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ドイツの子育て-ベビーカーと抱っこ紐

さて、ドイツの子育てである。
とはいえ、日本で子育てをしたことはないから、きちんとした比較はできない。その意味では、伝えきれないかもしれないが、ひとまず書いてみようと思う。

★ベビーカーと抱っこひも

子どもが生まれてまず驚いたことは、ドイツでは赤ん坊をどんどん外に連れだすことだ。もちろん、上の子を保育園に連れて行ったり、公園に遊びに連れていったりでやむを得ずということはあるだろう。が、そういうこととは関係なく、第一子でも生後間もなくからすぐに散歩などに連れて行ったりする。

その場合、抱っこひもベビーカーを使うが、ドイツではパパが抱っこひもを使っているのをよく見る。そういえば、私の夫(ドイツ人)も、うれしそうに抱っこひもを使っていた。
また、一度、5-6歳の男の子が人形をおもちゃの抱っこひもで抱えているのを見たことがあるが、この発想もドイツならではだな、と思った。

ベビーカーにしても、抱っこひもにしても、赤ん坊連れに対して、多くの人たちは親切だ。電車に乗るにしてもベビーカー優先という意識がみんなあるし、抱っこひもで赤ん坊を抱えていると、レジで前に入れてくれる人もいる。もちろん、これに対して文句を言う人はいない。

ベビーカーでお出かけをしていて困るのが、駅のエレベーターが故障していることだ。ドイツではびっくりするくらいよく起こる。その場合、階段を使わなければならず、近くにいる誰かに声をかけて助けてもらうが、たいてい、何もいわずとも誰かがさっと助けてくれる。

こちらのママ友から聞いた話だか、日本で同じ状況で、通りすがりの男性に助けを求めたら、「責任はもてませんがいいですか」と言われたそう。なんだかさみしい話だ。

そもそも、こちらでは日本ほどいつも急いでいる人はいないのだろうと思う。日本ではいつもみんな、自分の時間を1分でも失いたくないというように忙しく動いているイメージがある。
実際、私も日本にいたころにはせかせかしていた。特に公共交通機関では、人に迷惑をかけないように、すべてスマートに、迅速に、を心掛けていた。多くの人が同じように考えているから、ことが迅速に進むのだろうが、逆にいうと、これは他人にも同じことを期待する、または強要することを意味する。
つまり、ことが迅速に進まなかったり、人に迷惑をかける行為に対して、非常に冷たくなるのだ。これは、子どものころからの、「相手の立場になって考えなさい」をやりすぎることの弊害だと思うが、教育論についてはまたいずれ書くこととしよう。

そういうわけで、ドイツではベビーカーで外出するママやパパが委縮することはない。ベビーカー自体も日本のようにコンパクトを売りにしているものよりも、どっしりした安定感を重視したものが多い。双子用のかなり幅をとるベビーカーも町でよく見かけるし、自転車の前後につける小型のワゴンのようなものもよく見る。

冬でもベビーカーでどんどん子どもを連れ出すから、付属品も充実していて、ベビーカーにつける、テントの時に使うシュラフみたいなものがあったりする。これは、冬に日本に一時帰国する際にもドイツから持参して使ったら、見知らぬ人からも評判がよかった。子どもはほぼベッドにはいったまま移動しているようなものだから、風邪の予防にもなって、いいと思う。

ベビーカーをすっぽりと包めるレインカバーもあるが、これは日本にもあるのかな。

こんなものを駆使して、ドイツ人たちは育児中でも自分たちの行きたいところに行って、したいことをする。日本だったら親のエゴだ、と非難されそうだが、いろんなことを我慢して、育児ノイローゼになって、最後は自分の子どもを手にかける、、、くらいなら、もっと外に出て行ったほうがいいし、そうできる世の中になってほしいと思う。

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