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とても嬉しい褒め言葉

アメリカにいると、自己肯定感アゲアゲな世界に浸ることができます。

すれ違いざまに持っているものを褒められ、公園で立っていると服装のスタイリングを褒められ、買い物かごの商品を取り出すとレジ係にその商品のチョイスを褒められる。

私が特別なんじゃなくて、アメリカで暮らしていると毎日こんな感じでやたらと褒められるのです。

渡米1年目は、褒められることがなぜか恥ずかしかった。

渡米2年目は、謙遜せずに「あらー!ありがとう!!!」と脚色めいたリアクションとともに言えるようになった。

渡米3年目は、言ってくれた相手の素敵なところを見つけて、必殺「褒め返し」をするようにした。

渡米4年目は、その日会った人の素敵なところを我れ先に!と見つけて、積極的に言葉にすることにした。

現在、渡米7年目がスタートしたところ。

今では相手の素敵なところ、好きなものを瞬時に見つけて褒められるようになりました。


これってお世辞という範疇には入るのかもしれません。だけど、その日その時、それが目に入って少しでも自分の心を動かした「いいな」を伝えると、相手は必ず喜んでくれます。ついでにポジティブな言葉を発した自分もいい気分になってwin-winしかない。
それに、必死で探さなくても本当にみんな素敵な何かを必ず持っているから。褒めることで損することなんて一つもない。

ちなみに褒める時は、相手の身なりや、持ち物、いつもと違う点を言うのが暗黙のルールです。
「痩せた?」なんて容姿に関わる言葉は完全にタブーになるので要注意。(当たり前だけど「太った?」は一生口をきいてもらえなくなる。)


日頃から何かと褒めて、褒められての生活を続けていると、褒められ慣れをしてくるのも事実。
...なのだけど、特に自分の中で驚くほど嬉しい褒め言葉があることに今日気がつきました。

それが

「あなたってとてもいい香りがする!」

たまに言ってもらえるこの言葉が、今日は妙に自分の中に響いて、「いい香り〜」「いい香り〜」と脳内をこだましていることに気づきました。

今日行ったヘアサロンの美容師さんが
「あなたってとてもいい香りがするわよね」と言ってくれました。

つづけて「何のパフュームつけてるの?」と聞かれたのだけど、何もつけてない。
「シャンプーかな?洋服の洗剤かな?」と聞いてみたら「いや、違う。あなた自身からの香りだわ。」と。

自分で自分の香りは分からないもの。
夫も私によく「君だけにある、いい香りがする」と言ってくれるけど、それこそ妻に対する色眼鏡...この場合だと鼻メガネ?がかかっていると思っていたので、あまり本気にしてませんでした。

自分の知らない自分。
自分のことを他者から発見されるってこういう気分になるんだって、「いい香りがする」から派生してうっすらとした感動さえ覚えました。

おかあさん。
なあに。
おかあさんっていいにおい。

そうそう、赤ちゃんもいいにおいがするよね。

どんな香りを自分自身がまとっているか分からないのがもどかしい。
だけど、その香りが私を私にしていて、私を表現するファッションになっているのは嬉しいことだと思ったのでした。



[トップ写真について]
写真は親指。
1つは本文にもあるお世話になっている美容師さんの、もう1つは私の親指。
私はこの短くて横長の爪が不細工だと思って、小さい頃から嫌いでした。
だからマニキュアもつけない(目立たせない)ようにしてたけど、彼女は不細工なのは承知で、それでもオシャレしたいからってマニキュアを楽しんでる。

日本でも見たことがなかった、本人も認めている不細工な爪保持者がここにいたなんて!

私は深爪が好きなこともあって、やっぱりつけ爪もカラーも日常ではしないけど、彼女のポジティブな心持ちに何度も感銘を受けています。


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