【スケッチ】白の同盟
■スケッチ(その他表記)sketch
デジタル大辞泉 「スケッチ」の意味・読み・例文・類語
スケッチ(sketch)
[名](スル)
1 風景・事物などを大まかに写しとること。また、その絵。写生。素描。「野の花をスケッチする」
2 情景や印象などを短い文章で書きとめること。また、その作品。小品文。
3 音楽で、曲の構想や主題を大まかに素描したもの。また、描写的な小品のこと。
■白(読み)ハク
精選版 日本国語大辞典 「白」の意味・読み・例文・類語
しろ【白】
〘 名詞 〙
① 色の名。雪、塩などの色。あらゆる波長にわたる可視光線を一様に反射する物体を見て感じられる色。明るくて特別の色がないと感じられる状態。黒に対する。「白酒」「白星」「白靴」などと熟しても用いられる。→白い。
[初出の実例]「つぎねふ 山城女の 木鍬持ち 打ちし大根 根白の 斯漏(シロ)ただむき 枕かずけばこそ 知らずとも言はめ」(出典:古事記(712)下・歌謡)
② 白い碁石。白石。また、その石を持つ対局者。
[初出の実例]「我等、年来、碁を打より外の他の事无し。但し、黒勝つ時には我が身の煩悩増り、白勝つ時には我が心の菩提増り」(出典:今昔物語集(1120頃か)四)
③ 何も書き入れてないこと。
[初出の実例]「白の卒都婆(そとば)と硯箱と持て来て」(出典:歌舞伎・小袖曾我薊色縫(十六夜清心)(1859)二幕)
④ 「しろがね(銀)」の略。
[初出の実例]「銀(シロ)の煙管を、ヤニサにかまへて」(出典:洒落本・廓宇久為寿(1818)後)
⑤ 私娼をいう。はくじん。
⑥ うなぎの一種。背色の少し白っぽいものをいう。うなぎ食いの通(つう)のことば。
[初出の実例]「『青か白か』『やっぱりすぢを、長がやぎの事さ』〈あを、白、すじ、みなうなぎの名なり〈略〉〉」(出典:洒落本・通言総籬(1787)一)
⑦ 赤組に対する白組の称。
⑧ 犯罪容疑がないこと。また、晴れること。無罪。潔白。⇔黒。
[初出の実例]「もし万一平沢が〝白〟であるならば」(出典:未完の告白(1948)〈川本不二雄〉九十六枚目の名刺)
⑨ 塩の異称。
[初出の実例]「塩釜の白を碁盤の地へ移し」(出典:雑俳・狂句合‐弘化二(1845)佃)
⑩ 「しろしょいん(白書院)」の略。
[初出の実例]「碁盤からまろふ人御間も白と黒」(出典:雑俳・柳多留‐一〇二(1828))
⑪ 南鐐(なんりょう)の銀貨のこと。〔滑稽本・小野譃字尽(1806)〕
⑫ もつ焼きの一種。豚の腸を串刺しにして焼いたもの。
白の語誌
上代から、そのまま形容詞として用いられるほか、複合語を作るときはシラタマ(白玉)、シラナミ(白波)、シラユキ(白雪)のように、母音交替したシラの形をも取る。
■同盟(読み)ドウメイ
精選版 日本国語大辞典 「同盟」の意味・読み・例文・類語
どう‐めい【同盟】
[ 1 ] 〘 名詞 〙 個人・団体または国家が、互いに共同の目的を達するため同一の行動をとることを約束すること。また、それによってできたなかま。
[初出の実例]「列国ぢゃほどに同盟の諸侯には」(出典:史記抄(1477)三)
「僕の体力は冬と同盟して歓喜の声をあげる」(出典:道程(1914)〈高村光太郎〉冬の詩)
[その他の文献]〔春秋左伝‐隠公元年〕
■オープニング曲
SHE'S「White」
変わりゆく毎日を
変わりなく過ごせますように
きっとうまくやっていけるよ
■スローガン
「紙の上は、ときどき、地球より広い。」
真っ白な紙
を前にして
人は
様々なことを
想像する
考える
書く
考える
書く
考える
ここが
スタート地点
苦しくて
楽しい
試行錯誤
すべては
自由
■白い短歌
▶「丘の上を白いてふてふが何かしら手渡すために越えてゆきたり」(山崎方代『迦葉』より)
▶「わがために塔を、天を突く塔を、白き光の降る廃園を」(黒瀬珂瀾『黒燿宮』より)
▶「くぼみには白き卵をのせるべしああやはらかき秋の身体」(日高堯子『樹雨』より)
▶「うす紅の蕾がながき時かけてゆたかに冬の白ばらとなる」(竹山妙子『さくらを仰ぐ』より)
▶「いまだ陽を知らぬ白さに今年の芽つちのなかよりあらはれいづる」(久我田鶴子『雀の帷子』より)
■「余白の愛」小川洋子
「道はどこかでつながっているものだよ。」
■「しろ」と「あお」,「あか」と「くろ」 ー古代日本の色名
■白さの色彩科学的考察と人間の感性による捉え方
■「ソシュールの思想」(丸山圭三郎著作集 第I巻)加賀野井秀一/前田英樹(編)
本書の中で、リベリアで話されている言語の一つ、
・バッサ語(Bassa コンゴ・ニジェール語族クワ語派西クルー語群)
や、中央アフリカで話されている言語の一つ、
・サンゴ語(Sang アダマワ・ウバンギ語派ウバンギ諸語ングバンディ語群)
等は、
「二つしか基礎色彩語彙を有さない」
言語として挙げられている。
但し、本書では、
「黒と白の二つしかない」
とは言っていないが、バーリンとケイという人によって、こんな研究がされていた。
<参考記事>
①どんな言語でも、最低でも「黒」と「白」という単語はある。
②もし3つしか基礎色彩語彙が無い言語なら、あと「赤」という単語が有る。
③もし4つなら、次は「緑」または「黄」がある
④もし6つなら、「青」がある
・
・
・
よって、サンゴ語およびバッサ語は、
「二つしか色彩語彙が無い」=「『黒』と『白』しかない」
と見做されている。
■「白」原研哉
「僕らは世界に対して永久に無知である。
そしてそれでいいのだ。
世界のリアリティに無限におののき続けられる感受性を創造力と呼ぶのだから。」(「白」原研哉(著)より)
この本の主題歌を選ぶならば、白は色ではない感性。
心をまっしろにすると、こだわらなくてもいいものが、よくわかる。
だったら、一番手は、この曲なんだろう♪
ジョン・ケージ「4分33秒」
この空白の時間(4分33秒)に、一体全体、どんな音が満ちているのだろうか。
■白は可能性である
白色は、すべての色の可視光線が乱反射されたときに、その物体の表面を見たヒトが知覚する色です。
無彩色に分類され、黒やグレーと並んで無彩色の1つです。
白という色は、自然界には存在せず、光を100%反射する物体はないため、完全な白という色は存在しません。
理論上は、400~700nmの範囲の中のすべての入射光線が反射される状態が理想的な白ですが、これは純粋に理論上の量です。
白は、清潔、清純、神聖、正義、軽いなど、さわやかで汚れがないイメージがあります。
どんな色とも相性がいいカラーで、膨張色や軽量色とも呼ばれます。
■ヴィーンの変位則/シュテファン・ボルツマン則
黒体(Black body完全放射体)とは、外部からの放射(電磁波)などのあらゆる波長を完全に吸収する物体のことです。
完全な意味での黒体(完全黒体)は現実には存在しないのですが、それに近い物質や物体は存在します。
黒体からの熱や光などの放射を黒体放射といい、温度(T)におる波長(λ)の黒体放射強度 I(λ) をプランクの式から求めることができ、その分布をプランク分布といいます。
・シュテファン・ボルツマン則(Stefan-Boltzmann law)
プランクの式を全波長領域で積分すると、黒体放射の全エネルギーになり、それは温度の四乗に比例します。
σ=シュテファン・ボルツマン定数
・ヴィーンの変位則(Wien's displacement law)
プランクの式を微分して光の強度 I(λ) が極大となるλmaxを求めると、 放射強度最大の波長(λmax)が温度 T に 反比例します。
ここで、Tは、黒体の絶対温度(K)、λmax は、ピーク波長(m)、0.002898が比例定数です。
物体の温度が高ければ、放射される全エネルギーが増加し、波長は短いものの割合が増加してきます。
物質・物体は温度に応じた電磁波を発散していて、外部からの電磁波の入射(加熱)が無ければ温度は、低下します。
一方、入射が多ければ、温度は、上昇します。
物体からの放射と、入射は完全に釣合っていとき物体の温度が一定で、これを平衡状態といいます。
例えば、雲のない晴れた夜には、地面から熱が奪われ朝方には冷え込むことがありますが、このような現象を放射冷却といいます。
また、大気中の炭酸ガスの量が増加すると、地球からの放射が反射され地球の温度が上昇する地球温暖化現象も放射と入射の不釣合いによって発生します。
太陽の表面温度は、約5780 K(絶対温度ケルビン)で、ピーク波長は約500nm(ナノメートル)で、人間の目は、この光に最も敏感に反応します。
そして、放射が強度の最大となる波長に応じて、色を感じることができます。
太陽の色が、この波長に相当していて、電球等の光を見ると、温度が高いときは白色ですが、温度が低くなると、黄色っぽい光になり、さらに温度が下がると、赤みがかった色(波長が長い)に見えます。
これは、電球からの光がウイーンの変移則に従っているためです。
■余白は、あるか。
落書き
してますか?
言葉になる前の
なにか
カタチ
とも言えない
カタチ
まず
「手」
を
動かして
書いてみる
「手」
を
動かしながら
考えていると
不思議なことに
見えてくることがある
でも
落書きって
「余白」
がないと
できない
アタマの余白
ありますか?
ココロの余白
ありますか?
正しいより
楽しい
正しいより
面白い
やりたかったこと
やってみようよ(^^♪
■日々に余白を。
言うのもむずかしいが(^^;
書くのもむずかしい(^^;
効率重視
合理化
目的地までの最短重視
たしかに
大事なことだけど
そればっかりも
なんだか
疲れちゃいません?
たまには
「目的地」
を忘れて
「横道」
に入ってみる
「知らない場所」
にたどり着いて
「広い空」
を見上げてみる
「慌ただしい日々」
にこそ
そんな
「余白」
が必要だと思う
もっと
ひとりひとりが
自分の色をもち
おしゃべりしあったら
世の中が
ぐっと
楽しくなると
思うのです
■この雪には熱がある
「白い世界
寒いから
わかる温度があった」
積もった雪の内部の温度は、表面から地面と接する底まで温度の分布があります。
表面付近は気温に近い温度、底の部分は常に0℃に近い温度になっています。
これは、地球の中心部分から熱が伝わってきているためです。
■白って200色あんねん
<参考記事>
<「白系」の日本の伝統(和)色>
卯の花色(うのはないろ)
鉛白(えんぱく)
銀白色(ぎんはくしょく)
月白(げっぱく)
胡粉色(ごふんいろ)
象牙色(ぞうげいろ)
真珠色(しんじゅいろ)
生成色(きなりいろ)
雪色(せっしょく)
乳白色(にゅうはくいろ)
白(しろ)
白花色しらはないろ)
白磁(はくじ)
白色(しろいろ)
白百合色(しらゆりいろ)
白練色(しろねりいろ)
白菫色(しろすみれいろ)
藍白(あいじろ)
■白色を使った芸術作品
白い絵画で有名な画家には、モーリス・ユトリロ(1883〜1955)がいます。
ユトリロは、パリの街並みを白を基調とした風景画で描き、その画歴のなかでもとくに1908年頃より6年ほどの期間を描いた
「白の時代」
の作品が傑作とされています。
ユトリロは、学生時代からアルコール依存症に苦しめられており、その治療のため絵を描き始めました。
初期作には、色彩があまりなく、白を基調とした風景画が多く見られます。
白を強調するために、パリの街中に落ちている建物の漆喰を絵具に混ぜていたと言われています。
■結局のところ「白」もたくさんある
一般的に言われていることであるが、あくまで若く健康な状態(正常な色覚の保有者)だとすると、通常の環境では、
187万5000色
もっとも良い条件なら、
750万色
まで見分けることが可能だと言われている。
また、色彩の世界に数多くの功績を残したアメリカの物理学者Deane Brewster Judd(ディーン・ブリュースター・ジャッド)は、
200万~1000万色
としている。
また、現実的には、
・30万色程度とする説
や、反対に、
・1000万色以上だと考える説
など、諸説あるが、いずれにせよ、とてつもない数字であり、以下の通り、色の種類は、
人が見分けられる限界数:数百万色(個人差あり)
人々が命名した色の数:数千色(地域・文化・言語によって差がある)
伝達目的で作られた見本の数:数百~数千色(用途ごとの見本帳によって差がある)
数値で表現できる色の数:数千~1千万超色(形式によって差がある)
この4つの切り口で集計できるそうだが、それぞれで、まったく異なる集計結果となり興味深い。
つまり、色の数え方そのものが、いくつもあるのであれば、来年(2025年)の四季は、見たことのない白色を、見にいこうぜ!
はっと息をのむ絶景。死ぬまでに行きたい、世界の「白い」絶景スポット7選
https://rtrp.jp/articles/93137/
■白い音楽
「生きている。ただそれだけで、ありがたい。」新井満(著)
本書に、著者が娘に対して
「自分のお葬式の時にはサティのグノシェンヌ第5番をBGMでかけてくれ」
と依頼しながらこう続く。(61頁)
「それにしても、何故私はサティなんかを好きになってしまったのか。
サティの作品はどれも似たような曲調だし、盛り上がりにも欠けている。
淡々と始まり、淡々と終わり、魂を震わすような感動がない。
バッハやマーラーを聴く時とは大違いだ。
だが、心地よい。
限りなく心地よい。
その心地よさの原因はサティが声高に聴け!と叫ばない音楽表現をしているせいだろう。
サティの作品には驚くほど音符が少ない。
スカスカだ。
音を聴くというよりはむしろ、音と音の間に横たわる沈黙を聴かされているようでもある。
沈黙とは譜面上、空白として表される。
つまり白い音楽だ。
サティを聴くということは、白い静寂と沈黙の音楽に身をまかせて、時空の海をゆらりゆらりと漂い流れてゆくということ。
毎晩疲れ果てて帰宅し、ステレオの再生ボタンを押す。
サティが流れてくる。
昼間の喧騒を消しゴムで拭き消すように。
静寂の空気があたりに満ちる。
この白い壁の中には誰も侵入することができない。
白い壁の中でたゆたう白い音楽。」
サティの、押しつけがましさのない音楽の素晴らしさが、充分に伝わってくる文章であり、文章内の
「音と音の間の沈黙」
を聴きとるためには、聴く側にも、心の準備として自己の内面と心静かに向き合う
「静謐感」
が必要であり、それは、ドビュッシーのオペラ「ペレアスとメリザンド」で確認できる。
ドビュッシー:交響曲「ペレアスとメリザンド」(編曲:M. コンスタン)
なお、共感覚の中で、特に、音に色を感じるのは、
「色聴」と呼ばれている。
歴代の作曲家の中でも、リムスキー=コルサコフ(「シェヘラザード」などで有名)は、
「ハ長調は白、イ長調はバラ色」
と言い、一方、スクリャービン(交響曲「プロメテウス」では、鍵盤を押すとその音に応じた色が出るピアノを使用)は、
「ハ長調は赤、イ長調は緑」
と吉松隆氏は、「『運命』はなぜハ短調で扉を叩くのか」の中で述べていた。
「『運命』はなぜハ短調で扉を叩くのか 調性で読み解くクラシック」吉松隆(著)
ダマレ:白つぐみ
P.グラス:魔人ドラキュラから「組曲」白の女
チャイコフスキー:バレエ音楽「眠りの森の美女」 長靴をはいた猫と白い猫
■参考図書
「理想の色に巡り会える 白の図鑑」橋本実千代(監修)
■エンディング曲
「〆」は、赤黒と青白の色の対比を描いた楽曲で♪
ヰ世界情緒「そして白に還る」