#65_【大人の社会科見学】中島川でさるく
少し前の話になりますが、ガイドの会の会議資料を作りながら、長崎市内で行われた日本遺産シンポジウムのことを、いまさらながら思い出しました。
パネルディスカッションでは、大御所の方々から沢山のありがたいお話があり、とくに書き残すことはありませんが、かねて長崎市内でカヤックが楽しめる場所があるらしいというウワサを聞いていましたので、出張のついでに行ってきました。
場所は、こんな場所です。
めがね橋を見ながらというのがウリかと思っていましたが、銅座川をギリギリの水深まで攻めたり、常盤橋から上流側に見えるナゾの水路に潜入したりとで、土木、廃墟、路上観察好きにはたまらない内容でした。GoProのバッテリー切れで映像が撮れていなかったのが、大変悔やまれます・・・(-_-;)。
そして、参加者ひとりのためにご対応いただいたのが大変申し訳なかったので、次回はまちあるき仲間と一緒に参加したいと思いますf^_^;)。
「また、なに遊んでるの?」とツッコまれそうですが、一応ここまで本題の伏線です。
この頃、ガイドの会の中で行う研修のネタを探していたのですが、シンポジウムの翌日、噂の土木学者「デミー博士」が何か企んでいるらしいというので、混ざってきました。
お目にかかった7月23日は、41年前に「長崎大水害」があった日ということで、その後どのような対策が行われてきたのかを、河口からたどっていくという「さるく」が行われました。
橋部垂涎の景色ですね(^^;。
大変重厚な佇まいを感じますが、長崎大水害の時には、多くの橋が破損、流出しました。江戸時代に建造されためがね橋も例外ではありません。
水害が去ったあと、今後同様の大雨が降っても市内が洪水にならないよう、川幅の拡大をはじめとした河川改修に着手することになりますが、ここでひとつ、大きな問題に直面します。
川幅を広げてしまうと、めがね橋が元通りに復元できない…(-""-;)。
では、この問題をどのように解決したのでしょうか?
なんと、中島川の両側にパイパス水路を作って解決したのでした(゜o゜;;。
ちなみに、水路の入口には堰の役割をするゴムが設置されていますが、これがあることにより、本流の水量を保ち「めがね」に見えるようにする役割もあるとか。
ちなみに、そのゴム2億円だそうΣ(゜Д゜)。
そして、上流へと進みながら橋を観察していると、アーチの高さがバラバラであるのが目につきます。
これは、橋を再建した際に、流されないようアーチを高くしたのだそうです。そうなると、角度が付きすぎてしまうので、そのような橋には、階段が付けられました。
こんな感じで護岸工事とあわせた洪水対策を施し一件落着…
かと思いきや、工事をしたことにより、別の問題が発生します。
護岸をコンクリートで固めたことにより、川にいた生き物の様子が変わりました。種類が減ったり、数も減ったり。ある生物がいなくなると、エサにしていた別の生き物もいなくなり、回り回って最後は人間にも…という実感は湧きにくそうですが、対馬でもよく聞く話ではあります。
そして、ラストは西山ダムに潜入。
なんでも、日本で3番目にできたコンクリートダムだとか。
バルブ操作室のステンドグラスも美しいです。
ダムの上にも上がれます。
長崎は平地が少なく、水の確保が大変だったので、最初は水の確保のために作られました。大きい港を整備するとき、真っ先に水道を整備するのは基本ですね。
その後、長崎大水害をきっかけに、治水の機能を持たせるべく、新しい堤体が作られました。
遊歩道が2本あるのは、そのためです。
橋とダムが面白そうという、ごく個人的興味で参加しましたが(^^;、土木技術の重要性だけでなく、世の中の物事が複雑に絡み合っていることを目の当たりにしました。
デミー博士からは、複雑に絡み合った環境や社会の事情を、素人の私にも分かるよう解説していただきましたが、こういうガイディングを目指したいですねo(^-^)。
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