【武道での学び:剣道編】三磨の位・驚懼疑惑・一眼二足三胆四力
小学校4年生から初めて6年生までの3年間、剣道を習っていた時期がありました。
剣道 -KENDO-
仲良しだった友達が習っていて(^^)
あまり良く解らず始めたのが運の尽き(^^;
打たれ三昧(そうそう、面も小手も、ちゃんと打ちを強くしてくれないと、超痛いんだぞ(怒))の剣道生活。
観たら剣道を習いたくなる 剣道プロモーションビデオ 剣道PV cool kendo
まあ~試合(団体戦)にも出れたし、良い経験でしたね(^^)
超痛いのって、例えば、↓こんな感じ(^^;
悶絶必死!剣道でありがちな超痛いやつ!マジ勘弁・・・【剣道あるある 第14弾】
さて、上手くなるためには、正しい事を正しく習い、正しく工夫して、正しく身につける事です。
ただ、肩の力を抜いて、あまり難しいことを考えてやめるぐらいなら。
とにかくやってみることが大事なんじゃないかと思います。
これを剣道の世界では、学びの真髄「三磨の位」(さんまのくらい)と言います。
上達のための三つのポイントという意味です。
この言葉は、何百年も前の剣術の時代から伝わる教えであり、柳生新陰流の極意とされているものです。
つまり習う、工夫する、練習する。
この3つを繰り返し繰り返し行う事で上達が早くなります。
運動神経の善し悪しは関係ありません。
素直な心で努力を続けた人が必ず上手くなると思うんですよね(^^)
その点は、誰にでも公平です。
習うというのは、要するに良い指導者についてそれを真似るというこです。
そのため、第一に、良い指導者につかないといけない。
そうでないと自己流に陥ってしまいます。
錬=稽古をするということです。
良い指導者についても、稽古をやったりやらなかったりでは、身に付かないのは当然のことですよね。
やはり地道な稽古が必要です。
そして、良師について真似をして、一生懸命稽古しても、工夫というエネルギーが加わらないと敵に勝つことはできない。
結局、工夫というところが非常に難しくて、それって何だろう?と思うわけです^^;
工夫には、大きく2種類あって、そのひとつが技術的な工夫です。
剣道は相手のあるものです。
竹刀をこうしたら相手はこう来る、というような技の工夫です。
その工夫の過程で、特に、大切なことが、上手く出来なかった点(失敗)を、どのように理解するかです。
私が習っていた先生は、謝る必要はないから、何が駄目だったのか?
落ち着いて理由を話してみなさいと指導していたことが印象的でしたね。
今になって思えば、それは、言語化してみなさいと、同義だったと思われます。
つまり、失敗した場合は、何が原因で、それを防ぐ為には、何をすれば良かったのか?
どんな練習が足りなかったのか?を自分で考えて、言葉にする。
「三磨の位」の中で、この「工夫」が一番難しい所以です。
小学生には、ハードル高すぎて。
いつも、しどろもどろになって話していた記憶しかありません(^^;
でも、面白いもので、成功した場合。
どんな活動、どんな工夫が良かったのか?
続けて何をすれば良いのか?を自分で考えて、言葉にする方が、失敗よりは話せた様に記憶しています。
調子いいよね(^^)
この「工夫」の教えは、今でも同じなのですが、何か失敗した時。
改善の入り口は言語化で、謝ることなんかよりも、言語化する方がずっと大事だ、という事実に気付けるかどうかが、その後の成長に大きく影響すると考えられます。
私は、失敗に必要なものは、
①要因分析(「直接原因と根本原因」「発生原因と流出原因」)
②再発防止対策
だと考えていて、失敗したということは貴重な経験です。
その経験をノウハウとして定着させられないのは、重大な損失です。
ノウハウとして定着させる為には、どうしても言語化が必要です。
だから失敗の言語化を、スポーツや仕事において言い訳などという言い方で切り捨てるのは愚の骨頂ですね。
でも、この考えって、割とシンプルなロジックだと思いませんか?
工夫のもうひとつが精神的な工夫があります。
やはり対人競技で相手も竹刀を持っていますから、「打たれたらどうしよう、負けたらどうしよう」というような不安があります^^;
そういう気持ちの弱さをどう乗り越えられるかが本当に難しい工夫です。
そして、剣道には4つの心の病気ってものがあります。
それが、驚懼疑惑(きょうくぎわく)のことです。
稽古中(驚く、恐れる、疑う、惑(迷)う)の心を持ってはいけない、という事です。
これを四戒(しかい)といいます。
驚く=相手に攻められてビクビクしたりハッと驚くと、身体が硬直してしまいます。
恐れ=相手と相対した時、自分より強いと思ったら恐くなり実力が出せません。
疑う=相手が小手に来るか?面に来るか?と疑っていたら自分の技が出せません。
惑う=攻撃を仕掛ける時、自分の判断に迷いがあれば思い切った技が出せません。
このような精神状態に陥らないように、というのがこの教えです。
この4つの心の落とし穴に落ちない為に勝ち負けを考えず、今まで自分で学んできた事を信じて、ただ一生懸命やる事です。
ここで思い出されるのが、攻殻機動隊・公安9課の荒巻課長の言葉。
「我々の間にはチームプレイなどという都合のいい言い訳は存在せん。 あるとすれば、 スタンドプレーから生じるチームワークだけだ。」
今のIT業界でまさにこれを実現しているのがGAFAなのかなぁと思ったりもします。
これぞ、プロ集団の上に立つ者の言葉。
プロフェッショナル集団をまとめるときは、その集団を邪魔しないようにするだけでいい。
個々がスタンドプレーであっても、最終目標さえ外さなければ、全てが上手くいく筈です。
驚懼疑惑の流れで、剣道の大切な教えにイチガン、ニソク、サンタン、シリキ(一眼、二足、三胆、四力)という教えがあります。
これは、剣道修行の大事な要素をその重要度に応じて示したものです。
第一に相手を見る目、第二に足さばき、第三に胆力。
すなわち何事にも動じない強い気持ちや決断力。
第四に力。
すなわち技を発揮する身体能力が重要という教えです。
「一眼」とは、剣道において一番大切なのは眼。
相手の思考や、動作・技の起こりばなを見破る眼力で、状況を判断するための情報をいち早く見つけ活かす洞察力であると教えています。
相手と対峙したときには、まず相手の思考や動作を見破る眼力(洞察力)が大切だということですね。
初心の間は反射神経を養い、上達にしたがって心眼=相手の心を洞察する力を養う事が大切になるのだけれど、相手が複数だから、これがなかなか、どうして、十人十色、思うように相手が動かないのが面白くもあります。
「二足」とは、見取り稽古に「技ばかり見ずに足を観よ」という教えがあるように、小手先の竹刀操作ばかりの技よりも、腰・体の入った打ち込み、つまり足の踏み方・踏み込み。
引き付け足や送り足、開き足などの足さばきが重要であるとしています。
確かに、上級者の足さばきを見ていると、まぁ、動きが活発です。
相手との安全な間合いを保ち、いざチャンスという時に足を使って、縦横無尽に動き回り、思い切り攻撃を加えるために足裁きが大切なんですよねぇ。
そう言う教えです。
「三胆」の胆は胆力です。
不動心、度胸、落ち着き、冷静さの重要さを示しており、いざという時に、どれだけ冷静沈着に判断行動できるかという事を表現しています。
そして最後に「四力」。
これは思い切った技、およびその技を発揮する体力や筋力などの身体能力のことです。
技を行うための体力や筋力などの身体能力を鍛えておくことが重要だといっています。
刀を振り回す力を4番目に入れてあるのは、力はそんなに要らないよ、という意味。
馬鹿力は却って技術の妨げになります。
それより、指の力加減の方が重要ですね。
そう、しなやかな指の技術力が必要。
昔から剣の道は、人の道に通じると言われています。
剣道を長くやっていると、打ち合う相手の筋が見えてくる(心眼)と言います。
では、心眼を養うにはどうしたらよいか?
邪心を捨てる事です。
人間の視野は、年齢とともに狭くなるため、視野の広さを維持するために意識的にトレーニングを行うことは大切ですよね。
相手の動作が全て見えてくると、日ごろ正しい練習を沢山積んでいれば、身体が自然に反応し自分の撃ち方が自然に出ます。
皆さんは、階段を上がる前に、いちいち階段を上がれと自分の足に命令していますか?
していませんよね。
それでも、階段が見えたら自分で思わなくても、身体が勝手に階段を上がっていきます。
それが自然です。
打たれずに打ってやろうと思うと。
まず、打たれまいとビクビク相手の動きに反応してしまい。
自分で自分の心を曇らせ、返って撃たれる結果になります^^;
目をつむったままで階段を上がれますか?
おそらくつまずいてしまうでしょう。
だから、自分の心を信じて、素直に見ていれば相手の事が自然に見えてきます。
打たれたくない等と自分勝手な欲(邪心)を捨てる事です。
それで見えてきます。
足さばきは、正しい動作、切り返しを沢山する事で自然に身につきます。
胆を練るには、豊富な練習量に裏付けされた経験と自信に加えて大切なのは呼吸です。
ほ!?
なんと!
ここで役に立つ呼吸法として、チベット密教の中に「クンパハカ」と言う呼吸法があり、大変有効です。
自分で自分の心を管理できるようになります。
科学的に説明出来る呼吸法なのですが、以下のサイトを参考に、気になったら試して見て下さい、ね!
【参考記事】
ヨガの密法クンバハカとは?ダイエットにも◎自律神経も整うコツや呼吸法を徹底解説!
https://sidedish-magazines.com/archives/13647
さぁ、心身ともにレベルアップを図っていきましょう!
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