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紅すずめ
2024年6月16日 19:41
角砂糖世界における崩壊が紅茶の中に広がっていく落日の色侘しくて風になりたい語ることなく気づかれもせず短歌って女々しい歌は好きだけどエモい入るとちょっとうざいなぼんやりと目覚めた朝は雨の音いやだいやだと駄々をこねたい貝殻を集めてできた携帯にもしもしと波うちかえす声
2024年5月20日 21:04
微睡にひとりぼっちをかみしめる毛布かぶって朝 雨模様 いつの日かやさしいものになれるかなひとり見上げる星の降る夜今もまだ君が隣にいるように送電線は夏を迎えるあ、あれ?三首しか選べなかった……
2024年5月10日 12:45
たんぽぽの綿毛舞う空怖くって耳を塞いでしゃがみ込んでた心地よい風に吹かれてここにいるここにいるけど少し寂しいさらさらとさよならと言う音がする乾いた砂が肺にも積もる黄昏があなたの声と暮れていく雪の匂いを残したままで紅色に染まり始めた空に問うもういいのかな悲しむことは交差点赤信号が点滅しまぁいいかっと愛がすり減る泣いてるの?今夜は月を半分こ 大きい方は君にあげるねひとりでも
2024年5月9日 02:50
ふかふかの草のにおいを染み込ませ夕陽を浴びて溶けちゃいたいなうとうとと水面に揺れて眠りたい泣いて拗ねたり甘えてみたりもの憂げな月を隠して雲になる疲れた海に優しい雨を蒲公英の綿毛にひかる雨しずくそんな悲しい顔をしないでこの海をちぎって風に飛ばすからあなたの街に潮風届け 陽だまりで穏やかな笑み浮かべたらそれだけでいい。幸せですか?ほろり散る花びらさえも春ならば泣けない涙どこに隠
2024年5月6日 09:54
最後まで冬は君だけ見送っていつかまたの日ひと匙のジャムちょこちょこと言葉散りばめセキレイが名残雪にも春のお知らせいつかねと約束できる今が好き月が満ちても欠けたとしてもまどろみに時間と君を奪い合う勝てなくたって好きが満ちてる 溜息を水色にして雨の朝ときおり金魚尾ひれゆらゆら感情の処理が上手にできなくてバネ定数を計算してるこの冬は氷砂糖の海であり青が戻れば風も寂しく今はまだ
2024年5月5日 21:28
早咲きの桜流れてさよならを口にしそうになるね僕たちモノクロの声なき海に影ふたつ三月春はまだ忍び足雨が降るあえて言うことないけれど君の唇震えていたね街灯は寂しげですか海沿いの寡黙な雪の降る街でした指先で撃たれたふりの子犬より私の方が可愛く死ねるふわふわと風に漂い春になる君の助手席空いていますかミモザ揺れ小首傾げるすまし顔僕は僕なり君の手のひら君の冬雨に触れれば溶けるのに
2024年5月3日 15:58
2月に詠んだ短歌をまとめました。優しさを折って延ばしてミルフィーユいちご乗せたら紅茶を淹れて少しずつ解き放たれて糸屑をバッパッパッて払っているのいつだって青空でいる いたいから君の夜が必要なんだねぼんやりと音を失くした朝にいる 冬を惜しんでしとしとと雨片方の失くした靴を探す日は心許ない雨の始まり春の音を取り戻したと言う海の君の便りを茉莉花茶と読む指先が古い書棚の三段目足