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【LAWドキュメント72時間】あなたの見る違う世界を感じてみたい

別所隆弘さん撮影

世界は、見る人の数だけ存在していると思っています。

この世界は、誰の目から見ても違っているという希望を感じられる限り、言葉や文章を嗜んでいきたいですね(^^)

さて、短歌や俳句を詠むことで、その時の思い(想い)や瞬間を言葉として「形」に残すことができます。

言葉によって、風景や気持ちを切り取ることができるのです。

言葉を学ぶということは、世界を、よりよく知っていくための手段です。

ぜひ、みなさんも、短歌や俳句を作ってみてはいかがでしょうか。

自ら詩作をすることで、言葉にする感覚が磨かれていきます。

また、詩歌を読むことで、更に、言葉を知ることができます。

これを繰り返すことで、世界を、より見つめることができます。

国語を学ぶこと。

それは、言葉を学ぶことを通して、世界の美しさを、味わって欲しいと思っています。

そこで、NHKが「完全保存版 絶対覚えておきたい!究極の短歌・俳句100選」を発表していたので、参考図書にあやかり、また、年末の紅白歌合戦みたいな感じで、短歌と俳句を読んでみては如何でしょうか?( ^^) _旦~~

別所隆弘さん撮影

■参考図書

「短歌と俳句の五十番勝負」(新潮文庫)穂村弘/堀本裕樹(著)


■参考記事


■究極の短歌50選

別所隆弘さん撮影

【選考者】

穂村弘(歌人)

栗木京子(歌人・現代歌人協会理事長)

渡部泰明(国文学研究資料館長)

【01】額田王・飛鳥時代

熟田津に

船乗りせむと

月待てば

潮もかなひぬ

今は漕ぎ出でな

【02】柿本人麻呂・飛鳥時代

楽浪の

志賀の唐崎

幸くあれど

大宮人の

船待ちかねつ

【03】山上憶良・奈良時代

世の中を

憂しとやさしと

思へども

飛び立ちかねつ

鳥にしあらねば

【04】大伴家持・奈良時代

うらうらに

照れる春日に

雲雀上がり

情悲しも

独りし思へば

【05】在原業平・平安時代

月やあらぬ

春や昔の

春ならぬ

わが身ひとつは

もとの身にして

【06】小野小町・平安時代

思ひつつ

寝ればや人の

見えつらむ

夢としりせば

さめざらましを

【07】紀貫之・平安時代

桜花

ちりぬる風の

なごりには

水なき空に

浪ぞたちける

【08】和泉式部・平安時代

黒髪の

乱れも知らず

うち臥せば

まづかきやりし

人ぞ恋しき

【09】西行・平安時代

年たけて

またこゆべしと

思ひきや

命なりけり

佐夜の中山

【10】式子内親王・鎌倉時代

玉の緒よ

絶えなば絶えね

ながらへば

忍ぶることの

弱りもぞする

【11】藤原俊成・鎌倉時代

夕されば

野辺の秋風

身にしみて

鶉鳴くなり

深草の里

【12】藤原定家・鎌倉時代

春の夜の

夢の浮橋

と絶えして

峰にわかるる

横雲の空

【13】藤原家隆・鎌倉時代

ながめつつ

思ふも寂し

ひさかたの

月の都の

明け方の空

【141】源実朝・鎌倉時代

箱根路を

われこえくれば

伊豆のうみや

沖の小島に

波の寄る見ゆ

【15】永福門院・鎌倉時代

花の上に

しばしうつろふ

夕づく日

入るともなしに

影きえにけり

【16】良寛・江戸時代

霞立つ

ながき春日を

子どもらと

手まりつきつつ

この日暮らしつ

【17】橘曙覧・江戸時代

たのしみは

まれに魚烹て

児等皆が

うましうましと

いひて食ふ時

【18】与謝野晶子・明治時代

春みじかし

何に不滅の

命ぞと

ちからある乳を

手にさぐらせぬ

【19】長塚節・明治時代

馬追虫の

髭のそよろに

来る秋は

まなこを閉ぢて

想ひ見るべし

【20】山川登美子・明治時代

後世は猶

今生だにも

願はざる

わがふところに

さくら来てちる

【21】若山牧水・明治時代

白鳥は

哀しからずや

空の青

海のあをにも

染まずただよふ

【22】石川啄木・明治時代

不来方のお城の草に寝ころびて

空に吸はれし

十五の心

【23】北原白秋・明治時代

君かへす

朝の舗石

さくさくと

雪よ林檎の香のごとくふれ

【24】齋藤茂吉・大正時代

のど赤き

玄鳥ふたつ

屋梁にゐて

足乳根の母は

死にたまふなり

【25】釈迢空・大正時代

人も 馬も 

 道ゆきつかれ

死にゝけり。

旅寝かさなる

ほどのかそけさ

【26】齋藤史・昭和戦前

濁流だ

濁流だと叫び

流れゆく

末は泥土か

夜明けか知らぬ

【27】近藤芳美・昭和戦前

たちまちに

君の姿を

霧とざし

或る楽章を

われは思ひき

【28】前川佐美雄・昭和戦前

春がすみ

いよよ濃くなる

真昼間の

なにも見えねば

大和と思へ

【29】宮柊二・昭和戦前

軍衣袴も

銃も剣も差上げて暁渉る

河の名を知らず

【30】葛原妙子・昭和戦後

早春の

レモンに深く

ナイフ立つる

をとめよ素晴らしき

人生を得よ

【31】中城ふみ子・昭和戦後

灼きつくす

口づけさへも

目をあけて

うけたる我を

かなしみ給へ

【32】大西民子・昭和戦後

かたはらに

おく幻の

椅子一つ

あくがれて待つ

夜もなし今は

【33】寺山修司・昭和戦後

マッチ擦る

つかのま海に

霧ふかし

身捨つるほどの

祖国はありや

【34】春日井建・昭和戦後

大空の

斬首ののちの

静もりか

没ちし日輪が

のこすむらさき

【35】前登志夫・昭和戦後

夕闇に

まぎれて村に

近づけば

盗賊のごとく

われは華やぐ

【36】河野裕子・昭和戦後

たとへば君

 ガサッと落葉

すくふやうに

私をさらつて

行つてはくれぬか

【37】小野茂樹・昭和戦後

あの夏の

数かぎりなき

そしてまた

たつた一つの

表情をせよ

【38】塚本邦雄・昭和戦後

馬を洗はば

馬のたましひ

冱ゆるまで

人恋はば人

あやむるこころ

【39】佐藤佐太郎・昭和戦後

冬の日の

眼に満つる海

あるときは

一つの波に

海はかくるる

【40】道浦母都子・昭和戦後

催涙ガス

避けんと秘かに

持ち来たる

レモンが胸で

不意に匂えり

【41】高野公彦・昭和戦後

白き霧

ながるる夜の

草の園に

自転車はほそき

つばさ濡れたり

【42】馬場あき子・昭和戦後

夜半さめて

見れば夜半さえ

しらじらと

桜散りおり

とどまらざらん

【43】栗木京子・昭和戦後

観覧車

回れよ回れ

想ひ出は

君には一日

我には一生

【44】竹山広・昭和戦後

人に語ること

ならねども

混葬の

火中にひらき

ゆきしてのひら

【45】岡井隆・昭和戦後

手をだせば

とりこになるぞ

さらば手を、

近江大津の

はるのあはゆき

【46】俵万智・昭和戦後

寄せ返す

波のしぐさの

優しさに

いつ言われても

いいさようなら

【47】佐佐木幸綱・昭和戦後

のぼり坂の

ペダル踏みつつ

子は叫ぶ

「まっすぐ?」、そうだ、

どんどんのぼれ

【48】穂村弘・平成

サバンナの

象のうんこよ

聞いてくれ

だるいせつない

こわいさみしい

【49】山中智恵子・平成

昭和天皇

雨師としはふり

ひえびえと

わがうちの天皇制

ほろびたり

【50】永井陽子・平成

ひまはりの

アンダルシアは

とほけれど

とほけれど

アンダルシアのひまはり

■究極の俳句50選

別所隆弘さん撮影

【選考者】

岸本尚毅(俳人)

宇多喜代子(俳人・現代俳句協会特別顧問)

復本一郎(神奈川大学名誉教授)

【01】松尾芭蕉・江戸時代

古池や

蛙飛こむ

水のをと

【02】松尾芭蕉・江戸時代

閑さや

岩にしみ入

蝉の声

【03】松尾芭蕉・江戸時代

荒海や

佐渡によこたふ

天河

【04】服部嵐雪・江戸時代

竹の子や

児の歯ぐきの

うつくしき

【05】野沢凡兆・江戸時代

なが〱と

川一筋や

雪の原

【06】内藤丈草・江戸時代

うづくまる

薬の下の

寒さ哉

【07】斯波園女・江戸時代

おほた子に

髪なぶらるゝ

暑さ哉

【08】小西来山・江戸時代

我が寝たを

首あげて見る

寒さかな

【09】上島鬼貫・江戸時代

によつぽりと

秋の空なる

不尽の山

【10】与謝蕪村・江戸時代

春の海

終日のたり

のたりかな

【11】加舎白雄・江戸時代

さうぶ湯や

さうぶ寄くる

乳のあたり

【12】炭太祇・江戸時代

ふらこゝの

会釈こぼるゝや

高みより

【13】小林一茶・江戸時代

雪とけて

村一ぱいの

子ども哉

【14】正岡子規・明治時代

柿くへば

鐘が鳴るなり

法隆寺

【15】正岡子規・明治時代

糸瓜咲て

痰のつまりし

仏かな

【16】河東碧梧桐・明治時代

赤い椿

白い椿と

落ちにけり

【17】高浜虚子・明治時代

遠山に

日の当りたる

枯野かな

【18】原石鼎・大正時代

秋風や

模様のちがふ

皿二つ

【19】芥川龍之介・大正時代

木がらしや

目刺にのこる

海のいろ

【20】杉田久女・大正時代

足袋つぐや

ノラともならず

教師妻

【21】後藤夜半・昭和戦前

滝の上に

水現れて

落ちにけり

【22】飯田蛇笏・昭和戦前

くろがねの

秋の風鈴

鳴りにけり

【23】前田普羅・昭和戦前

雪解川

名山けづる

響かな

【24】川端茅舎・昭和戦前

金剛の

露ひとつぶや

石の上

【25】中村草田男・昭和戦前

降る雪や

明治は

遠くなりにけり

【26】三橋鷹女・昭和戦前

夏痩せて

嫌ひなものは

嫌ひなり

【27】高屋窓秋・昭和戦前

頭の中で

白い夏野と

なつてゐる

【28】西東三鬼・昭和戦前

算術の

少年しのび泣けり

【29】中村汀女・昭和戦前

咳の子の

なぞなぞあそび

きりもなや

【30】竹下しづの女・昭和戦前

苺ジャム

男子はこれを

食ふ可らず

【31】星野立子・昭和戦前

囀を

こぼさじと抱く

大樹かな

【32】渡邊白泉・昭和戦前

戦争が

廊下の奥に

立つてゐた

【33】松尾あつゆき・昭和戦後

すべなし

地に置けば子に

むらがる蝿

【34】高浜虚子・昭和戦後

爛々と

昼の星見え

菌生え

【35】高野素十・昭和戦後

方丈の

大庇より

春の蝶

【36】京極杞陽・昭和戦後

蝿とんでくるや

箪笥の

角よけて

【37】石田波郷・昭和戦後

七夕竹

惜命の文字

隠れなし

【38】阿波野青畝・昭和戦後

水ゆれて

鳳凰堂へ

蛇の首

【39】日野草城・昭和戦後

見えぬ眼の方の

眼鏡の

玉も拭く

【40】水原秋桜子・昭和戦後

滝落ちて

群青世界

とどろけり

【41】加藤楸邨・昭和戦後

落葉松は

いつめざめても

雪降りをり

【42】林田紀音夫・昭和戦後

鉛筆の

遺書ならば

忘れ易からむ

【43】金子兜太・昭和戦後

彎曲し

火傷し

爆心地のマラソン

【44】久保田万太郎・昭和戦後

湯豆腐や

いのちのはての

うすあかり

【45】永田耕衣・昭和戦後

泥鰌浮いて

鯰も居ると

いうて沈む

【46】飯田龍太・昭和戦後

一月の川

一月の谷の中

【47】阿部完市・昭和戦後

木にのぼり

あざやかあざやか

アフリカなど

【48】波多野爽波・平成

チューリップ

花びら外れかけてをり

【49】桂信子・平成

たてよこに

富士伸びてゐる

夏野かな

【50】三橋敏雄・平成

石段の

はじめは地べた

秋祭

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