職場見学のふしぎ
バザーみたいにゆるく楽しむ、バザー系市民です。
実は1年と少し、無職を謳歌していました。自分の貯金を切り崩しながらの楽しい生活でしたが、自分でリミットと決めた金額がそろそろ底をつくので働きに出ることにしました。
毎日なんにもしなくていい、あるいは何でもしていい生活でした。できることなら続けたいけれど。個人事業主として好きなことで食べていこう的活動もしていましたが。でも、言われたことをやる仕事というのもやはり楽で。そういうのに甘えることにしました。甘えとかいうと自分を虐める言葉になるので、まあ今は言われたことをただやりたいそういう時期と思って、取り組んでみます。
正社員を目指すのもなんかしんどいというか。無職の味を知ってしまったので、働きたくない成分が体内に大分醸成されしまっています。やめたくなったらすぱっとやめても文句いわれなさそうな派遣社員に人生初めて挑戦することにしました。でもまぁ正社員だって2週間前に言えばやめられるはずではあるので、今考えるとどちらでも良かったのではないかと思いつつ。
契約社員になるための職場見学
選考の過程で職場見学というものがありまして。そこで驚くことがいっぱあったのでそんな話しをしたいと思います。
まず派遣会社さんに自分の履歴を登録して。希望の求人にエントリーをして。派遣会社さんがまず経歴を見て選考して。スキル的におおよそ問題がないであろうと思えたら職場見学を打診して。そこでのすり合わせを経て派遣先企業と就労希望者(私)の合意があれば晴れて契約社員として働き出すという形になります。
この職場見学、面接のようなものかと思っていたら全く違いました。
質問できない、職場見学
派遣業法なども正直良く知らなかったのですが。派遣先企業が個人を特定するような人選などは行えないらしいです。だから面接だったら普通に聴かれると思っていた下記の内容についても全く聴かれませんでした。
前職の社名、時系列、待遇(正社員なのかパートなのか)
学歴
ブランク、退職、転職理由
志望動機
実際に尋ねられたのは下記くらい。
〜という業務がありますが、抵抗はありませんか?
想定される業務について苦手なこと、得意なことを教えて下さい
前職の主な商材はなんですか
表計算ソフトを使いますが、どれくらいの期間、どの業務で使っていましたか?
一問一答で答えられるような内容でした。本当にそれしか聴かれません。またこの職場体験の場には派遣会社の担当営業が同席して面談の進行をします。個人を特定するような質問をされたら「それはちょっと、」と就業希望者を守ってくれたり、質問が得意でない場合は就業希望者に変わってさりげなく聞き出したりしてくれます。
志望動機も聞かれない、ただスキルの確認のみです。私は無職ではありますが働くとなったら一応真面目に働く気はありまして、心配性でもあります。ミスマッチは双方不幸だと思っているので、面接時の質問はかなり細かく多めです。しかし結果的には担当営業さんから「尋問かってくらい多すぎです」と窘められてしまいました。普通は応募者側からも質問を2、3して終了となるそうです。
自分の感覚からすれば、そんな少ない質問でお互い何が分かるの???という感じの面談内容です。派遣先企業からも質問がしたくても出来ず、応募者側からも殆ど出来ない。二次面接三次面接が当たり前と思っていた私にとって、このままでは絶対ミスマッチが起きるような気がするんですが……と、不安がよぎります。
その旨を営業担当さんに伺ったところ、派遣社員は最初2-3ヶ月で最初の契約があり、その中で業務に関するミスマッチを双方で確認するのが殆どの場合とのことでした。そして双方から更新の合意があれば契約は継続するという形。だから事前に濃密にすり合わせておく必要はない、ということのようでした。正社員は退職させるのが難しから選考にコストを掛けるけれど、派遣はそうではない。だから面接の時間を多く取らなくてもいいというのが、派遣のメリットなのだと、今回の経験で理解した次第です。
私には一般的には、正社員に応募するときにちょっとネックと捉えられる経歴がいくつかあります。話しづらいことといいますか。少し考えながら伝えようという部分です。でも、それについて全く触れられもしないというのは大変ありがたく、ラクでした。これは派遣社員の選考の経験で一つ良いなと思ったことでした。
それにしてもなるへそなー。業務内容について質問攻めしてしまって、先方が目を丸くしてた理由がわかりました。派遣会社も、派遣先企業も、嘘でない範囲のスキルのすり合わせが出来たらさっさと業務に入って欲しい、イメージと違えば契約解除すればいいや、ということなのかなと感じました。より専門的な仕事分野においてはもしかしたら様子が違うかも知れませんが、少なくとも今回の私の仕事ではそんなに事前知識や準備がなくてもできる仕事、という認識なのかなと。思いました。
派遣会社に限らず、エージェント業は担当した求職者が、どこでも良いから採用されれば成績として反映されると想像していますので。私がしらなかっただけで、職場見学は時間をかけるべき過程ではなかったのかもしれません。
ま。こんな自分を虐めるような書き方しなくてもね。バザー系市民として、ふにゃっとトライしてみて、面白い世界が覗けただけで収穫かなと思います。