映画館での少し変わった思い出。
今は年にせいぜい2〜3本しか映画館で映画を観なくなってしまったのですが、学生時代はよく映画館に足を運んでいました。
今も時々思い出す、映画館にまつわる思い出をふたつほど書いてみたいと思います。
(ひとつにつき、300~400文字程度です)。
1、傘を盗まれかける。
池袋の名画座で、たしか黒澤明の映画を観ていました。
(今はどうかわからないのですが、昔は黒澤明とか有名監督の「だれだれ特集週間」のようなのが多かった。)
確か「悪い奴ほどよく眠る」を観ていたと思うのですが、自分が眠くなってしまいました(笑)。
うとうとしながら観ていたところ、ななめうしろぐらいから手が伸びてきた気がして、ハッとしました。
そういえば、この映画館、ゲイが多いって聞いた気がする。
身を引きながら、手が伸びてきた気がする方を見ると、肘掛けに傘をかけていたのですが、それに手をかけようとしていた人がいたのです。
暗くてどんな人かはわからなかったのですが。
傘を盗まれかけた、という・・。(オチを先に書いているという・・。)
2、臨場感。
これも池袋の名画座的な映画館での思い出。
フェリーニの「サテリコン」を観に行ったときの思い出。
これは映画を観ている間ではなく、始まるまでの間の出来事。
こじんまりした映画館で、私は後ろの方に座っていました。
半分弱ぐらいの席が埋まっていたと思います。(古い映画なのによく入っていたと思います)。
まだ館内が明るいとき、ふと前方に目をやると、最前列に座っていた女性が、目の前のスクリーンの下の舞台スペースに弁当を広げ、食べ始めたのです。
それもコンビニ弁当のようなものではなく、お手製のお弁当でした。
そして、私の方まで、ぷ〜んと、おかずの匂いが漂ってきました。
しばらくして映画が始まりました。
「サテリコン」は古代ローマが舞台の映画なのですが、酒宴のシーンがあり、大人数がテーブルに並んだ豪勢な料理の数々を貪り食うのです。
画面を見上げながら、鼻腔をくすぐるお弁当の残り香。
おかげで、すごく臨場感のある鑑賞となりました。
以上、映画の内容より印象に残っている映画館での出来事でした。
まだ思い出せそうなのですが、今日はこのあたりで・・。