04号から05号まで日記 0606-0612
0606
今日は「カメラ・トーク」発売から31周年の記念すべき日だった。あれほど夢中で一枚のアルバムを聴き続けた経験は後にも先にもこの一枚だけ。しかも後々、多くの人とこのアルバムをめぐって知り合い、さらに話したり書いたり本を作ったりで、それが現在まで続いているとは。
11月の文学フリマ東京に出店することになった。それならこうしよう、ああしようと考えが浮かぶ。
0607
昨日は「カメラ・トーク」31周年だというのに「music is music」の美島さんコーナーで採用された私のお題は「絵描き唄に出てくる日=6月6日」という理屈による「ドラえもん」なのだった。せめてカメラにこじつけておけばよかった。
0608
文学フリマに出店したいという人から、どんな風に参加すればよいのか大まかに知りたいというリクエストがあったので、私の経験から得た知見を少しまとめてみようと考えた。
文学フリマ参加者のブログやnoteを少し読んでみると、実に千差万別で、楽しい人も悲惨な人もいる。ただ広く共通するのは「売れない」という問題である。「結局、質の高い本を作るしかない」という人もいれば「結局、安くしなければ売れない」という人もいる。
私は「工夫すれば売れる」「手間暇をかければ売れる」「高望みせず誠実に、時間をかけてコツコツやれば売れる」と考えている。このあたりから書き始めるといいのかもしれない。
0609
再編集版は時系列順に並べようとすると頭が変になってくるので「ライト」「ヘビー」という分け方を考えてみた。
ライトは初心者向けで、総論的な話と「僕ら」「僕たち」に関する考察のまとめ。これはイメージしやすい。「ヘビー」はもっとマニアックな考察と「Fake」に関する話など。
「ライト」はまとめの前篇で、「ヘビー」は後篇と考えてもらってもよい。
0610
文フリでの販売について、初心者向けのアドバイスを書きはじめたら手が止まらなくなり、二日で12000字ほど書いた。書いた分だけ頭のモヤモヤがすっきりした。
おかげで01号の新装版を小さいサイズにして、すべての記事を横一段にしてみたらどうかという思いつきから、試作品を編集する段階までが短時間ではかどった。表紙まで完成できた。もと68ページの本がひとまわり小さいサイズの100ページに圧縮されたので、これなら送付も楽になる。
新装版の内容はほぼ同じで、微妙な調整や書き足しは全体に少しずつ。「引用論」を「引用に関する話」に改めたり、QRコードのいくつかをカットしたり。記事の順番は同じで、文字の組み方はすべて横書きの一段に統一した。
これまで記事の終わりに「終」と書いたり書かなかったりしていたので、今後は★のマークを付けることにする。「終」という字は美しくないし、誌面に洒落た感じと、軽さと、リズムが生まれる。
0611
もともと自分が本を作ろうと思った時に、お手本にしたかった最初のイメージは慶応大学アート・センターが出しているブックレットのシリーズだった。
これは縦長の珍しいスマートな形で、文章はすべて横書きになっている。値段は1900円くらいするかと思ったら、750円だった(これは驚きの安さ、しかも送料まで良心的)。
ちなみに私は無料でいただいたが、この本のおかげで「ベレー帽とカメラと引用」が生まれたようなものだ。何が何かのきっかけになるのか、予想できない。
横書きのもう少し小さい本では「THE QUEEN OF CRIME」というZineがある。
「小B6判」というらしく、文庫よりやや大きい。定価2200円で薄い本だったのでちょっと高いように思ったのだが、中身はクリスティへの愛情が詰まっていて、本の造りが丁寧で、読むうちに値段は気にならなくなった。
何度も読みたくなる本なら、金額はほとんど気にならない。しかしそう感じられるのは買った後のことなので、Zineは欲しいと思ったら高めでも買うべきだ。
最近では横書きの小説もある。イ・ランの「アヒル命名会議」は同じくらいのサイズで、軽くて持ちやすく読みやすい。
ところがなぜか文庫本になると「小さい」「読みやすい」ことへの愛着がすっかり消えてしまう。「小さなチーム、大きな仕事」という起業の本があって、文庫化されたものを見ると、元の方が良かったのにと感じる。
0612
04号の新装版は、6月末か7月初めに販売できそう。
01.02号の新装版は、7月半ば頃にまとめて販売できそう。
8月にもまた何かできるかもしれない。
11月は文学フリマ東京に出店する予定。
「01.02号の新装版が出たらすぐに買う予定です!」という人がどのくらいいるのか把握しづらいので、そういう方は上のページの「再入荷についてお問い合わせをする」を押して、メールアドレスとお名前(架空でも可)を入れて送ってください。部数を決める際の参考にします。