【3DCG】エフェクト制作で意識したいこと4選【Tips】
初めまして。
Black Beard Design Studio エフェクトセクション、リードデザイナーの渡邊です。
今回の記事では、エフェクトを制作する上でどういった点を留意した方が良くなるのか等をご紹介いたします。
①要素の意識
制作するものに対してどのような要素が必要か先に見積ったり
参考をまとめたり、イメージボードを描いたりしておけば、
着地点が違う場所にならないで済みますし、
必要な項目がハッキリしている方が工数の目算がしやすくなります。
例えば、「火のバフ」のエフェクトを作るときに必要な要素は
火の粉、照り返し、焼け跡、火の衝撃波などがあります。
それらの要素をラフにしてみると下図のようになります。
②流れの意識
エフェクトを作るうえで、メインとなるものがあるかと思います。
剣の軌跡を作りたい、ビームを作りたい、バフっぽい効果を作りたい…
いずれもモーションに合わせて作る場合が大半ですが、
<発生⇒メイン⇒余韻>を意識して制作した方がより良くなりやすいです。
▼メインのエフェクト
▼<発生⇒メイン⇒余韻>を意識したエフェクト
スラッシュであれば、剣に纏わせるところから始めたり、
ビームであれば、発射するものを溜めるところから意識するのがおすすめです。
より良くするためには、消える時にもパッと消えたら不自然なので、次の動きへの不自然さを軽減することも意識しましょう。
③動きの意識
多くのエフェクトは様々な要素で構成されています。
その様々な構成内の中でもメリハリが無く、同じような動きをしていたら、
もっさりしたり、違和感が出てしまったり、良い感じにはならない場合が多いです。
そのため、「緩急」「要素の理解」が大事になってきます。
緩急について
はじめに「緩急」について”地面に広がるオーラ”を例にお話します。
エフェクトは発生時に一番力が強くなることが多いので、
初速は早めに空気抵抗や摩擦で遅くなるのを意識します。
▼動きのメリハリをつけないエフェクト
▼動きのメリハリを意識したエフェクト
『動きのメリハリをつけないエフェクト』では、オーラの広がる速度が一定でした。
恐らく初見ですと「言われてみれば..」となる差かもしれません。
ただ、このような細かな要素の積み重ねがメリハリや躍動感のあるエフェクトに繋がっていきます。
▼緩急の種類(おまけ)
(上段:一定の動き 下段:メリハリをつけた動き)
要素について
また「要素」よっては決まった動きがある場合があります。
炎であれば、温度・酸素量・風の影響・燃料等色んな条件でどう動くのかが決まってきます。
例を挙げると、「ゆらゆら上がる」「中心の方が明るい」「中心から離れたのは追従しない」
等に分類できます。
これらを留意すれば炎らしさが出せるかと思います。
逆に同じ素材でも
「重力の影響を受け下に落ちている」
「明るさが均等」「動きに追従して一緒に動く」
ように制作してしまっては、炎ではないように感じてしまいます。
要素ごとに違う性質がありますので、
観察を行い、試行回数を重ねて不自然さの軽減を目指してみてください!
④色の意識
「色」についてはいろいろとお伝えしたいことがあるのですが、
今回は組み合わせについてお話していきます。
エフェクト制作において、「テーマによって全体的な色味が決まっている」場合があります。
例えば、「日本神話系」がテーマであれば、
水墨っぽいイメージに沿って、黒や灰色の色味で制作する、などが挙げられます。
こういった場合はエフェクト自体も自然色な色味ではなく
世界観に沿った浮かないような色味で作る必要があるので、
「テーマ」が重要になる場合があります。
上記の色味の構成にて作成したエフェクトがこちらになります。
こちらを抑えて構成すれば変な組み合わせになりづらいです。
発生させるキャラクターにテーマカラーがあった場合、
エフェクトのメインカラーもその色に沿って制作してもいいかもしれません。
差し色
全体的に明度or彩度が低いエフェクトの中で、明度or彩度が高い要素を組み込んでみた場合、目立つので視線誘導に使えます。
ただし、描画範囲や描画時間によっては悪目立ちしてしまうこともあるので
扱いは難しくなりますが、試してみても面白い絵作りができます。
反対色(補色)
瞬間的に印象付けたいとき・衝撃を与えたいときなど、
メインカラーと反対の色をあえて使用することもあります。
真反対すぎると合わさったときに滲む色が汚くなる場合もあるので、
若干明度・彩度や色相環をひとつずらした方が馴染む気がします。
(「メリハリをつけたエフェクト」で組み込んだ青い衝撃がこちらにあたります)
以上の4つが「エフェクト制作で意識したいこと」になります。
ここまでご覧いただきありがとうございました!
おまけ
~日本と海外での色認識差~
調べたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、
「この要素はこの色かな?」という話で、日本と海外では違った色味を使うものがあります。
例えば「毒」がそれにあたります。
海外⇒「濃い暗い緑」
日本⇒「濃い暗い紫」
なぜ日本と海外とで異なるのかという理由は定かではないのですが、
「毒といえば緑」⇒肉が腐ったら緑にカビる
「毒といえば紫」⇒野菜が腐ったら紫にカビる
のような食文化の違いで、色味の印象に差異があるみたいです。
(コントローラーの○×で印象に差異があるのと似た感じがしますね)
リリースするゲームが
「海外展開も視野に入れている」、「むしろ海外がメイン」の場合、
こういった内容も調べたり、意識してみるといいかもしれません。
※毒の解説画像3点は一部AIを使用いたしました。
▼過去の【Tips】記事もぜひご覧ください
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