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【イノベーション大国】イノベーションは、このような形で突如現れる。
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■アイデアは実現されてイノベーションとなる
そして、イノベーションというのは、上杉周作さん曰く、
「未来にある普通のものを作ること」
なのだと、その様に、理解しておく必要がある。
確かに、
「多様な価値観」
や
「アイデアのぶつかりあい」
がなければ、
「イノベーション」
はおこせないし、
「知恵とテクノロジーの情熱的な出会い」
がなければ、たぶん、ドキドキするような未来等、描けやしないのだろう。
■参考記事
■イノベーションのジレンマ
「イノベーションのジレンマ 増補改訂版 技術革新が巨大企業を滅ぼすとき」クレイトン・クリステンセン(著)伊豆原弓(訳)
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ホンダのバイク(スーパーカブ)は、
Cub Stories
ホンダ「スーパーカブ50」の歴史を振り返る|1958年の初代C100から2020年までに登場した主だったモデルを一挙紹介!
世界中で愛され続けるスーパーカブはこうやって生まれた!誰もが感動したカブ誕生と現代まで続く歴史
「イノベーションのジレンマ」
で言うところの、
「破壊的技術(短期的には製品の性能を引き下げる効果を持つイノベーション)」
であり、それに、バイクのイメージ・アップの広告を、かけあわせて成功した事例のひとつです。
このホンダの昔話から学べる点としては、
「高性能・高利益率をめざして競争しすぎると、顧客のニーズを超えてしまい、破壊的技術を採用して新規参入してきた企業に、市場をひっくり返される。」
事ではないかと考えられます。
■政府が大きな役割を果たしているアメリカのイノベーション
シュンペーターは、
「経済発展」
には、2つの段階があると示しました。
第一段階は、
「経済の循環的変化」
です。
この段階では、経済に起きる変化は、経済自身に委ねられる変化に限定されると説いています。
具体的にいうと、
「人口の増加で食物の生産が増える」
等といった、経済変化のことです。
第二段階は、
「経済の断続的変化」
です。
この段階では、新たな技術/手法の導入や創造、これまでにない組み合わせなどを意味する
「新結合」
が起きるということを、下記の『経済発展の理論』の中で説いています。
また、シュンペーターは、
「ワルラスの一般均衡理論」
の考え方を用いて、
「市場の均衡状態を沈滞」
と見なしました。
その
「沈滞状態」
をシフトさせるものが、
「イノベーション」
であると、初期の著書である
「経済発展の理論 上 企業者利潤・資本・信用・利子および景気の回転に関する一研究」 (岩波文庫)J.A. シュムペーター(著)塩野谷祐一/東畑精一/中山伊知郎(訳)
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「経済発展の理論 下 企業者利潤・資本・信用・利子および景気の回転に関する一研究」 (岩波文庫)J.A. シュムペーター(著)塩野谷祐一/東畑精一/中山伊知郎(訳)
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で述べており、イノベーションという言葉は、技術面だけではなく、組織や販売等の面についても、応用されると考えられ、そのようなイノベーションの実行者を、
「企業者」
と呼びました。
この
「経済の断続的変化」
を起こす上で、重要な3要素が
「銀行」
「企業者」
「イノベーション」
であり、まず、
「銀行」
は、
「企業者」
に、
信用を与えて資金を提供します。
その後、
「企業者」
は、そのお金を元手に、生産手段をつくり、
「イノベーション(新結合)」
を創造するというものです。
また、シュンペーターは、主著
「新装版 資本主義・社会主義・民主主義」J.A. シュムペーター(著)中山伊知郎/東畑精一(訳)
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にて、イノベーションの理論を軸として、経済活動における新陳代謝を、
「創造的破壊」
という言葉で表しています。
そして、第二段階では、
「イノベーション」
が創造されますが、それは、以下5つのパターンに分類されます。
①新しい製品/サービスの創出:
「プロダクト・イノベーション」のこと。
新製品を市場に出すことによって、今まで市場を席巻していた製品やプレーヤーを駆逐します。
②新しい生産方法の導入:
「プロセス・イノベーション」のこと。
モノの生産ラインを変革することを指します。
③新しい市場への参入:
「マーケット・イノベーション」のこと。
今まで他のプレーヤーが取り組んでこなかった市場に参入することを意味します。
④新しい資源の獲得:
「サプライチェーン・イノベーション」のこと。
サービスの元となる原料において変革をもたらすことです。
⑤新しい組織の実現:
「オーガナイゼーション・イノベーション」のこと。
組織を意識的に改革することによってイノベーションを生み出しやすくする狙いがあります。
「企業家としての国家」マリアナ・マッツカート(著)大村昭人(訳)室伏謙一(解説)
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「入門 シュンペーター 資本主義の未来を予見した天才」(PHP新書)中野剛志(著)
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■歴史に学ぶ未来のつくり方
「Invention and Innovation 歴史に学ぶ「未来」のつくり方」バーツラフ・シュミル(著)栗木さつき(訳)
▶失敗したイノベーションの3パターン
①歓迎されていたのに、迷惑な存在になった発明
②主流となるはずだったのに、当てが外れた発明
③待ちわびているのに、いまだに実現されない発明
▶歓迎されていたのに迷惑な存在になった発明
①有鉛ガソリン:
エンジンに負担をかけないガソリンとして導入されたが、排ガスに含まれる鉛が神経障害を引き起こした。
②合成殺虫剤DDT:
当初は有効に見えたが、駆除対象外の動植物への悪影響が深刻で、駆除対象の昆虫は耐性を獲得してしまった。
③フロンガス(クロロフルオロカーボン):
安価な冷媒として歓迎されたが、オゾン層を破壊することがわかった。
▶主流となるはずだったのに当てが外れた発明
①飛行船:
登場時は旅客輸送の手段として主流になると言われたが・・・
②原子力発電:
大気汚染物質がゼロのエネルギーと期待されたが・・・
③超音速飛行:
コンコルドで終わったと思いきや現在も続けられている・・・
▶待ちわびているのに未だ実現されない発明
①真空に近いチューブを通る高速列車
②マメ科植物のように土壌に窒素を固定できる穀物
③核融合発電
■加速化するイノベーション?それは誇張が過ぎるのか??
あらゆる大きな進歩。
広く普及した技術。
それらには、なにかしら懸念すべき技術的な課題があるのも事実です。
例えば、有鉛ガソリンやフロンガスの様に、当初は、称賛ばかりされていて、望ましくない結果が明確でなくても、だいぶ時間が経ってから、問題が浮上してくるケースも散見されます。
商用化を最優先にしたり・・・
便利ではあるものの、あきらかに最善の技術ではないものを導入したりすると・・・
それらの判断は、長期的に見れば、成功をもたらさない結果に繋がっていきます。
ある発明が、
・最終的に受け入れられるか
・社会に適合するか
・商業的に成功するか
の判断は、その開発と、商用可の初期段階では、飛行船や超音速旅客機の事例の様に、判断できません。
その発明に、極めて困難な課題が伴い、例え、潤沢な資金を得て根気強く開発を続け、数十年の努力を重ねても、成功する保証がないのであれば、懐疑的な態度をとるべきだと思うのですが・・・、その最たる例が核融合。
これからの誤った判断は、1960年代以降の、所謂
「ムーアの法則」
による半導体の進歩と、様々なデバイスへの応用により、多くの分野で、急激な成長が見られたため、恰も、全ての分野で、同様の成長をしているような、思い込みにあるのかもしれませんね。
実際には、半導体が関わる分野以外、食料生産から長距離輸送に至るまで、実は、イノベーションが加速している証拠は、いっさい提示されていない事実が存在しています。
私たちに必要な態度は、人類は、常に、進歩するのだといった奢りを、払拭するための謙虚さと、そして、新しい発明に、過剰な期待を寄せてはならないといった冷静な思考なのだと思います。
既に、よく知られている信頼のおける手法・技術を、根気よく広める方が、短期間で、破格の人が、恩恵を受けられるのではないかと、そう感じられます。