アート思考だった人がデザイナーとして絵を描く葛藤とこれから(実際の仕事絵紹介あり)
現在、ゲーム内イラストを描く仕事をしている
2Dデザイナー5年目のべにはあです。
最近は漫画とgifアニメの制作が趣味です。
今後について悩んでいたことが、noteのおかげで
こうして絵と仕事への心の整理と今後への決断をすることができましたので
お話していこうと思います!
◆現在の仕事内容
ゲーム開発会社にいます。
某動物キャラクターの箱庭ゲームで
アートディレクター兼デザイナーとして
企画からデザイン、背景のイラスト、キャラのgifアニメを担当してます。
私だけでは量が多いので外注管理もしてます。
世界的に有名なキャラだけあって、
描いたイラストに対しtwitterやスレで話題になるのでやりがいがあります。
最近特に嬉しかったコメントは、背景とキャラに関して
「色使いも美しく、雰囲気が有ってとても素敵」
「個人的な好みとしては歴代最高級」
「タップしない時のアクションもかわいい」と書かれていたことです。
前の会社では受注会社でのゲームのコスチュームデザインや
3Dなど制作していました。
描いた絵などは公式ビジュアルファンブックなどに載ったり
スレで反応見れるのはやりがいがありました。
「2D絵可愛いな」「正月ドレスいいな」とか書かれてました。
ですが、受注会社は言われたことだけをやる会社なので
自分から企画(デザインのネタやテーマ出ししたい)
と思い、スキルアップを図りたいと思い転職しました。
◆最初からデザイナーを目指していたのではない
美大で油彩にのめり込み、流行りの絵柄を似せようとしない
表現の為に絵を描く、いわば「アート思考」でした。
中学校まではイラストを描くのは大好きだったのですが
木炭や油彩や表現にどっぷりと・・。
なぜイラストを仕事に選んだのかというと、教育実習で
生徒に喜んでもらったこと、ゲーム会社へのインターンがきっかけでした。
(詳しくは過去の記事の「美大生の就活」にて)
絵を描くこと自体は大好きですし、ゲームもプレイ動画は見たりしますし
イラストもアニメも見るのは大好きです。
でも、壮大なファンタジーの背景や流行りの女の子を描く事に興味がなく、
プライベートで上記はもちろん、イラスト自体描くことは少ないです。
じゃあなぜ仕事でイラストやキャラのアニメを描いているのかとかいうと、
「依頼主やユーザーに喜んでもらいたいから、
色んなテイストを描く」というところでしょうか。
いわば「プレゼント」です。
◆絵柄やデザインに柔軟性を持たなくてはならない
最初から苦ではない人ならいいんですが、
私にとってはモチベーションが「喜んでもらいたい」
なので元から趣味でアニメのような背景描いてきた人とか
二次創作が大好きな人たちから見たら
全然イラストを描いてきた数が少ないです。イラストを見るのはすきでも
ゲームイラストを描くこと自体に対しては仕事と割り切って描いています。
本当に好きなことは絵画の画集をみて好き勝手描いたり、漫画を描いたり
最近の趣味ではgifアニメで動かす表現に楽しさを感じたりと偏ってます。
自分と同じようなタイプの友人は一旦映像やゲーム会社
入社してもやめて自己表現の道やってますね・・。
アニメやイラスト好きってだけでこの業界に入れるわけではないので
客として好きなのか作り手として好きなのか判断が必要です。
会社として万人受けするゲームのイラストを描くわけですから
好きというだけでなく、そもそも描くときに
絵柄や塗りを研究できる人なのかが重要な気がします。
以下、現在勤めているゲーム会社とは関係ない過去の
私が描いた仕事を例に書いていきます。
以下のスマホゲームの案件です。(掲載許可は頂いてます)
キャラクターデザイン・キービジュアルを描かせて頂きました。
ユーザーさんの反応としては、以下のコメントがありました。
「イラストに惹かれて見てみたら内容もおもしそう」←予約トップコメント
「キービジュアルのおじさんに普通にグッとくる……」←twitter
「めちゃくちゃかわいいです。」←ゲームプレイしている方のブログから
上記とても嬉しかったです。絵柄は流行りによせたのですが、どうしても私はタッチを残すのが好きなこともあり、塗り自体は結構好き嫌い分かれる塗り方になってます。(アニメ寄りが好きな人は荒いと捉えられるようです)
当時のクライアントさんが厚塗りが好きだったので良かったようですが、
最近は線画をはっきりさせ、塗りもシンプルな方が好かれる傾向があるのでこの塗り方はゲームの場合は依頼される事は少なくなりそうです。
(個性を求める漫画や挿絵などは別ですが)
以下は乙女ゲームのキャラクターです。
慣れない線画に塗りに大変でしたが、なんとか習得。
あとはデフォルメです。
デフォルメは結構気が楽だったりします・・。
記号化や表現しやすいからかもしれません。
他にも背景やボタンデザイン、アイテム、なども描いてきました。
あとは乙女ゲームのアバターなどです。塗りの表現は勉強になりました。
上記は過去の仕事の一部ですが、作品集を今の会社の書類選考で
入れたところ、面接で、「ここまで幅広くしっかり描けるのは評価が高い」と褒めて頂き、自信が持てました。
今勤めている会社は、幅広く描けるのを望んでいる会社でしたので
マッチしていると思います。
それに、私が一番ストレスが少ないデフォルメが主な会社です。
でもふと、この先に目指すものは何か?と疑問に思い始めました。
沢山の絵柄描けるようになっても、スペシャリストって
既にいるわけです。それと比べて私は中途半端になったのでは?と・・。
何を自分は極めたいのだろう?と
仕事が慣れてきた今、疑問に思うのです。
他人へのプレゼントではなく、自分自身身に付けて
仕事にしていきたい、表現もできることって何だろう?と・・。
そこで、ずっと好きだった描くことといえば絵画以外だと
漫画があるなと思いました。
以下お仕事させてもらいましたが、純粋に楽しかったと思えたんです。
漫画って、表現がすごいできますし、
わ~って好きなこと描いて
それに完成していなくても一旦載せて、気が向いたときに
清書して、を繰り返して作品を増やせるのではないかと。
まだまだですが、
最近、やっとそれが一番自分にしっくり来た感じです。
以下趣味で描き始めた画材屋のお姉さん(追記:受賞しました)
自分が何を描きたいのか、バーッて描いてから
改良していくでもいいと思うんです。
もちろん漫画を誰かに読んでほしいという気持ちはありますが、
最初からそれを求めず、
自分が楽しむこと優先してみてから
見てもらうことを意識して改良していきたいなとおもいます。
最初からイラストを描くのが好きな人は、何言ってるんだと
思うかもしれません。
私は安定して食べるためにゲーム会社でイラストを描くことを選んだ故、
アート思考故に、表現ができるものに固執する毎日です。
これからは、自分が納得する、溺れられるくらいの
漫画や、絵画や表現を主に使ったgifアニメを描いていきたいとおもいます。