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Someday I Trust

あの時の私たちが毎日身に纏っていた、制服の紺色のスカートのプリーツの固さを思い出して泣いた。


授業が終わった頃にはただ邪魔になってしまった雨傘たちを、コツコツと音を鳴らして喋りながら駅まで歩いた日。
さっきまで君が座っていたから、逆撫でされたようになっている電車の赤いモケット。
お風呂でもベッドでも泣けないから、帰り道のほとんど誰もいない鈍行の電車で泣いていたら横に来て心配してくれたリュックを背負ったおばあさん。

西陽がさす、ちょうど県境の田んぼのところで、遠くを眺めながら、今日を若き日の思い出としていつの日か思い出すのかもしれないと考えて、過去と未来の自分に引き止められたような気持ちになって。


迷子になってしまった子が、お母さんに迎えに来てもらっても尚、ずっと泣きじゃくってしまうのに似ている。

あの時、ただ手を繋いで欲しかったから、抱きしめて欲しかったから、あの時のさみしさを思い出して涙が止まらないのだ。
本当は、今はさみしくもかゆくもなくて、少しだけ遠くに行ってしまったあの人のことを考えると、なんだか全部嘘みたいに思えてきて。たったそれだけだった。

体が強張って肩に力が入ってしまう。不覚にも私が私に抱きしめられているみたいで不思議な感覚。
しばらくして指先が少し痺れてきて、君を指でなぞっても輪郭が曖昧にぼやけて魔法みたいだね。
さっきまでそこにあった質量がもうここにはないって魔法みたいだね。


三つ編みしていた跡が残る髪を光に晒して。あの頃見ないふりしたものが、今の私が見たいものだよ。

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