球春到来! 中日ドラゴンズ2023年のブレイク候補
みなさん球春あけましておめでとうございます。
いよいよ2023年シーズンも年明けということで新年一発目のnoteになります。
昨季のドラゴンズは投手では髙橋宏斗投手、野手では岡林勇希選手を筆頭に上田投手、龍空選手といった若い選手が躍動し、チームは最下位に沈んだものの明るい要素は多いように見えます。また、オフには複数の大型トレードを含む大幅な戦力の入れ替えを行いました。立浪政権も2年目となり、しっかりと結果が欲しいところです。より強く、多くの勝ちを挙げるためにはベテラン中堅若手の全てが嚙み合って活躍することが求められます。
そこで今回は筆者が「2023年にブレイクするんじゃないか」と思ったドラゴンズの若手選手を投手2人野手2人の合計4人紹介していこうと思います。
投手
投手
福島 章太
投手1人目は福島 章太投手です。
プロ1年目のシーズンは怪我に苦しみ登板が無く、オフシーズンに育成落ちを経験しました。しかし2年目となった昨年は二軍で18試合、うち16試合先発に登板してしっかりと経験を積み、ウエスタンリーグの優秀選手賞も受賞、充実したシーズンとなりました。
更にオフシーズンに行われたみやざきフェニックスリーグでは3試合に先発し、最終戦ではプロ入り後自己最長となる8回を投げ切り、4安打1失点の好投を見せました。
2年目の成果が認められ、今年は再び支配下選手に登録されて高卒3年目のシーズンを迎えます。
昨シーズンの二軍、フェニックスリーグでの成績はこのようになっています。
目につくようないい指標があるわけではありませんがチーム内での評判はかなり高く、正捕手の木下選手やエースの大野雄大投手といった主力選手から期待の声が上がっており、大野投手とは自主トレも一緒に行っています。
福島投手自身、今季は中継ぎ投手として勝負するようです。
ドラゴンズのブルペン陣、特に勝ちパターン強力ではありますが、WBCによるマルティネス・ロドリゲス両投手の調整遅れ、祖父江投手・谷元投手らの高齢化、Bリリーフの薄さなど盤石とは言い難く、割って入るチャンスはあると思います。
球種はスライダー、カットボール、チェンジアップ、フォークがあり、どれか一つでもウイニングショットとなるまで精度を高めることが出来れば中継ぎとして活躍が見込めるでしょう。
さらにストレートの平均球速は142.9キロと小笠原、大野、橋本に次ぐチームのサウスポーでは4番目のスピードを誇り、まだ高卒3年目ということを考えると更なる球速アップにも期待が持てます。
貴重なパワーピッチャー候補でもあるため、中継ぎで一軍戦力として経験を積み上げ、ゆくゆくは先発としてローテを回るというのが出来たらいいのかなと思います。
根尾 昂
投手2人目は根尾 昂投手です。
プロ4年目となった昨シーズンの根尾投手は様々な起用変更があった激動のシーズンを送っており、それらについてまとめたnoteもあるので、振り返りがてら読んでいただけると幸いです。
昨シーズンはシーズン途中に投手転向し、二軍では1試合に登板、その後は中継ぎメインに最後まで一軍に帯同し続け、シーズン最終戦とフェニックスリーグの計4試合で先発を経験しました。
昨シーズンの一軍、フェニックスリーグでの成績はこのようになっています。
まず目につくのがコントロールではないでしょうか。一軍でのBB%は9.7%と優秀な値を記録しています。フェニックスリーグでは先発したこともあって多少数字を落としていますが、それでも投手転向1年目ということを考えるとこのコントロールは目を見張るものがあります。
またストレートのスピードは平均148.3キロとなっており、こちらも素晴らしいものを持っています。スピードに加えて質も向上すれば大きな武器になってくるでしょう。
現状の球種はツーシーム、スライダー、カーブ、フォークの4つになります。
この中で特筆すべき球種はスライダーでしょう。投球のおよそ3割を占める彼の生命線とも呼べる変化球となっています。
その被打率は.207、22奪三振の半分となる11個の三振をこのスライダーで奪っています。
この抜群の威力を誇るスライダーともう一つ武器となる変化球をものに出来るかが先発投手で成功するカギとなっていそうです。
今シーズンの起用に関してですが、立浪監督は転向当初から将来的な先発投手としての起用を示唆しており、先発投手としての経験が不足しているため二軍で先発投手として経験を積むことが主になると予想されます。
また根尾投手は「打たせて取る投球」を理想としており、更なる変化球の精度向上を課題として掲げています。
そして、オフには課題の克服に向けてアメリカのトレーニング施設「ドライブライン」に通い詰めていました。そこで変化球、中でもフォークボールは手ごたえを掴んできたようです。
先述したようにスライダーは一つの武器であるので、このフォークが良ければ先発投手としての成功が見えてくるでしょう。
ここまで挙げた課題以外にも1年間を通して投げるための体力強化など課題は山積みですが、彼の成長スピードを考えると後半戦から一軍の先発ローテとして入ってくる可能性も考えられます。
多くのファンにとって根尾投手の成長は今年の、そしてこれからのドラゴンズの楽しみのひとつになってくると思うので注目していきましょう。
野手
福元 悠真
野手1人目は福元 悠真選手です。
ルーキーとして迎えた昨シーズン、一軍での出場は4打席にとどまりました。
しかし、二軍では打席が少なめではありますが、優秀な成績を残しています。
またフェニックスリーグでも立派な成績を残して完走し、片岡二軍監督が
選ぶ野手のMVPに選出されました。
昨シーズンの二軍、フェニックスリーグでの成績はこのようになっています。
アプローチ面に関して、二軍でもフェニックスリーグでもK%、BB%共に優秀な値を記録しており、「三振が少ないかつ四球を選ぶことが出来る打者」となっています。
打球成分はFB%が54.5%、GB%が35.8%とフライを多く打つフライヒッターでありこちらも優秀です。
また、引っ張り方向に打球を強く飛ばせるプルヒッターでもあります。
次の表は打球方向(Pull、Center、Opposite)の割合と方向別の成績をまとめたものです。
このようにPull方向の成績が非常に良く、3本のホームランは全てPull方向へ打ったものとなっています。
このように福元選手は打撃に関しては、ドラゴンズでもトップクラスのプロスペクトと言っても過言ではないでしょう。
また福元選手は高性能弾道測定器のラプソードを使用してデータ面からの課題の克服にも率先して取り組んでいます。こちらもチーム内に良い影響をもたらしてくれることを期待しましょう。
守備走塁に関して現状これといった強みはありませんが、守備面では本職の外野手のみならず、一塁三塁といった複数のポジションにも就いています。
本人は「試合に出られればポジションはどこでもいい」というスタンスのようで、打力をアピール出来れば様々なシチュエーションでの出場が見込めます。
現状サードは石川昂弥選手が怪我で出遅れレギュラー候補はここ数年数字を落としている高橋周平選手、一塁も年齢的な衰えが見えてきているビシエド選手という布陣なので、レギュラーを奪い取る隙はあるでしょう。
そのためにはまず高いコンタクト能力を活かして代打などからチャンスを掴むことが出来るかがカギになってくると思います。
鵜飼 航丞
野手2人目は鵜飼 航丞選手です。
ルーキーとして迎えた昨シーズンはキャンプからアピールに成功し開幕一軍を掴み取ると、ホーム開幕戦でホームランを放つと、その後も合わせて4本のホームランを放つなど大器の片りんを見せつけました。
一方でNPBの野手最長記録に並ぶ9打席連続三振を喫し二軍落ちも経験するなど、プロ野球の酸いも甘いも味わったルーキーイヤーとなりました。
一軍では壁に当たった鵜飼選手ですが、二軍の試合とフェニックスリーグでは大暴れを見せました。
昨シーズンの一軍、二軍、フェニックスリーグでの成績はこのようになっています。
やはり目立つのは長打力、とりわけホームランの多さでしょう。逆方向にも長打が打てるのはこの上ない彼の魅力です。
一軍二軍共にFB%がGB%を上回っており、打球の強さ三段階(Soft%、Mid%、Hard%)では一軍のHard%が35.9%、二軍のHard%が42.9%と強い打球の割合が最も多いです。
強い打球を飛ばすことが出来るスイングが長打量産の秘訣でもあるでしょう。
圧倒的な長打のポテンシャルを秘めている選手ですが、その反面三振が非常に多く四球が少ないこと、コンタクト能力の低さが課題に挙げられます。
この表はストライク/ボール別にSwing%とContact%をまとめたものです。
鵜飼選手のアプローチは分かりやすく言えば、「どのゾーンでも積極的に振っていくが、どのゾーンも当たる確率は低い」という状態になっています。
このアプローチは改善が必要でしょう。しかし長打が魅力の選手であるため、当てることを意識してスイングが小さくなって持ち味が薄れてしまっては意味がありません。
これに関しては本人のアプローチ改善はもちろん、使う側がどこまで三振の多さを我慢出来るか、ある程度許容出来るかという面も関わってくるでしょう。
また守備走塁に関して言えば、現状強みがあるわけではありません。むしろ守備は大学時代DHだったこともあり打球の追い方など怪しい場面が見られ、弱点と呼んでも差し支えない状態です。
しかし鵜飼選手は100kgを越える巨体ながら脚が速く、Spdは2.9、UBRもプラスの値を出しています。打撃に加えて走塁面でも技術がついてくれば相手にとって脅威でしょう。
脚力に加え肩も強く昨シーズン一番多い286 1/3イニング守ったライトのARMでプラスの値を記録しています。前述した身体能力を踏まえると守備はまだまだ伸びしろがあると私は考えます。また今季からは出場機会を得るため高校時代にも守っていた一塁にも挑戦するようです。
このように現状は強みと弱みがはっきりしている選手ではありますが、彼の身体能力の高さを考えると、ポテンシャルを余すことなく発揮した場合にどんな選手になれるのか想像がつかず、成長がとても楽しみな選手のひとりです。
今回紹介した選手のうち、一軍キャンプは根尾投手を除く3選手は一軍キャンプスタートが決定しています。
このように今季もドラゴンズにはブレイクが期待される選手が複数おり、虎視眈々とその牙を研いでいます。
彼らがレギュラー争いを激化させチームに良い影響をもたらし、その結果勝利に繋がることが理想だと思います。
2023年の中日ドラゴンズに期待して、今回は締めさせていただきます。
■出典
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