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覚えておきたい2025年の大学生ドラフト候補

明けましておめでとうございます。新年一発目のnoteは昨年と同じテーマです。

昨年のドラフトでは宗山塁選手が最多の5球団、金丸夢斗投手が投手最多の4球団、西川史礁選手も2球団、中村優斗投手が単独で初回の入札は全て大学生という、大学生が中心にドラフトが展開されました。

今年は高校生に有力な選手が多そうですが、大学生も負けず劣らずの顔ぶれが揃っています。ちなみに昨年の頭に投稿したnoteの内容を見てみると、紹介した8人中8人全員が指名を受け、うち5人が1位指名という内容でしたので、読んでおいて損はないと思います。年始特番のCMの合間などに読んでみてください。

https://note.com/bayanori_0730/n/n08a1c215eb73%0A%0A

島田 舜也しまだ しゅんや

投手1人目は東洋大学・島田舜也投手(木更津総合・右投右打)です。

東都リーグで1年春から神宮のマウンドを経験している投手で、3年春から先発として頭角を現すと、秋にはエースとして二部リーグの最高殊勲選手賞・最優秀投手賞・最優秀防御率という3つのタイトルを獲得しました。3年の春・冬の二回大学日本代表候補の合宿にも選出されています。

島田投手の魅力はなんと言ってもキャッチボールや投球練習から分かるボールの凄みでしょう。がっしりした体格のオーバースローから打者へ投げ込み、見た人を1球で「モノが違う」と感じさせることが出来ます。秋の入れ替え戦では肌寒い神宮球場で最速154キロ、常時150キロ近いスピードボールを投げ込み東農大打線を圧倒し、1戦目の勝利に貢献しました。

変化球もカーブ・スライダー・チェンジアップなどハイレベルなものがあり、現状の大学生No.1候補といっても良いでしょう。更にオフにはクリスマス返上でギリギリまでトレーニングに勤しむなどプロへの覚悟の高さが伺えます。投げているボールの割に痛打されることや、一部でのリーグ戦経験がないことなど懸念材料はありますが、そのポテンシャルは間違いないでしょう。

齊藤 汰直さいとう たいち

投手2人目は亜細亜大学・齊藤汰直投手(武庫之荘総合・右投右打)です。

1年春からリーグ戦で先発投手として登板しており、3年春はエースとして活躍しました。大学日本代表候補にも1回選出されています。

齊藤投手を語る上で欠かせないのがそのストレート。スピンが効いており球速以上の伸びを感じさせ、惚れ惚れするような軌道でミットに突き刺さり、バットは次々と空を切ります。

縦横に緩急などキレのある変化球も備わっており、コントロールも破綻している印象はありません。春にはのちにリーグ優勝・大学四冠(春秋リーグ・全日本大学野球選手権・神宮大会全てで優勝)を達成する青山学院大学打線相手に9回を投げ西川史礁選手の3安打のみに抑える圧巻の投球を披露しました。

新4年生投手はまとまりのある投手が多いですが齊藤投手は1年春から投げていることもあり、その投球術は世代でもトップクラスでしょう。ラストイヤーとなる今年は4年間の集大成に注目が集まります。

久野 悠斗ひさの ゆうと

投手3人目は明治大・久野悠斗投手(報徳学園・左投左打)です。

デビュー戦は1年春の全日本大学野球選手権、2アウト満塁から火消しを見せるという鮮烈デビューでした。その後は離脱と復帰を繰り返しており2年春には全国で先発投手として勝ち星も挙げましたが、3年生となる昨年はトミージョン手術の影響で登板がありませんでした。

186センチの大型左腕であり、角度を活かした投球が持ち味です。また、制球力が高いのも強みであり、カーブやチェンジアップといった緩い変化球をゾーン内へ投げ込み勝負します。それだけでなく、デビュー戦や2年秋の起用に象徴されるメンタルの強さ、落ち着いたマウンドさばきも武器となっています。

昨年はジャイアンツとのプロアマ交流戦に石原(現カープ)・村田(現ホークス)・蒔田(現JFE東日本)に混ざって唯一下級生で登板するなど、完成度で言えば大学生でもトップクラスのものを持っています。課題を挙げるとすると離脱が多いこと、それ故に先発としてまとまった実績がないことでしょうか。

久野投手以外にも日本代表も経験した193センチの大型右腕髙須 大雅たかす ひろまさ投手(静岡)・浮き上がるような快速球が武器の大川 慈英おおかわ じぇい投手(常総学院)・切れ味抜群の変化球を操る毛利 海大もうり かいと投手(福岡大大濠)・パワーピッチングが魅力の菱川 一輝ひしかわ かずき投手(花巻東)など明治大の投手陣は充実しており、宗山選手がいなくとも来年の明治大、延いては東京六大学野球は引き続き大きな注目を集めること間違いなしでしょう。

立石 正広たていし まさひろ

野手1人目は創価大・立石正広選手(高川学園・右投右打)です。

2年春に東京新大学リーグで三冠王を獲得し、3年では大学日本代表にも選ばれたアマチュア球界屈指のスラッガーです。

打撃で特徴なのは、なんと言っても群を抜く打球速度です。ボールを捉えれば瞬く間に内野の間を抜き去り、角度がつけばあっという間にフェンスを超えてどこまでも飛んでいきます。

夏の大学日本代表では4番に座り、秋は横浜市長杯でMVP、そして神宮大会では2本塁打を含む大会新記録となる10安打(打率.667)を放つ大暴れを見せました。冬の代表候補合宿では打撃練習で他とは一千を画す数値をたたき出し、フリーバッティングでは広い松山坊っちゃんスタジアムの場外まで飛ばすなど規格外のパフォーマンスを見せました。

ポジションはファースト・サードを主戦場としており、身軽な動きと強く安定したスローイングが目立ちます。また足も速く、チャージの速さや盗塁にも活かされています。そして今年はセカンド・ショートにも挑戦するようです。

圧倒的なスケールがあり本人もメジャー志向という、今年のドラフトにおける目玉になること間違いなしでしょう。

小島 大河こじま たいが

野手2人目は明治大・小島大河選手(東海大相模・右投左打)です。

東京六大学野球リーグで2年春から正捕手の座を掴むと、リーグ優勝を経験し、全日本大学野球選手権では敢闘賞を受賞しました。これまでに一度のベストナインを受賞しており、昨年は大学日本代表も経験しました。

明治大OBの広沢克己氏が"打撃の天才"とまで称する打者で、巧みなバットコントロールが持ち味です。来た球を素直に打ち返すことができ、3年のリーグ戦では春秋ともに規定打席に乗せて打率3割、通算でも打率.337(166打数56安打)というハイアベレージを記録しています。
率だけでなく長打もコンスタントに打っており、2年秋から3季連続で二塁打は3本を記録、アプローチも優れていて、通算198打席に対し17四死球11三振となっています。昨年の大学日本代表では4番に座り、ハーレム・ベースボールウィークのMVPを獲得し優勝に貢献しました。

地肩はそこまで強くない印象ですが、握り替えの速さとフットワークが良く、スローイングやブロッキングも年々レベルアップしています。単純な能力のみならず、これまでに石原・村田・浅利(現ファイターズ)とNPB入りする投手をリードしてきており、常勝軍団の投手力を支えてきました。先述したように好投手が揃う同世代の投手陣、そしてチームをどう引っ張っていくかラストイヤーに注目です。

松川 玲央まつかわ れお

最後に紹介するのは城西大・松川玲央選手(関西・右投左打)です。

1年春の二部から全てのシーズン(3年春から一部)で出場しており、これまでに4度のベストナイン(23秋からの一部では3季連続)、3度の日本代表合宿に選ばれています。

松川選手でまず目につくのが183センチというサイズ感です。体の厚みで言うとまだ物足りない感じもしますが、これだけの選手がショートの守備位置に立つと、グラウンドではどうしても視界に入ってきます。

そして大きいだけではなくスピードもある点が素晴らしいところです。日本代表合宿での50m走では2回とも6秒を切るタイムを記録しており、その世代でもトップクラスのスピードで試合ではグラウンドを駆け回ります。ひとたび塁に出ると瞬く間に次の塁を陥れ、守備でもスピード感を活かして打球を刈り取ります。
打撃に関しても全てのシーズンで3割を越えており、通算でも打率.371(237打数88安打・一部二部合計)という点も見逃せないでしょう。3度の大学日本代表合宿でも度々打球が強くなっている印象を受けます。
全てのシーズンで規定打席に到達している体の強さも強みと言えるでしょう。

松川選手だけでなく、首都大学リーグにはお互いにライバルと意識するドラフト候補の東海大・大塚 瑠晏おおつか るあん選手や筑波大・宮澤 圭汰みやざわ けいた選手(花巻東③)・日本体育大・門間 丈もんま じょう選手(東海大菅生②)といった名手が所属しており、守備のうまい選手やショートが好きな人にはもってこいのリーグとなっており、是非足を運んで観戦することをオススメします。

まとめ

現時点では立石選手が抜けている印象ですが、ここで紹介しなかった選手でも素晴らしい選手が各リーグでしのぎを削っていきます。みなさん是非様々な大学野球リーグに足を運んでみてはいかがでしょうか。
読んでいただきありがとうございました。


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