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美しいほど無意味なリフレイン的コミュニケーション
人と人の「こころ」が触れ合うこと。
「今日寒いね」って言われたら、「そうだね 寒いね」と繰り返す。
無意味なリフレインを繰り返して会話をしていくこと。
これがコミュニケーションの最たるものだと、私も、そう感じます。
「今日」という事実よりも、「寒いね」という感情を受け止めてもらったほうが嬉しいから。
聞き手との心理的な距離もグッと近づくはずです。
「「聴く」ことの力」(鷲田清一著)には、「わたしはもうだめなのではないでしょうか?」という患者のことばに対して、「あなたならどう答えますか?」という問いが書かれていました。
「「聴く」ことの力―臨床哲学試論」(ちくま学芸文庫)鷲田清一(著)
![](https://assets.st-note.com/img/1673229842050-T6CEyDWxNM.jpg)
以下の様な5つの選択肢があります。
①「そんなこと言わないで、もっと頑張りなさいよ」と励ます。
②「そんなこと心配しないでいいんですよ」と答える。
③「どうしてそんな気持ちになるの」と聞き返す。
④「これだけ痛みがあると、そんな気にもなるね」と同情を示す。
⑤「もうだめなんだ・・・・・・とそんな気がするんですね」と返す。
結果は、精神科医を除く医師と医学生のほとんどが①を。
看護師と看護学生の多くが③を選んだそうです。
精神科医の多くが選んだのは⑤。
これは、一見、何の答えにもなっていないように見える返事に聞こえますよね。
実は、これは、回答ではなくて、それぞれが患者さんの言葉を確かに受け止めましたという応答なんです。
ちょっと工夫して、繰り返す言葉を言い換えてみてもいいかな。
単純に言葉を繰り返すだけではなくて。
ちょっと想像力を働かせて言い換えるだけで、「あなたの話をちゃんと受け止めてますよ」ということを、より強くアピールできるようになります。
相手の気持ちをあらわす言葉を繰り返してあげるだけで、互いのこころとこころの間が暖かい気持ちで満たされていくのでしょうね(^^)
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小津安二郎断想(1)「通過儀礼としての小津映画」
http://blog.tatsuru.com/2020/08/08_1714.html
小津安二郎断想(2)「子供はどうやって大人になるのか」
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小津安二郎断想(3)「食卓の儀礼」
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小津安二郎断想(4)「最後の青年とその消滅」
http://blog.tatsuru.com/2020/08/08_1728.html
小津安二郎断想(5)「悪いおじさんたちの話」
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小津安二郎断想(6)「少年の図像学」
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小津安二郎断想(7)「戦争について語らない男の話」
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小津安二郎断想(8)「コミュニケーションの深度」
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小津安二郎断想(9)「問うことの暴力」
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小津安二郎断想(10)「記号が受肉するとき」
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