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インスタライブの感想:公教育のシステムエラーとフリースクールの必要性

先日、特定【NPO法人ASOVIVA代表理事 長村知愛さん】をゲストにお招きしInstagramでライブ配信を行いました。テーマは「日本のフリースクールの現状」と「不登校児童の問題」について。とても学びの多い時間だったので、その感想をまとめてみます。


不登校児童が増える背景「公教育のシステムエラー」

代表理事によると、不登校児童の増加は単に個々の子どもの問題ではなく、公教育自体の「システムエラー」が原因ではないかと話します。その理由として挙げられたのが、以下の点です。

•教師の負担が多すぎる:授業だけでなく、部活動、事務作業、保護者対応など幅広い業務を一人で抱える現状。
•ルールが多すぎる:子どもたちの個性を尊重する自由な学びが阻害されている。
•教師への憧れの減少と不足:社会的評価や給与の低さから、教師を目指す若者が減少している。

これらの要因が絡み合い、子どもたちにとっても学校が「生きづらい場所」となり、不登校という選択を余儀なくされるケースが増えているそうです。

改善策としての「地域の力」と「少人数制」

代表理事が提案された改善策は、とてもシンプルで力強いものでした。

1.1クラスの人数を少人数にすることで、子ども一人ひとりに向き合える環境を作る。
2.保護者や地域住民の力を借りることで、学校だけに頼らない教育体制を築く。


これを聞いて、私は介護業界の問題と強く重なる部分を感じました。

教育と介護の課題に共通する「予算不足」と「人手不足」

教育と介護。分野は違えど、どちらも「人の心と身体を支える仕事」でありながら、抱えている問題は驚くほど似ています。
•人手不足による業務負担の過多
•薄い報酬により、従事者が疲弊する環境
•効率重視の運営の中で、誰かや何かが犠牲になる現状

これらはすべて、「国家予算の少なさ」に起因していると感じました。教育も介護も、社会の未来を支える根幹であるにもかかわらず、その重要性が予算配分に反映されていない。これはもはや、「ソーシャルビジネスのシステムエラー」と呼ぶべきではないでしょうか?

また、問題が起こるたびに「ヒューマンエラー」だと責任を押し付けがちですが、そうではなく「エラーが起きない仕組み」を作ることこそが重要です。今こそ、社会の実情に即した新しいシステムを構築し直す必要があると痛感しました。

フリースクールと国のサポートの現状

フリースクールを開校する際、許認可は不要です。しかしその一方で、国からのサポートはほとんどありません。市町村によっては一部助成がある場合もありますが、基本的には保護者が費用を負担する形です。

では、なぜ一部助成が行われる市町村と、そうでない市町村があるのでしょうか?その背景には、助成の決定権を持つ人々が影響しているとのこと。たとえば、助成が行われている市町村では、その決定権を持つ人が当事者(不登校児童の親など)や、その親近者であるケースが多いといいます。一方で、助成に前向きでない市町村では、田舎特有の利権構造が固定化されていることも少なくないそうです。

そうした市町村では、現状を正しく把握する姿勢が欠け、新しいものを受け入れようとしない体制が根深く残っているとのことでした。この話を聞き、支援の有無は市町村ごとの体制や価値観に大きく左右されるという現実に改めて驚かされました。


その結果、「スクール費を払えないから子どもをフリースクールに通わせられない」という家庭も少なくないそうです。不登校のまま引きこもりを続けるしか選択肢がない現状に、私は強い疑問を感じました。


「未登校児童の予算」はどこに消えるのか?」

不登校児童が増えているのなら、学校で使われるはずだった予算はどこに消えているのでしょうか?
その分のお金をフリースクールの学費に充てることができれば、もっと多くの子どもたちに学ぶ機会を提供できるのではないか。そう考えると、教育予算の使い方や配分そのものを見直す必要があるのではと強く感じます。


おわりに

今回のライブ配信では、不登校やフリースクールの現状だけでなく、教育や介護を含めた社会全体のシステムの課題についても多く考えさせられました。
一人ひとりが無理をせず、それぞれの場所で輝ける仕組みを作る。そのためには、私たち一人ひとりの声を上げることが必要だと改めて感じました。

まずは「認知」される事から始めることが大切だと強く感じました。当事者だけでなく、社会全体がフリースクールという「居場所」の存在を理解し、公教育に行かない選択をした子どもたちの存在を認め、受け入れる体制を整えることが必要です。

その日が訪れるまで、私自身、生涯をかけて尽力していきたいと思います。今回のインスタライブでは、そうした想いの一端を共有する貴重な機会となりました。ぜひ、アーカイブをご視聴いただければ幸いです。リンクを下に記載しておきます。



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