Bebetan

3/14、カナルカフェ日記その4をアップしました☆ 出会いをテーマにした小説を書いてい…

Bebetan

3/14、カナルカフェ日記その4をアップしました☆ 出会いをテーマにした小説を書いているBebetanと申します。YouTubeも最近始めました。https://www.youtube.com/channel/UCsuUQOlLqBfd2uapuFWOf8g/videos

最近の記事

カナルカフェ日記 その4

写真の第一印象は、品性とアクティブさを兼ね備えた落ち着いた女性、というものだった。 今年は、新型感染症のせいで春先から自粛ムード一色だ。そんな中で、暇つぶしに始めたのが恋活・婚活アプリだった。 初めは新鮮に感じられた自己紹介文も、定型文に沿って作成されているのか、代り映えしないものが多く、載せている写真ももっと他に載せる写真あるだろ、と思わずツッコみたくなる写真か、プロが撮ったとしか思えない日常の雰囲気とは少し違うだろうと思われる写真ばかりだったが、いつしか修行と自分でも思え

    • カナルカフェ日記 その3

      7月にはいってから連日のある意味で日本の夏らしい天気はその月の下旬になっても勢いはとどまらなかった。今年は年始からの世界的に猛威を振るっている感染症のためマスクをしないといけない。ただでさえ、朝から蒸し風呂のような気候なのにマスクなんてしたら家を出てから1分もしないうちに化粧が落ちかねない。 M子は革製品で有名な某ラグジュアリーブランドに勤める35歳。世間でいう婚活真っ盛りである。 1年ほど前に世界で1位の売り上げを誇る某百貨店内にある売り場から銀座店に異動してから、時間に

      • カナルカフェ日記 その2

        今年の夏は暑い。とにかく暑い。7月に入ってから毎日続く蒸し風呂のような天気が続いていた。 結局、関東は例年より11日遅い8/1にやっと梅雨明けしたと発表されたが、どおりで7月の初旬は暑かった。 朝に家を出て5分も歩かないうちに汗が噴き出す毎日だった。 今日は朝から小雨が降ったりやんだりしているが、そのせいでよりいっそう蒸している。 7月の最初の土曜日の昼下がり、今日もまた、カナルカフェに向かっている。知り合いの女性とお茶をする約束をしているのだ。 デパートで働いているらし

        • カナルカフェ日記 その1

          JR総武線の飯田橋駅西口を降りて、牛込橋を渡って神楽坂側に出るとカナルカフェというテラス席が水辺に面したカフェがある。春は外堀沿いに見事な桜が咲きテラスからその眺めを一望できるので大変なにぎわいを見せるのだが、春に限らず、いつ訪れても都内の中心にあって緑と水辺の清涼を感じることができる素敵なカフェである。初めて行ったときのことはよく覚えてないのだが、僕はその場所がとても好きだ。今、東京で一番好きな場所といっても差し支えないであろう。昔からドラマの舞台になったり、恋するなんとか

        カナルカフェ日記 その4

          ラテンな街でのJazzyな夜 (後編)

          ジャズバーにて ~展開~ バンドが演奏しているエリアに彼女を誘い出す必要があるのは間違いなかった。 お互い立っていればなんらかの動きが出て、身体接触する可能性がでてくる。 スペースがあれば踊りに誘い出す、という手がメキシコでは常套だが、さきほど通った感じだとそれは難しそうだった。 演奏を聴こうといって壁際に連れ出せればラッキーだな。 そんなことを思いながら席に戻った。 「お待たせしてごめんなさい。」 「いえいえ、問題ないわ。それよりあちら側に行って演奏を少し聴かない?」

          ¥100

          ラテンな街でのJazzyな夜 (後編)

          ¥100

          ラテンな街でのJazzyな夜 (中編)

          ジャズバーにて ~対話~ 「こんばんは。遅くなってしまってごめんなさい。」 「大丈夫です、金曜の夜は渋滞が酷いですよね。」 「Uberがなかなかつかまらなくて。本当にごめんなさいね。」 「本当に気にしないでください。それより座りましょうか。こちら側のカウンターの方がいいですか?」 自分がさっきまでいたカウンターのエリアの方が気に入っていたが、彼女に選ばせることにした。 「反対側もあるのかしら?そうね、なんとなくこちらの方が落ち着きそうだからこちらにしましょう。」 僕らは背中

          ¥100

          ラテンな街でのJazzyな夜 (中編)

          ¥100

          ラテンな街でのJazzyな夜 (前編)

          メキシコシティ ~準備~ 火傷するかしないかくらいの熱いシャワーで黙々と髪を洗っていると自分がどこにいるのか分からなくなることがある。 海外駐在している上に他国へ出張したりすると今自宅のシャワールームなのか、ホテルなのか、日本で住んでいたころのマンションなのか、本当に分からなくなる。 夕方、メキシコシティ国際空港に到着し、入国手続きを済ませてUberを呼んでローマ地区に向かった。40分ほどでメキシコシティの中心街、Alvaro Obregon通りから一本入ったところにある

          ¥100

          ラテンな街でのJazzyな夜 (前編)

          ¥100

          ラテンな街でのJazzyな夜 (序章)

          テネシー州のナッシュビルからアラバマ州を通ってミシシッピ州のジャクソンに向かう途中のずっと草原が続く代り映えのしない景色の中、ハンドルを握っていると自分がどこにいるのか分からなくなることがある。普段は過去を振り返ることなんかしない、いや、する暇がないといった方が正確なのだが、景色に気持ちが吸い込まれるとでもいうのか、いつのまにか普段思い出さないことをふと思い出す。 静かに物思いに耽っているときに限って、ラジオでかかっている曲が特に自分の好みのものではないハードなロックだったり

          ラテンな街でのJazzyな夜 (序章)