大学生になって考える将来のことと日本
大学生になると、「将来」との距離が突然縮まる。
今までは「大学で何を学びたいの?」「将来の夢は?」などの漠然とした質問(大学については、専門的に芸術を経験したことがなくて、分野についてあまり詳しくなかった自分にとってはすごく曖昧だった)がよく聞かれていたが、大学生になって、特に映画学生になって、「将来現場でどの役割をやってみたいの?」「どこの企業で働きたいの?」という具体的な質問に変わった。
映画を作りたい、本場で学びたい。これが高校生までの自分の夢だった。
でも、その先は?
映画制作経験のあるクラスメイトは、もちろん自分よりも知識がある。
自分は、画像、映像編集ソフトの使い方もろくに知らない。経験値が全く違うくせしてめちゃくちゃ他人と比べてしまったりする。特に、ものづくりをする人間だから、避けては通れないのかもね。
演劇も物書きも中途半端でやめてきた自分にとって、将来に具体性を持つことは大きな壁だ。別に一つに絞らなきゃいけないということではないけれど、今は、現場に立つ自分をまだ想像できなくて、将来本当に映画を作りたいのか、さらにはアーティストになりたいのかすらもわからなくなっている。
だけど、一つだけ、なんとなく思い描いていることがある。それは、日本の映画教育に携わることだ。自分が映画を学ぶにあたって日本を選ばなかったことにも関係あるけれど、やっぱり自分の軸にあるのは、育った環境は自分の切ってもきれない個性であり、それを生かして活躍したいっていうこと。
なぜなら自分が50、60年代の日本映画、そして日本のアニメに影響を受けてそれを伝承というか、途切れさせてはいけない!という謎の使命感を感じているからである。
そして8月に、世界各国から集まったアーティストの展覧会で出会った日本人の方とお話しした時にも、このことについて考えていたことを思い出した。
自分がフランスで映画を学んでいると伝えると、彼は「若いうちから、素晴らしいと思います」と言った。ここまでは普通だったんだけど、話が煮詰まるうちに「日本は内側から既に崩壊している。もう止められない」「私の知り合いの芸術分野の教授(ヨーロッパ出身)と日本の芸術学生を会わせて見たことがあるんだが、全く合わなかった。日本が遅れているような感じがした」(うろ覚えです)というような方向転換をしていった。自分はその場では言い返すことができなかった…が、後になって色々引っかかってしまった。え、あなたが自国を卑下するだけでそれに対して何も行動を起こさないから国内の状況が停滞しているのでは?と思った。(結構辛口?笑 これが自分)日本を抜け出し、国外で活躍している自分がすごいという話よりまずは自国を救済すべきだと心から感じたのである。
日本の文化は逆輸入で成り立っているように感じる。Cool Japan!だよね。だから、自分もこのスタイルをとって日本の映画業界に貢献できたらなとか考えている。
今回はここら辺でやめておきます。ありがとう。
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