【ブックレビュー】Web世代が知らない エンタープライズシステム設計<第1章>
16の視点から学ぶ 一生使える 上流工程の勘所
エンタープライズシステムという言葉をご存じでしょうか?人によっては色々な呼び方をされます。基幹システムとか基幹系システムとか呼ぶことが多いかも知れません。
何かがきっかけで、プログラムを覚え、プログラムが得意になったという理由でIT業界に足を踏み入れる方が多いと思います。プログラムは全くしらなくて会社に就職してから覚えたという方もおられるでしょう。
プログラムは面白いですし、覚える事が多くて技術のキャッチアップだけでも毎日が過ぎていきます。Webプログラミングばかりをされていた方が、ある時エンタープライズシステムを創ることになった時、いままでの延長線上では絶対に出来ません。何から手を付ければ良いかもわからないでしょう。それを9名の著者が異なる視点から丁寧に教えてくれる貴重な本です。
エンタープライズシステム設計
今回は第一章をレビューします。
第一章「若奥さんを助けるための「花束問題」、これが解けたら立派な中堅技術者だ」
花束問題は、ここに無料公開されています。簡単に説明すると、隣の花屋の若奥さんから次の相談を受けた時あなたなら適切なエンタープライズシステムを創れますか?という問題です。
Webで花束販売を始めたところ、良く売れるようになった反面、紙と鉛筆では在庫管理が出来なったという事でしょう。業務をヒヤリングして必要な機能を構築する必要があります。
販売管理システム
販売管理の3要素は、「売上」「仕入」と「受払(ウケバライ)」です。「販売管理システムで学ぶモデリング講座」(渡辺幸三、翔泳社)の本からの図で説明されています。
仕入入荷:仕入と受払(在庫)に関係する
売上出荷:売上と受払(在庫)に関係する
相殺:売上と仕入に関係する(同じ顧客が仕入先兼売上先)
生産管理システム
単品のお花を花束に「組み立てる」工程は生産管理の一番簡単な形態です。
発注してから納品されるまでの日数(発注リードタイム)は花の種類ごとに違う可能性がありますのでそれを考慮しながら花を切らさないよう発注します。
在庫管理システム
単品のお花が材料です。材料には劣化しない工業用品のようなものと、日数によって劣化する鮮度管理が必要なものがあります。
鮮度管理が必要な時は「ロット管理」が必要です。ロット管理は仕入れた日付ごとにロット番号を付けて管理する方式です。
これらの「業務設計」の入り口について解説されています。エンタープライズシステムの入り口に立っている方は是非手に取ってください。
以上
#読書感想文
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