NYでポエマーの爺さんとポエムを書いた話。
NYのブルックリン、Cobble Hill(コブルヒル)というこじんまりとした治安のいい一角がある。このエリアは大好きな場所だ。問題なのは色々高い事。
NYの1つ目の住所となった、キャロルガーデンはコブルヒル
住むとなれば、時は短し。いそいそと探索して入ってみることにした。
だが、アメリカニューヨーク知人も誰もいない中、いきなり夜中に一人で出かけるには敷居が高すぎる。
運のいいことにそのバーは平日も昼から、土日にはなんと朝の10時半からオープンしていた。
バーと言えば、NYも日本と同様、土日は大抵昼間からオープンするが,夜は5時、6時からのところも多い。
さて、ここのバー。Strong Placeと言う。ビアバーであると思っていたが、実はガストロパブだ。
道理で朝から空いて居る訳である。
日本に居た時にはさほどビールの種類に気を使ったことが無かった。
年に7.8回ぐらいベルギービールバーに行っていた位。
さて、カウンターも広く、種類も豊富。
ツンツンして感じの悪いバーテンダーなんかは居ない。
ここには名物の近所の不動産屋を経営している爺さんがいる。
頼むものはビールグラスにハードリカーのショット2杯。これをセットとして、ご機嫌な日はこれを3回ぐらい繰り返す。
私も足繁く昼から通っていたものだから、顔見知りになった。
この爺さん、有名なようで街を歩いているとよく人に声を掛けられている。
バーに行くと、ノートをペラペラと開き、いつも私にポエムを聞かせてくれる。
ある日のバー。
爺さんが、ずずぃと横に来て、ポエムを一緒に書かないか?と誘ってくる。
NYに訪れまだ2週間も経っていない。語彙不足もあいまって拙い赤面物のポエムが出来上がった。空が青い、ビールがうまい。私は自由だ。みたいなもの。爺さんは声高らかに渾身のポエムを読み上げる。それがいいのか悪いのか、私にはわからなかったが、その日の酒はうまかった。
NYでは人が冷たいという話もよく聞くが、私は運が良い様で、そんな目には会ったことがない。誰もが気さくで、バーテンダーとも話せる。
ビアバーでは、試したいビールを伝えると先に味見をさせてくれるのが通例である。
ここの場所はクローズしており、今は何もない。私も2年前に引っ越ししてしまった。ジムの帰りにパートナーと立ち寄るいい店がまた一つ無くなった。
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