メイキング・オブ・勉強の哲学 2018
感想:本書は『勉強の哲学』のサブテキストであり、よいまとめであり、どのように作成したかが綴られている。復讐と実践ってかんじだ。
読んでる時に書いたメモ
・勉強は変身だ。
・何が本当に価値があるか?を追求するのがアイロニーで、見方を変えれば別様に価値づけるのがユーモア。
・自分にとって不要に見えるものをも別の仕方で肯定する。(言わば脱構築批評を限定されたやり方でやる、と私的に理解。”それ”をひねれば別の価値が生じる。作品批評なんて最たる例でどのように観るかで、同じテクストでもひっはばり出せるものがちがう)
・アイロニーとユーモアの言語技術を自覚して、最終的にはそのギアを自由に入れたり入れなかったりできるようになることが来るべきバカ、とのこと。(前作だとここの視点が曖昧だったので、明確化されててよかった。キモくなる段階は必ず踏まなければいけないが、そして最後はそのスイッチができないとねと)
・文学は言語体系の移動による既存の言語体系の破壊と再構築を促すところ+文学独特の表現が日常の言語使用を豊かにする。(私なら文学を読むとは「作品内における世界の独自ルールを発見し、自身の生活ルールと対比することで自らが置かれている状況の把握、かつそれを”編み変え”られるものとして認識する力を養う」という利点を示そうじゃないか)
・占いが占いであるのは、現実の因果性から完全に切断されてるから。メッセージの解釈よりも、現実のさらなる欲望をひらくことに占いの本質がある。(発想法に近いものがある。カードは別のルール/世界を示すので、そこに身をやつすことでなにかを「持ち帰られる」かもしれない。物語のように)
・クリエイターは、まるで自分が作ったとは思えないような何かを作ることを目指してる。(表現的偉力を再現したいんですわ)