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#028 農繁期にギックリ腰
昨年9月末、腰に痛みが出てやむなく仕事を取りやめて自宅静養となりました。「草刈りしなきゃいけないけど、参ったなー」と軽く考えていると翌日身体が起こせない。身体をひねると腰に激痛。農業に従事して早9年。ついに爆弾が爆発してしまいました…
今回は爆発後に四苦八苦した対応の様子と今後考えなければならないことについて整理がてらご紹介しようと思います。
〇農繁期に予期せぬ「魔女の一撃」
1.15年振り2度目の痛み
2024年9月末。牛の餌をつくる支度をしていると屈む態勢がなんだかしんどい…。少し無理をし過ぎたかなと思い、その日は早めに仕事を切り上げました。「残りの作業は翌朝にでもすればいいか」と楽観的に床に就きます。
翌朝予定通り早めに目が覚めて身体を起こそうとすると思うように動きません。寝違えたかなと勢いをつけると腰に激痛。大学生のころに腰を痛めたことがありましたが、それ以来のぎっくり腰…
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最悪です。農繁期だというのに…
痛みが落ち着くまでは餌やりなどの作業を父に任せ仕事はお休み。お手洗いに行くために椅子によりかかってあぶら汗をかきながら徐々に身体を立たせていかざるを得ません。痛みに動きが止まりながら少しずつ移動し、「便座に座ったら立てないんじゃないだろうか」という一抹の不安と戦い、1日、また1日と日は過ぎていきます。
この間にも稲刈りは着実に進められていきました。元来両親の2人体制で農業をしてきたので私が来る前に戻った、というだけですが確実に時は流れています。両親ももう年金をもらう年ですし、いつまでも頼ることはできません。
2.軽度のヘルニア
数日後なんとか自力で歩けるようになってから地元病院を訪れて診断を受けるも、すぐにはMRIが使えず。約1カ月後にMRIの予約をし、痛み止めのお薬を処方してもらうのみ。薬を飲みながら少しずつ仕事に復帰していきました。そうやって日常生活を取り戻しながらも薬を前提にしていることもあり、不安はなかなか拭えません。
その後の診断の結果、軽度のヘルニアとされ背骨に幾ばくかダメージは見受けられたので対応策としては大きく分けて以下3つ。
①手術 …確実ではあるが、安静期間が長くかかる。
②注射 ….手術に比べて安静期間は短いが、一生に一度しか使えない
③様子見 …若いし、痛みが引くことも考えられる
今回は痛み止めを服用しながら様子見となりましたが、椎間板に注射を行う治療などもあるんですね。「一生に一度」と言われると使いどころを悩んでしまいます。
〇腰痛防止のためのフィードバック
「重たいものを持ち上げた」などの負担の生じるような作業中でなかったことで長年の蓄積が今回の要因と仮定。これまで何気なく行っていた作業を見直すきっかけとし、早速餌づくりの工程から見直します。あとは営業の移動方法も。
1.牛の餌づくり
現状は手作業で餌の計量をしているので、毎日数百キロ分の餌を持ち上げて運んでいます。これまでは地面に置いていましたが膝丈ほどの台に乗せて計量などの作業を行うようにしたことで負担を軽減することができました。
今後も継続的に飼料の置き場所や移動範囲なども加味しながら、抜本的に作業の負担軽減を図る必要があります。合理化を進めた上で機械化を行うことでより効果的な投資となるため、作業のブラッシュアップは重要です。
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牛の食べ方や表情で量を調整
2.稲作
米作りに関しては抜本的な作業の見直しは難しい状態です。専用機械によって各工程の省力化が既に実現されています。農作業のうち、うちの独自の取り組みで省力化が難しいのは草刈りで、田んぼの畔に生える草を牛に与える飼料として利用しています。
畔草の除草に関しては、以下の通り省力化が図られていますが、飼料とするには手作業による草刈りが必須となります。
①除草剤
②自走式草刈り機(草を粉砕して処理するため、飼料には向かない)
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刈ってその場で太陽光で乾燥させます
とはいえすべての畔をカバーするにはマンパワーが足りないため、時期によって畔の処理方法を切り替えること(一時的に草を粉砕することで生育を調整する)で丈夫な畔の実現を図っています。自走式の草刈り機の性能が向上すればうちでも採用するかもしれませんが、費用対効果を考えるともう少し先になるでしょう。畔もある程度機械の動作条件に合うように整備する必要もありますから。
3.遠征
思い当たる節があるとすれば営業で各地を訪れる際に積極的に使っていた深夜バス。やはりダメージが蓄積していたんですね…。昨年は7回乗車しており、広島-東京も経験しました。「案外どうにかなるものだな」という感覚でしたが、スマートウォッチの記録を見るとほぼ寝れておらず。今年は乗り換えや待ち時間を厭わず、飛行機を活用しようと思います。
個人的に移動時間と就寝時間を兼ねるような移動の選択肢が増えればいいのになと。フェリーや寝台列車のサンライズ瀬戸・出雲(すごい人気でまだ乗れたことがない)、勿論深夜バスもいいのですがフルフラットにできるくらい居住性を高めてもらいたいものです。「快適に移動できて翌朝早朝には目的地に着いている」というニーズはかなりあると思いますが、利用者数の多い東京大阪間以外だとほとんどありません…
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〇将来に向けての準備
家族経営の農業を営む中で、将来的な労働力不足という課題に直面しています。今後の主たる労働力として想定される私がこの有様ですからより一層需要になってきます。
両親の負担を軽減し、安心して農業に従事できる環境を作るためには、収益性の向上と魅力的な職場環境の整備が不可欠です。そのためには、これまで通りの自分にとって楽しいことを追求するばかりではダメですし、より一層お金についても考えていかなければなりません。
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デスクワークはたまにでいい
とはいえ何十人も雇用しなければならないわけではないですし、若者が少なくなっている現状ですが、万人に好かれなくとも「非常にニッチ」で「好きな人にはたまらない」ような仕事にできるとは思います。
農業だけでなく、自分の得意な分野の仕事も絡めて新しいことに挑戦するような人が楽しめるような仕事にできれば最高ですね。そういった方が複数人所属するような体制が築ければもっと面白いことができるはず。
実現にはまだまだハードルがありますし、着実に1歩ずつ目標を達成していけるようにまずは仕事に励んでいきたいと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。ギックリ腰は本当にキツイですね…9/28(土)は友人らとズムスタで広島巨人戦を観戦予定でしたが、流石に動けず、自宅から応援しました。結果は…
こうやって記事にできるのも深刻でなかったからこそ。今年は元気に仕事をこなして現地観戦もしたいです。引き続きスキ・コメント・フォローなどを頂けますと励みになります。