【メモランダム】《人間関係》
《人間関係》についてのメモランダムです。
人間関係は相手を信じること、同時にだまされることだと思います。
前者は善意であり、後者は聡明さのことです。
例えば、会社の人と頻々に付き合うことは、長時間一緒にいることが、その人の対人関係を深めはしません。
会社での人間関係は、経済活動、利害、仕事などを軸とする一方向の付き合いです。
しかも、完全な自由意志による選択とは言えません。
その人の性格的な防衛の鎧をしっかりとまとった上での、付き合いです。
いつも性格の鎧をまとって生きている人は、鎧の重さに耐えるのが精一杯で、内面の精神は硬化してしまうものです。
そう言えば、映画監督の仕事のうち、感性や技術が必要とされるのは一割ほどだそうです。
残りの九割を占めるのが、人間関係の充実です。
「プロジェクトが失敗するのは、知識や技術不足によることはめったにない。多くはプロジェクト内の人間関係づくりの失敗による」というのは、すでにどの企業でも常識です。
摩擦回避世代といわれる十代では、うわべづきあい的な友人関係を志向する傾向がみられることから、表層的な友人関係がより一層拡大すると考えられます。
しかし、表層化とは、いい意味でいうと「君子の交わり」なんです。
私は、時代がどんなに変わろうとも、人間関係の根本原則は、そう変化しないと思っています。
その根本原則とは、「君子の交わりは淡きこと水のごとし」です。
これは、資本主義の根本原則でもあります。
資本主義の根本原則は、表が自由放任、裏が自己責任。
成功すれば本人の手柄、失敗すれば本人の責任です。
面白い事に、知人に嫌いな人に会うのが好きな方がいます。
嫌いな理由は、自分に似ているかその正反対かです。
自分のいやらしさやこずるさを発見して、すごく腹立たしいけど、見ていて面白いから会うそうです。
なかなか斬新な人間関係で学びが多いです。
人間関係は、どの組織においても、その中の一項目にすぎないとは、一瞬たりとも考えてはならないことのように思います。
人間関係こそ、例えば、組織そのものだといってもよい。
そして、人間関係は、誰も避けることのできない分野なんですよね。