シェア
むかしむかしあるところに、根が優しい青年がいました。 彼は真面目な仕事ぶりを評価されてい…
新都心の駅で決意を固めた夜を忘れない。 最寄り駅まで走って終電に飛び乗った夜を忘れない。…
ハンカチをギュッと握りしめたら、少しは楽になった。 熟練の黒魔術師でも解けない暗号を抱え…
やり直したい事は幾つかある でもどう足掻いても時計の針は戻せない 「今を生きる」というの…
エンジン全開で走ったせいで おんぼろとなった僕を どうか許してくれないか 円陣を組んで声出…
ざあざあ降りの雨と鳴き止まぬ蝉たち。 「ウスバカゲロウは陽炎?」 晩夏の夕暮れは、少し恥…
全てが終わった翌朝に、鳴り響く賛美歌。 途切れなきメロディは、さながらマトリョーシカのよう。 「ねぇ、数字を並べたら少しは暇つぶしになるかな?」 「モルドバの青空は綺麗らしいよ」 「そう。じゃあ僕たち気が合うね」 馴染みの顔とチキン頬張って。 少しの間、僕は幸せだった。 「6月の雨はどうして冷たいの?」 「きっと神様が悪さをしているからだよ」 「そう? 僕にはそう思えないけど」 最後の章が終わり、賛美歌は幕を閉じた。 旧市街の朝焼けは、なんでこんなにも美しいのだろ
「どういう風に生きたって、どうせ死ぬんだよ。」 着信したメッセージには、そう書いてあった…
ケトルから注いだ液体がカップを濡らした 「薬は白湯で飲むと良いんだって」 彼は錠剤を飲み…
コーヒーとミルクを混ぜた液体に名前をつけるなら。 怠惰で仕様の無い気分に名前をつけるなら…
書き溜めた想い 僕はなぞって 見つめた先に 色鉛筆の君がいた 形容したら壊れそう だから無理…
濁ったプール 涙目の君 敗北のフール 見送った後に そうか 僕らここで出会おうとしていた …