【メモ(memo)】食べ物で気を紛らわしていませんか?
何かを変えたい、と思っているけど、でも、結局、自分は変えられない、つい思ってしまうことはありますか?
また、そんなジレンマが発展して、食べ物で気を紛らわし、食べ過ぎて後悔する、その繰り返し、なんていうパターンは、あなたにはないでしょうか。
食べ物を、自分へのご褒美や、罰の媒体にするのは、男性と比べると、女性によく見られるパターンですね。
身体の状態を見れば、その人の心の状態や、自分に対する気持ちがどんなものか、かなりわかるのもそのせいです。
身体の状態とは、顔の表情や肌つやなども入ります。
あなたの顔の表情が暗いと自分で感じるときは、心も暗くなっているはず。
ココロが晴れないときは、肌の状態は、荒れているはずです。
ココロが晴れなくて、暴飲暴食に走れば、さらに身体によくないので、悪循環に陥ってしまいますね。
自分に良い食べ物を、良い量だけ取り入れることは、自分を大切にすることの大きな手段。
それをやらないということは、結局自分への愛情が足りない状態、つまりセルフサボタージュ(自分をサボること)です。
現実を見ましょう。
変えたい!と感じるだけでは不十分なのです。
変える!というところ(本当の決断)まで来ないと、人間は、何もしないもの。
また、変えたくても、自分は変えられない、というのは、私は、単なる思い込みだと言えますが、そう思っている人には、それは正しいものでしょうね。
自分で思うことは、いつでも正しいものです。
できる、と思うならそれは正しい。
できない、と思うならそれは正しい。
という具合。
どちらも正解です。
だから、できるできないの能力が、重要なのではなくて、自分がどう思うか、どうしたいか、の自分の姿勢が、モノを言うのです。
この考え方でいくと、本来の現実は、「変えたいけど変えられない」ではなくて、「変えたくても変えていない」ことになります。
つまり、変えたい、けれど「絶対変える!」とは、ココロで、まだ、決めていない状態です。
こんなときは、あと一歩の決断をするのに、本当に必要なものは何か、考えてみると良いでしょう。
誰かの後押し?
誰かの罵倒?
どうにもこうにも、変わってくれないと困る、というような必要性?
それから、しっかり覚えておきたいのが、自分への根気や温かい気持ちです。
たとえば、やるべきことをやっていない自分を許すこと。
これからやるべきことをやれば良いのですから、そのことでイライラを募らせなくてもいいのです。
イライラすると、それを収めるために食べ物に走ることにもなりかねません。
逆効果です。
もっと大きな気持ちを持って、自分を見守りましょう。
自分への愛情とは、自分を許すことだったり、根気よく自分と向き合い、付き合うことですよね。
変える変えない、変えたい変えられないと、考えて落ち込む前に、まずは、そちらを先に実践してください。
本当に自分が大事な存在だ、と心から理解するとき、そして、自分の行動が、それに見合うようになるとき、人間は、自然と、自虐的な行為をしなくなります。
本当ですから、ぜひ試してみてください。
試してみないと、実感できませんよ。
【今日の短歌】
「食卓におく箸置きは星として日々の食事は流星として」
(鍋島恵子「偽物のたまご」『短歌』,2021.01より)
「自販機を見つけるまでは話さない獣みたいな食事のあとで」
(金山仁美「カラーパレット」『京大短歌』24号より)
「空芯菜のみづみづしきを鉄鍋にざざざつと炒め哀しく啖らふも」
(島田修三『秋隣小曲集』より)
「茶碗と急須の間に水溜りしづかにありて夜ぞふけにたる」
(森岡貞香『黛樹』より)
「ガードマンは天丼に対うすぐ裏の工事現場の土をこぼして」
(柴善之助『揚げる』より)
「花豆の蜜煮の艶のうれしくて人肌の鍋は静かにしまふ」
(松﨑英司『青の食單』より)
「いちめんの嵌め殺しの波しんしんと調理場の窓海に向かへり」
(清水正人『波座』より)
【飲食(おんじき)の歌】
「「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日」俵万智
「うちつけに割つてさばしる血のすぢを鳥占とせむ春たつ卵」高橋睦郎
「交(あざ)わらず愛遂ぐるてふいろくずの累卵のせて今朝の白米(しらいひ)」高橋睦郎
「ガードマンは天丼に対うすぐ裏の工事現場の土をこぼして」柴善之助
「コンビニの麵麭と水だけ口にしてとがらせてゆく秋の結末」安田茜
「サキサキとセロリを噛みいてあどけなき汝(なれ)を愛する理由はいらず」佐佐木幸綱
「しかれども飲食清(すが)し魚汁は頭蓋、目の玉、腸(わた)もろともに」村上きわみ
「そこはだめあけてはならぬ芽キャベツの親戚一同が待ち伏せているから」肉球
「てのひらに卵をうけたところからひずみはじめる星の重力」佐藤弓生
「壁ぎわに影は澄みゆく芽キャベツがこころこころと煮えるゆうべを」佐藤弓生
「ねるまえに奥歯の奥で今朝食べたうどんの七味息ふきかえす」岡野大嗣
「ハムカツにしょうゆを垂らす舌にもうざっくりとした食感がくる」山階基
「ほろほろと肝臓(レバー)食みつつふと思う扱いにくき人の二、三を」村上きわみ
「ほんとうにおれのもんかよ冷蔵庫の卵置き場に落ちる涙は」穂村弘
「めきゃべつは口がかたいふりをして超音波で交信するのだ」鶯まなみ
「飲食[おんじき]の最後にぬぐう白き布汚されてなお白鮮[あたら]しき」錦見映理子
「永遠にきしみつづける蝶番 無精卵抱く鳥は眠れり」錦見映理子
「夏至の日の夕餉をはりぬ魚の血にほのかに汚るる皿をのこして」小池光
「鮮麗なわが朝のため甃(いしみち)にながれてゐたる卵黄ひとつ」小池光
「鳥の卵ひとつのみほすあけぼのへ冷え冷えと立つをとこののみど」小池光
「芽キャベツはつやめきながら湯にうかぶ<生まれる前のことを話して>」東直子
「芽きゃべつも靄でしっとり緑色おやすみなさいいつも寂しい」吉野朔実
「殻うすき鶏卵を陽に透かし内より吾を責むるもの何」松田さえ子
「寒鮒の肉を乏しみ箸をもて梳きつつ食らふ楽しかりけり」島木赤彦
「口中に一粒の葡萄を潰したりすなはちわが目ふと暗きかも」葛原妙子
「死者一切近づくなかれ哄笑しわれらかがやく葡萄呑みたり」小池光
「取り落とし床に割れたる鶏卵を拭きつつなぜか湧く涙あり」道浦母都子
「女学生 卵を抱けりその殻のうすくれなゐの悲劇を忘れ」黒瀬珂瀾
「真昼 紅鮭の一片腹中にしてしばし人を叱りたり」高瀬一誌
「生(あ)るることなくて腐(く)えなん鴨卵(かりのこ)の無言の白のほの明りかも」馬場あき子
「童貞のするどき指に房もげば葡萄のみどりしたたるばかり」春日井建
「突風に生卵割れ、かつてかく撃ちぬかれたる兵士の眼」塚本邦雄
「卵黄吸ひし孔ほの白し死はかかるやさしきひとみもてわれを視む」塚本邦雄
「鵞肝羹(フォワグラ)のかをりの膜にわが舌は盲(し)ひゆめかよふみちさへ絶えぬ」塚本邦雄
「箸先に生きて身をそる白魚をのみこみし夜半ひとりするどし」松坂弘
「悲しみをもちて夕餉に加はれば心孤りに白き独活食む」松田さえ子
「味噌汁尊かりけりうつせみのこの世の限り飲まむとおもへば」斎藤茂吉
「無理矢理に肥大させたる肝臓を抗ひがたく生きて味わふ」本多稜
「卵ひとつありき恐怖(おそれ)につつまれて光冷たき小皿のなかに」前田夕暮
「卵もて食卓を打つ朝の音ひそやかに我はわがいのち継ぐ」高野公彦
「冷蔵庫にほのかに明かき鶏卵の、だまされて来し一生(ひとよ)のごとし」岡井隆
「冷蔵庫ひらきてみれば鶏卵は墓のしずけさもちて並べり」大滝和子
【参考記事】
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