ある日、ちょいと涙ぐむ
2023.12.18(月曜日) tearful eyes
急に冷え込んできた。
これが本来の冬の姿である。
鳥の鳴き声も寒さのせいかからっからに乾いていて、窓を開けると冷気が
すぅ〜っと私の懐に流れ込んでくる。
冬好きとしてはやっとここまできたかという感じがしている。
昼下がり、雑誌「暮しの手帖」の12-1月号の中の記事を読みながら、
少しほろほろ…と感動してしまっている私がいた。
二名良日さんという方を取材した記事だった。
二名さんは野山の枯れていく花や草や枝を切って集めて、それで輪っか (リース)を作ってらっしゃる。
枯れた花や草なので、花はちょっと茶色になってたり萎れたりしているのだけど、出来上がったリースを見るともうすっごく素敵。ドライフラワーとは違った艶や「まだ私たちは生きているのよ」という、力強さみないなものが感じられる。
なぜ枯れた草花なのにそんなに素敵なのか?
それは二名さんの草花や自然に対する愛情がなせる技なのだと思った。
最後に締めとして書かれていた言葉がある。
これを読んだ時、不覚にも私は少し涙ぐんでしまった。
私は特別草花に対する想いが深いわけではなのだが、
放っておけばゴミ扱いで捨てられるであろう草花の締めくくりを、綺麗なリースにして見届けようとする気持ちがとても切なく素敵だなと思ったのだ。
人間の一年の締めくくりが 12 月であるなら、できるだけ自分で自分を抱きしめてあげれるくらい心地よく締めくくることができればいいなと思った。
二名さんは80歳になる方だが、こんな素敵な人に出会うと嬉しくなる。
涙もこぼれるってもんだ。
慌ただしい最中、ちょっと心がほっとした記事だった。
草花も人間も同じだなぁと思った。
読んでいただきありがとうございます。 書くこと、読むこと、考えること... これからも精進します。