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クリエイターの方向性を決めるためのヒントとは?「NEW ENERGY」「浅草ものづくり工房」を手がけるBlue Marble 石塚杏梨さんインタビュー【レザボイ放送後記】
YouTube番組「ジャパンレザーVOICE(#レザボイ)」の人気コンテンツ「キーパーソンインタビュー」からBlue Marble 石塚杏梨さんご出演回を振り返ります。
「キーパーソンインタビュー」
皮革業界の第一線でご活躍のキーパーソン、ものづくり産地の活性化を牽引するキーパーソン、新進気鋭のクリエイターにご登場いただき、注目の話題を掘り下げます。
この回では、合同展示会「ニューエナジー」の運営に携わっておられるBlue Marble 石塚杏梨さんにインタビュー。
インキュベーションマネージャーを受託なさっている浅草ものづくり工房の特徴やものづくりの聖地”台東区”の魅力、「ニューエナジー」での反響、クリエイターの今後についてなど、盛りだくさんの内容でお届けいたしました。その一部をピックアップし振り返ります。
浅草ものづくり工房の特徴=各分野の専門家のインキュベーションマネージャーたちがチームで支援
「日本各地に同様のクリエーションハブとか(専門家がついているスタートアップが増えています)、ものづくりだけではなくベンチャー企業もそうですが、創業支援をする施設がたくさんあります。
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台東区が大事にしていて、活性化させたい産業であるファッション雑貨を区としてバックアップしていくなかで、将来のスターブランドや区を代表する作家を、ここから輩出したいっていう目的でつくられていますので、ファッション雑貨のスペシャリスト、専門家がマネージャーとして向き合う必要があるって思っています。
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私たちブルーマーブルは、ニューエナジーもやっていますし、チームとしてはバイヤーやショップ販売やってたスタッフ、PRに長けてるスタッフ、ディスプレイとか空間に長けてるスタッフなど、多彩なスキル、キャリアがあるスタッフがチームで運営しているのが特徴かなって思います。
入居クリエイターのビジネスのスケールや得意不得意もあり、お悩みもそれぞれということもあります。チーム制で受けるっていう方が今の時代にも合っていますし、支援ができるんじゃないかなって。それぞれのプロがやはり回答できるっていう部分では、サポート体制としては安全かなというふうには思ってます」(石塚さん)
クリエイターの今後の方向性について=ものづくりに対する想いや強みを整理することで見えてくる
「この質問にお答えするため、私が考えるクリエイターの定義を提示しておきますが、クリエイターをブランドとして経済活動を行っていきたい人たちを指し、そんな人たちを支援したいと思っています。
クリエイターが目指すべき方向性は、そのクリエイターによって全く異なります。今までのそのクリエイターさんの評価って、すごく売れたブランドは才能があるとか、そうでないブランドは才能がないとかって、そういう部分で評価されがちだったような気がするんです。これだけマーケットが多様化してきて、何をもって成功なのかっていう価値観も変わってきてるって思うんですよね。
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方向性についても、一概に決められるものではないかな?って思いますが、何のために誰を幸せにしたくて、ものづくりをしてるのか?を突き詰めて考えて、その先に方向性が見えてくるんじゃないかなって、思うんですよね。
各クリエイターさんの強みとは? デザイン力なのか、生産の背景なのか、クオリティー、ユニークさ・・・など、自分の強みを整理して、その強みっていうのを発揮できるマーケットはどこにあるのか?を考えてみる。
マーケットは・・・百貨店なのかとか、ちょっとセレクトショップなのかを整理して、どういうお客様に買ってほしいのか、競合ってどの辺が強豪ブランドなんだろうって、考えてみてほしいですね。
そのあたりをブランドさん、クリエイターさんがちゃんと整理できるように、私たちは展示会という場所だったりとか、いろんな今後開発するスキームをつくって一緒に整理することができたらな、っていうふうに思っています」(石塚さん)
浅草から発信するクリエイティブ=伝統と革新性が共存している魅力
「台東区は江戸時代から脈々と続く、ものづくりの聖地ですよね。このようなファッション雑貨の聖地であり、メッカといえるエリアって、世界的に見ても、あまりないんじゃないかなと思っています。
新しいものづくり、革新性ってすごく大事なんですけど、同時にオーセンティックさや伝統とか日本的なものづくりもすごく大事であり(台東区には受け継がれている場所なので)、それらが共存してるところが、私が一番感じる台東区の魅力かなって思ってるんですよ。
新しいことだけがカッコいいっていうわけでもないですし、ものづくりとしての背景があるエリアとして、食に歴史としての背景だとか職人さんだとか、各団体業界の方々とか含め、すべてそろっているのが魅力です。
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それは、ものすごく強い心臓だと思うんですよ。
心臓部分がすごく強いって、車で言うとエンジンかなと思うんですけど、結局私とかもそうですし、台東区を一緒に盛り上げたい。外部の人間とかチームとか組織っていうのは栄養素だと思うんですよ。
そのいい栄養をとってもそれをちゃんと循環できなければ栄養の無駄遣いだと思うし、そこの強いコアな部分が台東区はあるから、いろんなビジネスパーソンが台東区にどんどん浅草も含め集まってきてると思うんですけど、コアが強いからうまくそれがまわるんじゃないかなというふうに思っています。
浅草、台東区の一番の強いところと、やっぱりあの心臓部をこれからも強くあり、続けてほしいです」(石塚さん)
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このほか、「浅草ものづくり工房」入居クリエイター紹介や今後の展望など、たくさんお話いただいて、勇気が出る、元気になるヒントがいっぱいでした。ぜひ、動画もご視聴ください。
「NEW ENERGY TOKYO」
日本と世界の素敵なモノ・コト・ヒトが400組以上集まるクリエイションの祭典「NEW ENERGY TOKYO」が2月14日〜16日、東京・代々木 国立代々木競技場第一体育館で開催しています。
NEW ENERGY(ニューエナジー)は、日本と世界の素敵なモノ・コト・ヒトが400組以上集 まる「クリエイションの祭典」です。
独自の視点でセレクトされたクリエイター達による特別展示に加え、お買いもの企画やトークショー、アートパフォーマンスなど五感をフル活用して楽しめるコンテンツが盛りだくさん。
多様な出会いを生み出すプラットフォームとして、世代やジャンルを超えて多くの方々にご注目いただいています。
(クリエイションの祭典 「NEW ENERGY」 | ニューエナジー【OFFICIAL MOVIE】概要欄より)
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