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文章と自分のリハビリ ②(2022年 8月後半)

 只今、こころの充電中につき。
 一日一題、お題にそってものを書いて投稿するサイトに出したものより。

 そこは、私にとっては、note から逃避した隠れ家、です。だから、どこのサイトかは探しに来ないでください。
 だけどもしどこかで見かけたら。声をかけずにそっとしといてください。いにしえの仮面舞踏会では、仮面の下の顔は知らぬものとして、互いが手を取り、ダンスしていたように。

・◇・◇・◇・

 

① 悪事にまつわるエトセトラの詰め合わせ

コレハ、子どもノ頃、先生に叱られないいい子、デアルコトニ唯一ノぷらいどガカカッテタバカリニ、正直ニ、ゴメンナサイ、ヲいエナカッタ、私ノちいサナ懺悔。
 
鏡ノ反射ニツイテノ授業ノトキ、みんなデ実際ニ鏡ヲ持ッテ、ムカイノ校舎ノ壁ヲ照ラシテミル、ッテイウノヲヤッタ。みんないい子ダカラ、先生ガ指定シタぞーんニ、ちゃんと光ヲ反射サセテタ。
ダケド、みんなノ光ガぴかぴかイッショノトコロニ集マッテルカラ、私ノ光ガイッタイどれナノカ、見失ッチャッタ。私、めちゃくちゃモドカシカッタ。ダカラ、手許が狂った事にして……ひとりだけ、ぴょこんト鏡ノ光ヲハネ上ゲサセタ。やったぁ! これで私の光がどれかわかった! コレデ、みんなノ光ガイッショニナッテルトコロニごっちゃにマザッテ、マタ見失ッテモ大丈夫。なにくわぬかおして、光ヲモドシテ、鏡ヲぴかぴかサセテタ。
ソシタラ、実験ノアト、先生ガいッタンダ。
 
ダメ、ッテいッテタノニ、鏡で別のところを照らしてたのは誰デスカ?
 
ッテ。ソンナコトヲシタノハ、私だけシカイナカッタ。いつもハ悪戯ばかりしてる男子ノN君デサエ、そんなことしてなかったのに。私ハちいサクナッタ。デモ、私です、トハいエナカッタ。
アトハヨク覚エテナイ。ナントナク、いつもノヨウニ、N君の仕業、ッテコトニなっちゃったンジャナイカナァ。
 
イマデモ、手鏡ノ光トカ、おもちゃノめっきノきらきらトカ、おもわぬところに反射シテルノ見ツケタラ、どきっ、ッテナル。なんでやっちゃのかな、トカ、でも、そうでもしなきゃ、ホントに自分の鏡の光が壁に反射してるか、ちゃんとわかんなかったんだよ、トカ。ダケド、イチバン胸ガぎゅっトナルノハ、正直ニいエナクテ先生ゴメンナサイ、ッテコト。
鏡ヲ見ルト、アノトキノごちゃマゼのぴかぴかノヨウニ、イロンナ気持ちガ錯綜スルンダ。

 お題は《鏡》でしたが、「ほかの人は全然違うことを書く」のを目標としてるし、そもそもが「自分を再発見するために書く」のが目的なので、こころがチクリとする過去の記憶を掘り起こしました。
 最初はふつーにひらがなで書いてたのですが、そしたらみごとに「ただの思い出話」になってて……読み物としての面白さを出さなアカン!、と、奇妙にひらがなの混じったカタカナに書き直しました。
 草野心平のカエルの詩のようなたどたどしさ、活字を貼り付けて作った脅迫文みたいなねじれ感、が出てたらいいのですが。
 それと、こいつ、口でいうほど反省してないだろ? と疑いの眼差しを向けてもらえたら満足です。

 元ネタは授業中のほんのささいな過ちなのですが、過失のふりをしようとしたり、なりゆきで別の子が罪をなすりつけられたり、いまだに正当性を主張してみたり、結果的に、悪事の結果引き起こされるあれこれの詰め合わせ、になってしまいました。ていうか、私のこころの中にずっとあったのか、この詰め合わせ!……そりゃ、思い出すのも重たい記憶になってるはずです。

 と、いうことで、メンタルヘルスケアのためには、以下のことがとっても大事!

 ①「そもそも後ろ暗い事をしない」のが、一番のメンタルヘルスケア!
 ② 後ろ暗い事は、精神的な負担を連鎖的に発生させます。負担過剰になる前に、負の連鎖は速やかに断ちましょう!
 ③「正直」に「潔く」、「ごめんなさい」。負の連鎖を断つには、この3点セットが一番有効です!

 ちなみに、N君、ひょうきん族のマネばかりしてる、学年イチのおちゃらけ担当でした。で、私は、N君への説教担当。
 のびのびやってたN君が、内心うらやましかったですが、その本心からは極力目をそらすようにしていたように思います。もっと、自分に正直になれてたらよかったのに、ですね。
 いまさらながらですが、もし、N君がイケメンだったら、好きになってたかもしれない……という気持ちもないわけではないです。

 

② 結局、好きなコトばかり書いてる

雲や風が空に描く模様が、気象。
星々が夜空に描く模様が、天文。
むかしから、僕らの国では、これらの模様を観測して、天下の情勢や世の行く末を占ってきた。
 
空模様には、地上世界の有様が如実に反映される、という。では、昨今の、世界的に疫病が流行ったり、それに乗じるかのように理不尽な戦争が起こされたりするような情勢を、もしほんとに空が、具体的な模様として映し出せるのなら、例えば、どんな模様になるのだろう。
 
果てし無く淀み続ける黒いどろどろだったりするのか、絶え間無く捻くれ続ける紅蓮のうずまきだったりするのか。
それとも、剥き出しの汚い歯の高笑いだったりするのか。
 
今日の空模様も曇りだったけど、すくなくとも、そんな奇天烈な模様が映されそうな気配は微塵も無かった。
それはつまり。天はまだ、人間を見捨てていないということだろうか。もう、随分と、世の中がめちゃくちゃになってきてるような気がしているのに。
 
でも、取り敢えずは。そう解釈しておくことにした。
だから、空模様観測台の観測官たる僕は、今日も。観天望気日誌に、記録する。
 
「空模様に異常無し」と。

 お題の《空模様》ですが、自分のなかをのぞきこんでみたら、見事にスッカラカン! 毎日、空模様をにらみながら布団干してるはずなのに、なんでこんなにカラッポなんだろう……。
 いっぽうで、「ほんとに空に市松とかの模様を描いたらすごいことになりそう」という思いつきがどうしてもアタマから離れなかったので、その方向で空想をふくらませることに。が、このアイデア、すでに投稿されてたので没にしました。ぴえんです。
 いまさらだけど、同時に連想していた、草間彌生さんの「水玉の幻覚」から発展させていく方向もあったんですよね。あと、矢絣とか麻の葉とか、伝統的な着物の模様を空にプリントしちゃうとか。もったいないことしちゃった。ぱおん。

 そこで、もうひとつのアイデア、「空の模様といえば、そのまんま《気象・天文》っしょ」のほうに舵をきりました。そしたら、「今のこんな世の中に諸葛孔明が降臨して、天文占いしたらどうなるんだろ?」と……ねっからの三国志好きが発動しまして。
 結局、漢字・漢文の知識とか、天下国家を慷慨するとか、対句とか、難し目の漢字の熟語とか、好きなものを詰め合わせにしたファンタジーができあがりました。

あらためて、いわしてくれ。
漢字が大好きだー!
対句も大好きだー!
ほんとは漢文調の文章がいちばん好きなんだー!

 

③ 苦手なものは創作にも反映する

オレが好きになる先生は、なぜみんなすぐにいなくなってしまうんだろう。それって、オレのせいかな?
いいや、そうじゃない。オレだってそのへんはちゃんとわかってる。
オレが、「あ、この先生なら心が許せるな」って感じる先生は、いつだって、期限付き雇用?っていうの?……臨時教員の先生なんだ。だからいつも、もっと一緒に勉強したいな、って、本気モード入りかけたころに、さよならを言わなければならなくなるんだ。

T先生の入院中にやってきたY先生もそうだった。自己紹介の瞬間から、この人、波長が合うな、って。ピンときてた。
 
(中略)

だから、オレ、Y先生の授業だけは、まじめに受けたんだよ。いままで、運動会とか文化祭とか、全然参加しなかったけど、Y先生と一緒だから、燃えたしね。行事でこんなに燃えたのって、自慢じゃないけど小学校低学年以来なんだぜ。定期テストも、Y先生の教科はちゃんと解答した……名前以外でこんなにいっぱい書いたことって、中学三年間で初めてだっちゅうの。
そしたらなんかさ。担任とか学年団の先生も「ミツヒデ、どうした!?」ってよろこんじゃってさ。

だけど。それでも。さよならのときは来るんだよな。
やっぱり、オレのせいかな?……ちがうちがう。最初の自己紹介のときからそれはハッキリしてたじゃん……T先生が退院するまでの臨時の先生だってこと。

オレ、さよならを言う前に、なにができるんだろう?
Y先生がいなくなるまで、もうあと1週間を切っちゃったのに。

 お題の《さよならを言う前に》に対しては、3つの質問が考えられます。

さよならを言う前に、
 ① 何をしておきたいですか?
 ② 何をしてほしいですか?
 ③ 何をしてあげたいですか?

 また、「さよなら」はシチュエーションによって、重さが違います。

 ① 日々の「バイバイ」
 ② 訪問先での出入り
 ③ 卒業、離職、引っ越しといった、所属集団からの離別
 ④ この世からの永遠の別れ

 それから、送り出す方、送り出される方、という違い。
 人や生き物、にかぎらず、モノとの別れ、っていうのもあります。

 これまでいろんな組み合わせで「さよなら」を経験してきましたが、一貫して「さよならを言う前に、なにか心積もりをする」というのは苦手でした。なので、自分のなかからなにか引っぱりだすのはあきらめて、知人から聞いた教え子のエピソード(クセが強くて手を焼いていた生徒が、お別れのメッセージに「オレの好きな先生、いつもすぐいなくなる。オレのせいかな?」と書いていた)をふくらませてみました。
 でもやっぱり、結末は「結論出ず」になってしまった……いちおう、「さよならを言う前の逡巡」をとりあげる人はほとんどいないだろう、という目論見もなかったわけではないですが、自分の苦手がモロに反映してしまった、というのが強いです。
 この子もオイラみたいに、なしくずしで先生との別れの日をむかえちゃうのかなぁ……この子のためになにかいいエピソードを考えてあげられたら、自分の苦手も、すこし克服できるのかもしれません。

 ところで、私のなかにはずっと、この生徒さんに「先生がいなくなるのは、アンタのせいじゃないんだよ!」と、背中をたたいてあげたいような気持ちが、ずっとわだかまっていました。このわだかまりを成仏させたいのもあって、この文章を書きました。
 だけど同時に、あまり思い出したくない負の記憶も刺激してしまいまして……とはいえ、「自分のリハビリ」のためには必要なことなので、しかたないですよね。でも、しんどかったー。

 さいごに、自画自賛ですが……

だから、オレ、Y先生の授業だけは、まじめに受けたんだよ。いままで、運動会とか文化祭とか、全然参加しなかったけど、Y先生と一緒だから、燃えたしね。行事でこんなに燃えたのって、自慢じゃないけど小学校低学年以来なんだぜ。定期テストも、Y先生の教科はちゃんと解答した……名前以外でこんなにいっぱい書いたことって、中学三年間で初めてだっちゅうの。

 っていうくだりは、夏目漱石の「こころ」の名文、「記憶してください。私はこんな風にして生きてきたのです。」のように切迫してて、せつなくて、我ながら、わりと好きです……ていうか、背後には間違いなく、「記憶してください。私はこんな風にして生きてきたのです。」ってメッセージが隠されている。
 でも、こういうのって、意図してではなく勝手に出てきてて。なんでこんなの書けてるんだ?、ってあとから気がついてビックリするパターン。ただいえるのは、脳内ですでにしっかりとした像を結んでいるものは、「彫刻刀で木肌をなぞるだけで彫像が木中から現れてくる」ようなノリでことばが出てくる、っていうことです。
 よく、「じっくり時間をかけたものよりも、短時間でパッと仕上げたもののほうが傑作だった」っていう逸話があるじゃないですか。それはつまり、「脳内にあったなにかに求められるままに形造ったらこうなってた」ってことじゃないのかなぁ……なんて、おもってます。

 

・◇・◇・◇・

 

 さて。なにやかやつぎたしてるうちに、500文字とちょっと。
 今回はここまで。
 今回は全体的に、創作寄りになりました。

 こんな感じで、われながら気に入った文章と、自己分析的なものを、つれづれに書いています。

 

 

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五百蔵ぷぷぷッこ / 140字のもの書き / Espansiva の中の人
いま、病気で家にいるので、長い記事がかけてます。 だけど、収入がありません。お金をもらえると、すこし元気になります。 健康になって仕事を始めたら、収入には困りませんが、ものを書く余裕がなくなるかと思うと、ふくざつな心境です。