久々に競馬本。〜河内洋「一生競馬」と、別冊宝島「競馬騎手読本」。
久々に競馬本のご紹介。
河内洋「一生競馬」(聞き書き・加賀谷 修)
ちょびちょび読み進めていたこちらの本を読み終えました。
河内さんは1974年-2003年までの30年間で2111勝を記録した名ジョッキー。2005年からは調教師に転身し、現在まで350勝以上を挙げている。
自分の中では何と言っても騎手としての印象の方が強い。
この本も騎手引退の時期に書かれているので、コンビを組んできた数々の名馬との思い出話や、騎手を志した理由、新人時代のエピソードなどが披露されている。
騎手時代は、「牝馬の河内」という異名のあった河内さん。
メジロラモーヌでの牝馬3冠達成や、ニシノフラワー、ダイイチルビーとのコンビが有名だろうか。(大レースの実績が多すぎるので、ほんの一部だけど。)
競馬ファンとして河内騎手の印象は「馬と決してケンカしない。折り合いをつけるのが上手。」イコール、「最後の脚を引き出すことに長けている。」という感じ。
現在のトップジョッキー、ルメール騎手のイメージに近い。
馬券的にも、河内騎手を買って外したらしょうがない、と納得できた感じ。
また、馬に対してだけでなく、人に対しても優しそうなイメージ。
勝負の世界に生きているわりに、柔らかいイメージ。
本を読んで、そのイメージはどうやら間違っていなかったらしいことがわかった。
自分の中では、1997年クラシック世代で、皐月賞4着、日本ダービー3着、菊花賞3着といずれも勝ち切れなかったメジロブライトが、古馬となり河内騎手との新コンビで天皇賞(春)でG1勝利を挙げた印象が強く、さすが河内、と思った。
正直、クラシック(皐月賞・日本ダービー・菊花賞)も、主戦の松永幹騎手ではなく河内騎手が乗っていればあるいは一つぐらい取れていたのでは・・とずっと思っていた。
しかしこの本の中で、河内さんが「メジロブライトは不器用なステイヤー。クラシックは自分が乗っていても難しかったと思う。彼向きのG1は3200mの天皇賞(春)しかなかった。」という意味のことを語っていた。
なるほど、そうだったのか・・と思うと同時に、「オレに乗り替わったから勝てた。」という我の強さなど一切ない、自然体な姿勢に感銘を受けた。
最後に、個人的に河内騎手の名騎乗、1996年のマイルチャンピオンシップのことを。
勝ち馬はジェニュイン、2着が河内騎乗・ショウリノメガミ。
道中最後方にいたピンク帽・17番ショウリノメガミ。
最後の直線でいつの間にか内ラチ沿いにもぐり込み2着に入線。
レース前にイメージしていた展開、結果とかけ離れていたことも相まって、よく覚えている・・(^_^;)
追記・別冊宝島「競馬騎手読本」
積読山に、こんな本もあったので河内騎手についての文を探してみた。
中央のみならず、地方競馬の騎手まで取り上げ、それぞれ2ページずつぐらい熱のこもった文章ばかり。
この別冊宝島の競馬シリーズは昔よく読んでいたが、今は同様の本はないのかもしれない。
この本が発行された1997年といえば確か、JRAの売り上げが最高に達した(4兆円超え)年ではなかっただろうか。
競馬本も作れば売れ、その裾野を支えるライターも多かったのかもしれない。
ーー閑話休題。
河内騎手については、「競馬オヤジを失神させる 河内洋のシビれる追い込み」という文章が、藤森貞治さんというライターさんによって書かれていた。
(この藤森さん、カッコして「馬券購入代行業」と職業?が書かれているけど、アブないな〜😅)
内容は、「河内は京都ダート1400mではなぜかドン尻からの追い込み一手に賭けている。その単勝に賭けるのがとにかくシビれる。」というもの。
競馬ファンとしては非常に共感できる。
「自分だけが見つけた狙い方」というのは熱いのです。。
別冊宝島の競馬読本は、けっこう実家に眠っている気がするのでまた発掘しに行こうかな・・。