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著者に聞く『過去のStudy Routine教えてください!』

第3回:SAKURACO先生

5月の著者コラムは特別企画『過去のStudy Routine教えてください!』です。全3回にわたって3名の英語学習書の著者に10の質問を投げかけ、その実態に迫ります。第3回目は Sakuraco先生。現在はアメリカ在住で、英語ワークショップをはじめ、クリエイティブな活動をされているSakuraco先生は、どんなふうに英語を学んできたのでしょうか。


Q1:典型的な1日を教えてください。


朝:犬の散歩・朝食・身支度・読書・ジャーナルを書く
朝は集中力が高いので、朝読み物をするときは必ず英語のもの(洋書や英語の記事)を読むようにしています。

日中:お仕事
夜:夕飯の後は掃除・洗濯・翌日の食事の下ごしらえなどをしたら、自分時間。大体テレビを見るか本を読んでいることが多いです。
テレビは Amazon Prime や HBO Maxで見られる英語のドキュメンタリーを見るのが好きです。ドラマだと”Friends” が大好きで全シリーズ6周位は見ています(笑)。最近は “The Big Bang Theory” にハマっています。
(帰国などで忙しかったのでしばらく休会していますが、普段は週1〜2でオンライン英会話レッスンを夜の時間帯に受けています!)

就寝前1時間半前はダウンタイム
お風呂に入ってヨガをしたら、ベッドの中でジャーナルを書いています。今日の振り返りと明日のタスクの書き出しなどをすると自然と瞼が重くなるので、寝付きが悪い私にはこの時間が結構重要だったりします。

Q2:最も勉強していた時期にどういう学習をしていましたか?また、それにどのくらい時間をかけていましたか?


フェーズ 1:ひたすら洋画や洋ドラマを英語字幕付きで観ていました。1日2時間くらい、多い時は4時間位観ていましたね。

フェーズ2:英会話レッスンを受ける→録画を見返して気になった表現のピックアップや自分の使った表現の言い換え・まとめ直しをする、というサイクルを週に4回ほど。レッスンが50分だったので大体1サイクル回すのに2時間半位かけていました。

同じ時期に、2分間英語で話している様子を録画→見返し改良していく、というスピーキング練習方法(2分スピーチ)もやっていました。これは週に1日位のペースの時もあれば、21日チャレンジと称して三週間毎日Twitterに投稿したりもしていました。大体毎回30分〜1時間位かけていました。

Q3:学習のきっかけとなる目標はありましたか?どんなものでしたか?

家族の影響で幼い頃から洋画や洋楽に触れていたので、英語に対する憧れや「自分も英語を使えるようになりたい」という気持ちは自然に膨らんでいったと思います。その後13歳で初めてアメリカを訪れて、より一層英語やアメリカの生活に憧れが強くなったのがきっかけで英語学習を始めました。

Q4:人生において挫折した経験はありますか?どのように立ち直りましたか?

本当に挫折ばかりの人生ですが(笑)、その都度「他にも道があるんだ・その選択権はいつも自分が持っているんだ」ということを周りの人に示してもらったり、自分で発見しながら立ち直っていることが多いです。そういう時はこの言葉がすごく支えになっています。

Life is 10% what happens to you and 90% how you react to it.
人生の10%は何が起きたか、残りの90%は自分がどう行動したか、で決まるもの。

ただ、悲しみや失望、喪失の気持ちとかってまずは一旦ちゃんと自分の中で感じ入ってあげないと消化不良になってしまうことがあると思っているので、挫折感を感じた直後は無理に前進しようとしないで、数日間でも数週間でも思う存分悲劇のヒロインを味わう、みたいなことも大事にしています(笑)。

私の場合は、そうこうしているうちにウジウジしている自分に飽きてくるので(笑)、そうしたら「よし、じゃあこの状況を踏まえてワタシはどうしたい?」と自分会議を開く感じです。

Q5:学習をサボりたくなった時どうしていましたか?


今までの英語学習のスタイルが、基本的に全て自分が「楽しい!」「やりたい!」と思えることしかやってきていないので、そもそも「サボる」みたいな概念が自分の中にあまり無い気がします。
(好きなことをやっているだけなので、取り組んでいない日に罪悪感や「やらなきゃ!」という焦燥感に苛まれることがあまり無い、という意味です。)

そもそも「サボりたい」と感じるというのは、英語学習を「やった方がいい」または「やるべき」ことだと捉えているということだと思うんですよね。でもほんとうは英語を「やりたい」からスタートしているはずじゃないですか(必要に迫られて英語をやっている、という場合も実は「英語ができないと困る状況にある。それは嫌だから、その状況から抜け出したい」という自分の「〜したい」がスタート地点になっていると思うんです)。だからまず「サボりたいな」って思った時「英語をやるのは自分がやりたいから選択していることなんだ!」って思い出してあげるのも大切なのかな?なんて思います。

その時に「そういえば何で英語をやりたいんだっけ?」「英語を学ぶことのどんな所が好きでやっているんだっけ?」と自問してあげれば「ああ、そうだそうだ、新しい英単語に出会えるとワクワクするんだよな」とか「英語で話していると違う自分になれる気がしてドキドキするんだよな」とか、そういう自分が英語をやるインスピレーションとかモチベーションの芽がひょっこり顔を出してくれると思うんですね。

そこでまた「…で、今日は何でそれがやりたくないんだっけ?(サボりたいんだっけ?)」って自分に聞いてみる。そうすることで「今日予定していた学習プランがグッとこない内容(自分の英語をやりたい理由とあんまり関係ない内容)だから」ということがわかるかもしれない。そうしたら、「じゃあどんな内容だったらグッと来るかな?」って考えながら内容を調整すればいいし、そうじゃなくて「今日は仕事でめちゃくちゃ嫌な事があったから、それに気分を引きずられていて、もう楽しいことをする気分にもなれないんですよ」というのであれば、そんな時は自分を労ってあげるようなことに時間を費やした方がいいのかもしれないし、はたまた転んでもタダでは起きない精神で「このクサクサした気持ちを英語で表現するにはどんな単語を使えばいいのだ…?」とか「こういう時の気分解消って英語圏の人はどうしているんだろう?」みたいに英語の情報収集にエネルギーを昇華してもいいかもしれないですね。🌱

Q6:英語学習以外に大事なRoutineはありますか?

夫との会話/散歩/ジャーナル/読書/メディテーション
どれも自分の考えや気持ちを整理したり、新しいアイディアを閃きやすくしてくれるルーティンなので、大事にしています。

Q7:学生時代、英語は得意でしたか?

中学生の時は英語の成績がそんなに抜きん出て良い方ではなかったのですが、今思うと自分の楽しめる学習方法がまだ確立されていなかったからかもしれないと思います。高校に入ってからはひたすら教科書やプリントを音読するという学習法にハマったので、結果が学校の成績にも反映されていたと思います。

Q8:座右の銘もしくは好きな言葉を教えてください。

先ほど出てきた 、“Life is 10% what happens to you and 90% how you react to it.” - Charles Swindoll という言葉が凄く好きです。

人生にはコントロールできないことばかりでガッカリしたり、疲れたり、傷ついたりすることも凄く多いなあと感じるのですが、自分がどう行動するか、には常に選択肢があって、その選択権を自分が握っているんだ、というメッセージは希望を感じるし、心強いので好きなんですよね。

Q9:尊敬する人物は誰ですか?

尊敬する人物は私の夫です。彼はすごく努力家で、勤勉で、度胸と勇気があって、寛大で温かくて、遊び心があって、いつでも一生懸命なんです。

特に自分の成長のために “get out of comfort zone” (ぬるま湯環境から抜け出て、新しいことに挑戦したり見知らぬ環境に飛び込むこと)を、すごくフットワーク軽くやってのけるんですよね。
だからといって本人の中に不安とか怖気づく気持ちが無いという訳ではもちろんなくて、そういうものをしっかり感じながらも、それでもちゃんと行動に移していく。そういう勇敢さは見ていてとても触発されるものがあって、彼と一緒に暮らしていると怖がりの私も、色んなことに挑戦してみよう!という気持ちがムクムク湧いてくるんです。

これをコンスタントに続けていくのって誰でもできることじゃないですし、本当に芯の強さとしなやかさが必要だと思うので、彼のことをとても尊敬しています。

Q10:英語学習者にアドバイスをお願いします。

英語学習に対して、自分のWHY を探求してみよう🔍

この情報過多の時代に生きていると、英語学習素材やアドバイスが溢れていて、かえって迷ってしまうこともあると思うんですね。あの人はXと言っていたけれど、この人はYと言っている。どっちが本当なの?とか。でも学習を進めるのは自分しかいないので、結局は自分次第になってくるじゃないですか。

そうなった時に自分の中に羅針盤が無いと他人軸(外から仕入れた方法論などの情報)を介して英語と付き合うことになってしまい、結局なんだか楽しくなくて英語と距離ができてしまう、という悲しい事態になりかねない。

だから、折に触れて自分の羅針盤の確認作業をぜひやってほしいな、と思います。この羅針盤になるのはQ5でお話ししたような「何で自分は英語を学びたいのか」という WHY だと思うんです。

こうやって聞くとどうしても「英語を学ぶ理由」=「英語を学ぶ目的」が必要だと言われているように感じて(え…別に仕事で英語を使うわけでもないし、そんなに海外旅行に行くわけでもないし、資格を取りたい訳でもないし、別に映画を字幕無しで見たい!という夢がある訳でもないボク・ワタシはどうしたら…?)って思っちゃうかもしれないのですが(←まさにワタシです)、そういう「目的」じゃなくて「英語をやっていて楽しいのはどんなところか」という自分のモチベーションになるものを WHY としてみます。

*便宜上「楽しい」という言葉を使いましたが、要は「自分にとってプラスな気持ちにさせる英語学習の要素は何か」という意味です。

例えばこの WHY が 「ゲーム感覚でボキャブラリーの量を増やしていくのが快感!」という人もいれば「自分の気持ちを他言語で表そうとする時に、頭の回路が普段とはまったく違う動きをしているのが新鮮で楽しい」という人もいると思います。はたまた「日本語では得られない情報が英語だと秒で手に入るから、同僚に最先端情報でドヤれるのがたまらない」とか(もちろん一つ以上あってOK)。それによってどんな学習ルートを辿ると自分が一番ワクワクできる(=続けられる)か、が洗い出しやすくなりますよね。同時に、何をしたら自分が一番成功体験を得られるかも、何となく見えてくるじゃないですか。

成功体験を生み出すこと、そしてそれを認識できるようにすることは特に独学で英語を学ぶ時にすごく大事なことだと思うんです。でも自分にとっての成功体験が何なのかわからないままだと、いつまでたってもそれが実現せずに、自分の向上心が満たされないままモヤモヤしてしまうと思うんです。

成功体験を上手く積み重ねていければ、楽しい!もっとやるぞ!っていう気持ちも自然と湧いてくると思うんですよね。

だからぜひ自分の英語学習のWHY を探求しながら、学びを楽しんでほしいなあ、と思います。🌿


記事を書いた人:SAKURACO
NYでデザインを学ぶため19歳で単身渡米。一度帰国するも、国際結婚を機に2014年よりアメリカ西海岸へ移住。
語学力を活かして大手オンライン英会話にて累計100名以上のレッスンを担当する。現在はフリーランスで、洋書を教材にした英語ワークショップの開催や学習教材のデザイン、SNS・ブログ・ポッドキャスト・YouTube などのコンテンツを通して、英語学習についての情報を発信中。ライフスタイル系コンテンツの作成やイラスト作品も手がけ、自身のアート作品を販売するショップも立ち上げている。EPT® 英語発音テスト満点保持。


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