夏の終わりに思い出すドラマ2選
またドラマの話です。記憶と今の私の想像を補って語りますので、実際の内容とは異なる場合があります。夏の終わりに、思い出すドラマ2選です。
1 「同窓会へようこそ」
おそらく20年近く前に放送した単発ドラマで、豊川悦司主演。
主人公(豊川悦司)は結婚して都内かどこか、割合都会に住んでいる。ある時、高校の同窓会の通知が来て、卒業以来、20年ぶりぐらいにその地に足を踏み入れる。彼には忘れられない人がいた。高校の時、想いを寄せたクラスメイト(加藤あい)だ。彼は親の転勤で、3年生に進級する前に転校することになったのだが、彼女も彼に気もちがあったのか、記念のクラス写真を撮るとき「夏になったらまた会おうね」そう横で告げたのだ。しかし、転校後、彼女との連絡は途切れ、夏になっても会えぬまま年月が過ぎた。今、スマフォがある時代では少し考えられないが、20年前に見た時は何の違和感もなかった。
そしてその地で、彼は記憶の中と同じ制服姿の彼女にばったり会うのだ。聞くと、彼女の娘だと言う。お母さんはどうしているか、会いたいといっても、会うことはできないまま、2人で時間を過ごし、別れる。
その後、彼は同窓会に出席、そこで彼女が、あの夏を前に事故で亡くなったことを知る。
「お前、ゆうれいだったんだな」
一人になった時、再び現れた彼女を彼は抱きしめる。「やっと会えた」そのような言葉を交わし、口づけをしたあと、彼女は消えてしまう。
場面は東京の自宅に戻る。
「あなた、どうだった同窓会、何かあった?」
姿は見せずとも、妻と思わしき人の声が聞こえる。それに対し一言。
「…いや、なにもなかったよ」
彼、豊川悦司のポーカーフェイスのアップ、蜩の鳴き声のBGMとともに、ドラマは終わるのだ。
この「なにもなかったよ」がすごく良かった。本当は色々あった、ずーっと気になっていた彼女に会えて、でも幽霊で、実は離れ離れになって直ぐに亡くなっていたこと、それを語るわけでなく、自分の胸に秘める。その終わり方が素敵すぎた。
私はこのドラマをまた見たいと思いつつ、探してまで見ることはしないだろう。だって年下になっているもん、トヨエツ。それに、あの時抱いた鮮烈な思いを、そのまま大事にとって置きたい。
2つ目はまた次回ご紹介、夏に放送された連ドラです。かーなしーくて〜♪
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