まで回るプラスチック

足を掴んで逆さにすれば
銀色のスカートがひらりと舞う
お前の足を掴んで離さない
孤独を恐れる俺たち
互いに飽き飽きしながら

愚かな話ばかりをお前にして
目を回す紫煙が渦を描く
お前の肉も血も欲しくない
ただ寒さと寂しさを紛らわすため
プラスチックの小さな人形を弄る
変態の戯言

ふわふわとくるくるとモヤモヤと
回る回る狂いながら
美しい言葉で飾りたいのに
言い訳ばかりで何も浮かばない
見つけて欲しいなんて頼んでない
変態の泣き言

古びたレコードを取り出し
回転する円盤の中心に
プラスチックの小さな人形を置く

火を灯せば紫煙も踊る
小さな人形と共に
引き上げてこじ開ける

冬の狂い咲き
変態の戯言と花とお前と
変態の寝言と花と
逆さのお前と

Blooming and drowning
Blooming and drowning……

弱さなのさ

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