決して答えを教えてはならない!
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考え方を教えるべきで、考えたことを教えるべきではない。
マンガ「ドラゴン桜」のドラマでも、同じような引用がありました。
魚を食べたいと思っている子供達のために、あなたがしてあげたいと思うのはどちらか?
1)あなた自身で魚を釣ってあげて、それを子供達に食べさせてあげる。
2)あなた自身では魚を釣らないが、子供達に魚の釣り方は、教えてあげる。
短期的視点で考えると、あなたが釣ってあげて、それを子供達に食べさせてあげたいと思うかもしれません。
でも、そうすることで、子供達は以下の状況になるかもしれません。
「魚は、もらえるものであって、自分で釣るものではないという考えを子供が持つ。」
「あなたは、ずっと子供達のために釣りを続けなければならない。」
「あなたの技術で釣れる魚しか、子供達は食べることができない。」
「もし、あなたがいなくなったら、子供は魚を食べられない。」
これは、魚釣りだけに限らず、すべてのモノゴトについて、教えている時に思い出すべき、教訓ではないでしょうか。
例えば、もっと分かりやすいケースで言うと。
子供に宿題が出されました。
子供は分からないと言っています。
そこで、あなたは子供が喜ぶからという理由でいきなり答えを教えるでしょうか。
これは、さすがにしませんよね。
なぜなら、答えを「自分で」導き出すことが重要であるということを知っているからです。
結果が重要ではなく、その過程が重要だと知っているからです。
あなたが答え(=あなたが考えた結果)ばかりを教えていると、教えてもらう側は、答えを「待つ」人になる可能性がありますし、他の答えがあることを考えようともしなくなります。
しかし、答えを導き出す考え方を教えれば、答えを「探せる」人になれる可能性があります。
あなたが考えもしなかった「答え」が出てくるかもしれません。
自分が教えている時に、「答え」を教えているのか「考え方」を教えているのかを毎回、注意してみるのが、面白いと思います。
また、相手に何かを教えてもらっている時も、この人は「答え」を言っているのか、それとも「考え方」を教えてくれているのか。
それもあわせて考えてみると更に面白いと思いますねぇ(^^)
「学ぶ力が伸びる」ための第一の条件は、自分には「まだまだ学ばなければならないことがたくさんある」という「学び足りなさ」の自覚があること。
さあ~ここで、ちょと算数でも解いてみない?(ニヤリ)
懐かしい算数の文章題なので、ちょっと、たまには、頭の体操でも如何ですか?
こうみえて、大学生時代にバイトで公文の算数(小学1年生から)・数学(高校3年生まで)の先生していたので、算数はちょっぴり得意かも?
全問正解の方には、もれなく、私からムフフなプレゼントがあるかもよ(爆)
では、早速考えてみてね!?
1.植木算
【問題】
「10メートルの道路にそって、1メートルおきにサクラを植えます。
サクラは何本必要ですか。」
植木算は、江戸時代の算数に出てくる問題です。
わり算ができれば簡単にできるかと思うけれど、意外なところに落とし穴があります。
さあ、みなさんの予想は何本だろう・・・・・・という問題です。
さあ、やってみてね!
2.差分算
【問題】
「リスは、ドングリを63個、ムササビ、ドングリを55個持っています。
リスとムササビのドングリを同じにするには、リスがムササビにドングリを何個渡せば良いですか。」
こういうのが差分算。
二人の差を分けると答が出るから差分算といいます。
これも色々な答の出し方があります。
差を分ける方法、全部の平均の考えを使う方法、Xを使う方法・・・・・・色々に解くことが力をつけるんですよねぇ(^^)
3.和差算
【問題】
「兄と弟の持っているコインを合わせると15こです。
兄の方が弟より3こ多く持っています。
二人のコインは、それぞれ何こでしょうか。」
こんなの簡単だよって声が聞こえてきそうですが、こういった問題を見ると、小学校でもXやYを使って代数で解いても良いんじゃないかと思うんですよねぇ(^^)
つるかめ算、和差算といった問題を代数で解けば、幾つもの文章題を区別して覚える必要はなくなるしね。
この問題を算数の解き方の範囲で解くことは、もちろん色々な考え方を覚える上で意味はあります。
でも、XYを使って解く方法を知った方が応用がきく広さが広がるので、代数で解いてみましょう!
4.消去算
【問題】
「ミカン1個とリンゴ2個買うと、50円です。
また、ミカン1個とリンゴ1個を買うと30円です。
ミカンとリンゴの値段は、それぞれ1個、何円でしょう。」
2つの物を合わせた2種類の値段から、一つ一つに代金を出す問題です。
図で、ああこういうことかと覚えたら、次は代数でもすぐに解けるようになります。
代数というのは、XやYの記号を数字のかわりに使うのはご存じですよね(^^)
言葉の式だと思っても良いですね。
そうそう、これは、方程式の基礎となる考え方です。
5.差集め算
【問題】
「リス君は夏休みに、宿題プリントを一日20枚ずつする計画を立てました。
けれど、一日15枚ずつしかしなかったので、夏休み明けには、100枚のプリントが残ってしまいました。
宿題プリントは何枚あったのでしょうか。」
宿題をやった日とやらなかった日の差を集めるから差集算って言います。
一日の差が何ページあるか分かれば、もうあとは簡単です。
文章問題は、糸をほぐすように少しずつ少しずつ簡単にしていくと解けていくんですよね(^^)
名探偵の謎解きは情報収集から始まりますが、算数の文章問題は情報は全部問題の中にあります。
ちょっとした情報を、どう結びつけたら答が出るかの勝負です!
6.鶴亀算
【問題】
「A,B,C,D,E,Fの6チームがサッカーの試合を行います。
各チームは他の5チームと必ず1回ずつ試合をします。
勝ち点は、勝ったときは3点、引き分けたときは1点、負けたときは0点とします。
しかしFチームは都合で参加が遅れたため、先にAからEの5チームで出来るすべての試合を行い、その結果、以下の表のようになりました。
チーム 勝ち点
A 10
B 9
C 4
D 3
E 1
ここまでの試合で引き分けは何回ありましたか。」
つるかめ算っていうのは、日本に昔からある計算問題ですね。
これが、代数という数学の基礎になりますけれど、その前に問題が良いって思います。
どう良いかっていうと、問題がとってもくだらなくて、面白い(爆)
だいたいツルの足とカメの足を数えるなんて非現実的、頭の数を最初から数えればいいじゃないかと思いますが、それを真面目に考えるのが面白い。
算数はなぜ役に立つかって聞く人もいるけれど、「こんなに面白いことを考えられます。」って言うのは答にならないでしょうか?
7.仕事算
【問題】
「クマ達は、今学校の建設中です。
ウサギとリスは、ゆかにコンクリートを打っています。
この仕事は、ウサギだけだと10日かかり、リスだけだと15日かかります。
二人いっしょに働くと、何日でできるでしょうか。」
仕事のことを考える問題です。
生活に利用できる問題ですね(^^)
仕事算はプールへ水を入れるのと同じタイプの問題です。
色々な考え方がありますが、プールの大きさを1として考えて割合の問題として解くのが一般的ですね。
全体を1とする割合の考え方を身につけましょう!
役に立つこともあるかもよ(爆)
8.年令算
【問題】
「現在、姉は12才、妹は10才、お母さんは38才です。
姉と妹の年令の和がお父さんの年令と同じになるのは何年後ですか。」
年令算といっても年令を扱った問題は色々なタイプがあります。
年令って面白い問題になりますね(^^)
9.過不足算
【問題】
「旅人が道に迷って、夜になったのでお堂の中に入って寝ることにした。
真夜中に、外から話し声が聞こえるので、聞き耳を立てていると、反物泥棒達が、反物の分け方を相談していた。
「5反(たん)ずつ分けると3反あまる。」
「6反ずつ分けると、5反たりない。泥棒の人数は何人で、反物(たんもの)は何反だろう。」」
「塵劫記」という江戸時代の算術の本に、「絹盗人算」という問題があります。
上のような問題です。
盗人を問題にするなんて、なんだか面白いけれど、それを聞いてて何人いるんだろう、いくつ盗んだろうって考えるのも面白い趣向ですよねぇ(^^)
真っ暗で分からないけど、考えるとわかっちゃう?
盗人も面白いけど、計算で分かることもおもしろいかな。
10.ニュートン算
【問題】
「ある牧場では、300頭の牛を放牧すると10日で草がなくなり、600頭だと4日で草がなくなりま す。
では、500頭の牛なら何日放牧できるでしょう。
ただし、牛はみな1日に食べる草の量は同じで、草は毎日、一定の割合でのびるとします。」
ニュートンが考えたのでニュートン算です(^^)
前述の仕事算が、ある仕事を仕上げるための労働力(人数)とそれにかかる時間とが互いに反比例する関係にあり、これをもとにして解くものであるのに対して、ニュートン算では、仕事を片付けている間にも一定の速さで仕事を増やす(邪魔する)または減らす(協力する)作用が働いているため、単に反比例の考え方をもとにしては解くことができないので、結構、難しいです(^^;
この各種、文章題は、方程式などを用いて解くのではなく、問題の種類ごとに個別の解法があるのが特徴ですね(^^)
なお、以下のような問題は、就職試験や公務員試験などにもよく出題されるので、頭の体操にはいいかもしれませんよ!
<文章題の種類>
【 和や差に注目する問題 】
植木算
鶴亀算
和差算
集合算
規則性 (受験算数における)
【 割合に注目する問題 】
過不足算
還元算
差集め算
仕事算
帰一算(のべ算)
旅人算
通過算
ニュートン算
時計算
倍数算
分配算
年齢算
流水算
水槽算
濃度算
損益算
消去算
相当算
平均算
出会い算
追いつき算
仮定算
鶏犬蛸算
推理算
【 その他 】
集合算
推理算
代数系
【 その他○○算の類 】
小町算
鼠算
日に日に一倍算
覆面算
周期算
方陣算
暦算
膨張算
【参考記事等】
自分の「学ぶ力」をどう伸ばすか?
内田樹さんが、学ぶ力について、以下の様に書かれていたので、参考までに紹介しておきますね。
「「学ぶ(ことができる)力」に必要なのは、この三つです。
繰り返します。
第一に、「自分は学ばなければならない」という己の無知についての痛切な自覚があること。
第二に、「あ、この人が私の師だ」と直感できること。
第三に、その「師」を教える気にさせるひろびろとした開放性。
この三つの条件をひとことで言い表すと、「わたしは学びたいのです。先生、どうか教えてください」というセンテンスになります。
数値で表せる成績や点数などの問題ではなく、たったこれだけの言葉。
これがわたしの考える「学力」です。
このセンテンスを素直に、はっきりと口に出せる人は、もうその段階で「学力のある人」です。
逆に、どれほど知識があろうと、技術があろうと、このひとことを口にできない人は「学力がない人」です。
それは英語ができないとか、数式を知らないとか、そういうことではありません。」
「学びたいのです。先生、教えてください。」という簡単な言葉を口にしようとしない。
その言葉を口にすると、とても「損をした」ような気分になるので、できることなら、一生そんな台詞は言わずに済ませたい。
だれかにものを頼むなんて「借り」ができるみたいで嫌だ。
そういうふうに思う自分を「プライドが高い」とか「気骨がある」と思っている。
それが「学力低下」という事態の本質だろうとわたしは思っています。」
学んだことが役に立つかどうかを決めるのは学ぶもの自身ですよね。
価値は、知識や情報や技術、ましてやお金に内在するのではなくて、それを用いる自分が構築する必要があるけど、学びに関して言えば、私たちの世界において、あらゆる人が潜在的にはメンターとして機能可能だと、私も、そう思うので、みなさんも、是非、良き師匠に巡り合えます様に!