短歌53「ゆるした」
許されたこと犬にだけはあるみたい幣のような尻尾のリズム
死にたいのは誰も彼もじゃないけれどいいよと冷たい手を当ててくれ
道を割る草の力が拠り所 子供のわたしいつも見てたよ
怖いのは間違い電話 息子の名呼ぶ老婆と繋がります
リモートの見知らぬ声が部屋を占め居場所無くなりフードを被る
空っぽの胸が招いた木の杭を振り払うことできないと死ぬ
とても凪いだ天変地異が眠りの外起きていても微笑んだまま
一度でも許されたいの綿飴を一人で食べるような愛し方
いつまでも水辺に立っている女概念としての水と女
手足のプラグを抜いて倒れ伏す水のベッドにノイズミュージック
口紅を塗るわたしは汚くて美しくないのにピアスつける
この動悸マスクのせいか待ち合わせクリームソーダの美味しいところ
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