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【3分読書メモ】「企画脳」(秋元康)を読んで
■基本情報
書名:企画脳
著者:秋元康
出版元:PHP研究所(PHP文庫)
出版日:2009年5月2日
ジャンル:企画術
読書メーター:https://bookmeter.com/books/555947
■気になったポイント(引用文+コメント)
あれもこれも盛り沢山に詰め込まれた「幕ノ内弁当」は、結局どれもが同じ印象しか与えない。したがって、記憶に残る「幕ノ内弁当」はないのだ。
<メモ>本当に強烈なインパクトを与えたいのなら、何でも詰め込んだ企画ではなく、何かに特化した企画、「エッジの効いた企画」を考えるべき。
誰がどんなものを食べたがっているかということを、つねに考えながらメニューをつくったり、料理人に指示を与えたりするのが、プロデューサーなのである。
<メモ>”自分の好きなことだけ”を押し進めるだけではヒットしない。必ず”企画を届ける対象”や”世の中のトレンド”を考慮しなければならない。
別の曲だったらもっと売れていたかもしれないし、ぜんぜん売れなくても、最高の曲だという評価を得るかもしれない。つまり、正解のないことを、どれだけ正解のように言い切ってしまうかということが、僕の仕事なのである。
<メモ>具体的な正解が無いからこそ、”ユーザー評価”が何よりの指針となる。企画(コンテンツ)を受け取った対象が「面白い!」と言えば正解である。決して自分の脳内だけで判断してはいけない。
「スポンジ」と「デコレーション」はどう変化していくのか?そう考えることが、企画・発想の原点になるのである。
<メモ>「スポンジ」:時代に左右されない不変的なヒットの原則(王道)。「デコレーション」:掛け合わせる要素&見せ方。
広く浅く「10」のことを知りたいのなら、それぞれ詳しいヤツを10人集めれば済んでしまう。だが、一つのことを深く掘り下げて知りたいときは、誰か専門の人間を呼ぶしかないのだ。つまり、よく切れて役に立つ「剣」を持っている人間が必要なのである。そのときはじめて、「剣」は闘うための「武器」になる。
<メモ>ジェネラリストではなく、特定の知識で誰にも負けない「スペシャリスト」になるべき?個人的には”各分野にある程度(60%~80%)精通したジェネラリスト”が最強だと思うが、そう考えると、スペシャリストを目指す上で特定分野の理解度は150%……それ以上は必要かもしれない。
【本書の感想】
著者の「秋元康」氏と言えば、もはや説明不要なまでに数々の実績を誇る名プロデューサーである。本書には秋元氏が数十年のキャリアで身につけた企画術や発想法がエッセイ形式で記載されており、他者とは違う彼なりのシャープな切り口、並びに仕事に対するこだわりを垣間見ることができる。とはいえ、その手段は決して常人離れしているわけではない。少なくとも筆者が読む限りでは、ごく一般的な社会人(学生)でも実践できるメソッドが半数を占めている。昭和から令和まで現役で活躍し続ける秋元氏の思考プロセスは全て完璧とは決して言えないものの、おおむね的を得ていると見て良いだろう。参考にするかどうかは各々次第だが、文字通り彼の”企画脳”に興味のある方はぜひ手にとってもらいたい。
【こんな人にオススメ】
・企画術&発想法に興味のある方
・独自の切り口で企画(コンテンツ)を生み出したい方
・秋元康のキャリアに興味のある方