秋学期の折り返しとNegotiationの授業
気付けば11月に突入し、今年も残り2か月を切った。
先日、秋学期の前半の授業が終了し、今はキャリアトレックという、アメリカや中国など、他の国で企業訪問などをするイベントが行われている。
参加していない生徒は、そのまま休みになるので、今は1週間近く丸っと休暇になっていて、私参加しなかったので、やることはいろいろありつつも、比較的穏やかな日々を過ごしている。
来週から新しい授業が幾つか始まる。
単位数によって、学期を通して行われる授業もあれば、前後半どちらかのものもある。
そんなに期待していなかったのだが、前半で取っていたNegotiationの授業が意外と面白かった。授業内では、基本的な理論や考え方を学びつつ、ほとんどの時間は交渉のロールプレイをしていた。
ビジネスケースで交渉の一場面が与えられ、生徒はそれぞれ役割を与えられる。とある国の新貨幣発行における長官になったり、とある企業のCFOとして広告代理店との交渉に応じたり。
面白かったのが、ケースを紙で配られるのだが、役割に応じて与えられる情報が異なり、意図的に情報の非対称性が作られるので、ロールプレイとしてなかなかリアリティがあった。
上述のとある国の新貨幣発行のケースでは、外部のプロマネとしてファシリテーターの役割を割り当てられた。
調整役に徹して、時間内に各ステークホルダー(政府の責任者、寄贈防止局の長官、印刷業者、サプライヤー、デザイナー等)の間で、通貨の発行条件(紙幣の形状、セキュリティレベル、デザイン、素材等)について、何とか合意を取りまとめるというのが役割だった。
あまり良くないのだが、普段のチームミーティングとかでもファシリテーションの役割から距離を置いてきたので、若干焦った。
多様なメンバーでのチームワークと言えば聞こえは良いのだが、理解レベルが違い過ぎた時に、みんな好き勝手話して、当たり前の結論に辿り着くだけでも無駄に議論があっちこっち行くというようなことが往々にしてあったので、やや億劫になっていた。
そんな経験もあり、議論が拡散することが容易に想像できたので、重い腰を上げて、らしくもなくホワイトボードの前に立ってみたのだが、これが思いのほか役に立って意外と議論がスムーズにまとまった。
とりあえず議論を可視化しようと思い、「論点」×「役割」でマトリクスを書いてみて、意思決定権の大きい人間からスタンスを確認していった。
その際に、冒頭から各論点の優先順位を聞き出しておいたのが功を奏して、のちのち意見が対立したときに、各ステークホルダーから譲歩を引き出しやすかった。
ただ、最後の15分で、参加者の一人が選択肢の内容を勘違いしており、議論が紛糾し始めて、焦った。
これに乗じて、他の論点を蒸し返してくるヤツがいたりと、もう時間内に合意を取りまとめるのは無理かと諦めかけたが、他の参加者のフォローもあり、なんとか合意に辿り着けた。
ちなみに議論を蒸し返してきたやつというのがインド人で、あまりステレオタイプで語るのは良くないが、やはりというべきか、とにかく自己主張が強くて、こういうロールプレイでも、隙あらば自分の主張をしっかりねじ込んでくる。
とはいえ、他に穏やかで控えめなインド人の同級生知っているので、当たり前だが究極のところ個人によるのだが、とはいえインド人はきちんと自己主張が出来る人が多いイメージなので、その辺は強いなと素直に感心した。
(ロールプレイで一緒だったインド人は、もう少し人の話を聞くことを覚えた方が良いとも思ったが、、)
ロールプレイのあと、各チームの交渉の結果と、交渉がどのように進んだかを共有し、教授がうまいことまとめていく、という流れだった。
このロールプレイでも、チームによって交渉結果がかなり違うのだが、価格交渉系のロールプレイだと、さらに幅が出たりするので、同じ条件でも交渉をする人によってここまで結果が変わるのか、というのはなかなか面白かった。
この授業で、ある程度交渉術を体系的に学べたのはもちろんだが、交渉の重要性みたいなものを再認識させられたのは、個人的になかなか大きな学びだったと思う。
…てな感じで、たまには学生っぽい内容を。