とある二人の会話。 「あれ?」 「ん?」 「降ってきた?」 「うそー?」 「当たったって。ほら。」 「あ、ほんとだ。濡れてる。」 「な?」 「うん。…あ、僕も当たった。」 「うわ、結構降りそうだな。」 「えーやだやだ。あそこに避難しない?」 「とりあえず寄るか。」 「うん。」 「ここ、イートインスペースあるんだね。結構広いし。」 「知らなかった?」 「え、たーちゃん知ってたの?」 「うん。俺コンビニならだいたいここ来てる。」 「えーそうなんだ。僕はからあげとか買うから、あ
「それ、見方が違うんじゃない?」 突き刺したケーキをこちらに向けながら、彼女は言った。 彼女の目の前には、色とりどりのケーキが所狭しと並んでいる。バイキングと名のつくものは何でも本気で挑む。それがこの友人のポリシーだ。 「見方って…。私には、それは4個目のチーズケーキに見えるけど。」 ケーキバイキングとは名ばかりの、6種類くらいしかケーキのない食べ放題だった。制限時間である90分間は文句も言われず居座ることができるが、ただ居座れるというだけで、別に90分間食べるの
※以下にも掲載しています。 →https://ncode.syosetu.com/n5357gg/ とある二人の会話。 「月ってさ。」 「うん。」 「うさぎがいるって言うじゃん。」 「そうだね。」 「あれ、模様がさ。月の。左側がうさぎで、右側が臼に見えるっていうさ。」 「うさぎが餅つきして見えるってやつだよね。」 「そうそう。」 「うん。」 「でもさ、外国では違うらしいじゃん。」 「え、そうなの。」 「うん。カニとか女の人とかに見えるって言うらしいよ。」 「カニ?」 「カ