「仕事に追われる人」から「仕事を創る人」になる方法
ビジネスマンは、客先との付き合い、会議や会議資料の作成、部内マネジメント、インナーコミュニケーションなど、やるべきことが山ほどあります。
そのうえ、上司、同僚、部下との付き合いなどで、自分の時間を創ることが難しい立場です。
こんな状況で、新規ビジネス、新規顧客の開拓に時間を充ててイノベーションなど起こせと言われても。。。。と思われている方が、たくさんいらっしゃると思います。
今日は、自分を支配している時間を見出して、そこから無駄な仕事を廃棄して、イノベーションやインナーコミュニケーションの時間に再配置する方法についてお話したいと思います。
1.自分を支配している仕事はなんだろう?
ビジネスマンに、
「一番時間をとられている仕事は何んですか?」
と尋ねると、たいていの人は客先との交渉や社内会議、会議資料作り、メール処理だとおっしゃいます。
では、
「それは、どのくらいの割合を占めていますか?」
と尋ねると、殆どの方は「分からない」とおっしゃいます。
まぁ、これは当たり前ですよね?
いちいち自分の仕事毎の割合なんて意識なんてしてませんから。。。
しかしこれを把握しないと、本当に成果に繋がる仕事をしているのか些か怪しくなります。
ひょっとしたら、目の前に現れた問題の火消しに追われていたり、なんの発言もしない会議に出席して時間を浪費しているのかもしれません。
これからお話することは、私自身があるツールを使って自分の仕事を分単位で事細かに計測した結果です。
2.私を支配していた仕事の正体
これは2014年に157稼働日分のデータを、円グラフにしたものです。
当時、わたしは海外営業部長をしており、部下は10名ほどおりました。
当然のことですが、わたしのミッションは売り上げと利益をあげることであり、マーケティングに最も時間を掛けていると思っていたのですが、結果は以下のグラフの通りショッキングなものでした。
1)マーケティングの仕事が39%しかない!
マーケティングの仕事が一番多いと思っていましたが、なんと半分にも満たない割合でした。
※私のマーケティングは、客先訪問、市場調査、社内調整などが中心です。
2)社内会議と会議資料作りが39%も占めていた。
・ほとんどの会議は、人の話を聞くだけの会議だった。
・会議資料は、聞かれたら困るので保険をかけて作った資料が多かった。
3)何もしない時間。「えーと」が13%はショッキングでした。
「えーと」とは、ひとつの仕事が終わって次の仕事に着手する間、
「えーと。。。。次の仕事 何すればいいのかなぁ」
っと考える時間で、まったくもって非生産的な時間です。
仕事をきちんと組み立てていれば、切れ目なくできるはずですが、それが出来ていなかった証拠です。
3.ムダな時間を削り、成果を生む仕事に再配置
ここまで分かれば、やることは一つです。
マーケティングの時間を増やす!です。
ではどうやって増やすか?
それは無駄な仕事を削減する!です。
やり方は、組織によって様々。
「こうだやればいいんだ!」
と明解な答えはありませんが、私の場合をご参考までにお話します。
1)無駄な仕事の削減法
やったことは、「会議体の見直し」と部下の「報告のルール化」です。
【会議体の見直し】
●「タイムスケジュール」「議題」「求める結果」を明確にする
●タイムスケジュール毎に出席者を決め、入退出は自由にした
●議長は議題に関係ない話はさせない。(議長に権限を与え、仕切る)
※役員が出席すると、議題と関係ない話をすることがあるので。。
【報告のルール化】
●メール、報告書は以下のフォーマットに統一して報告する
What 何が起こったのか?(結果、問題点)
Why 何故それが起こったのか?(仮説、課題)
How どうするのか (戦術)
Result どうなったのか?(戦術の評価とフィードバック)
※このフォーマットは、判断、結論、因果関係がはっきりする
●CCメールを禁止
CCメールは、送り手が自分を守るために、相手が必要ない情報
をCCメールで送ることがあります。
受け取った相手は、重要な情報かどうかは読み切らないと分かり
ません。ここに時間の浪費があります。そのためCCメールを禁止
にしました。
2)削減した時間をマーケティングに再配置する。
①部下とのインナーコミュニケーションの時間を増やす
What,Why,Howに要約された情報から変化を見つけ、
イノベーションのタネを探す。
※このフォーマットは、報告を読む時間が圧倒的に短縮できます。
②市場、客先の変化を、現場に足を運んで検証する
③戦略、戦術の実践と検証
3.成果に繋がる時間を生み出せたか?
以下のグラフは2015年の159稼働日の結果です。
マーケティングの時間を51%(+12%)増やすことができました。
増やした12%の多くは、部下とのインナーコミュニケーションに充てて、課題の発見から戦術を立案し、実践する時間に費やしました。
インナーコミュニケーションが増えて有効な戦略戦術の実践により、売り上げが、460⇒530(115%)に上がりました。
これからすると、やはり
「自分は何に支配されているのか?」
を知ることが、いかに重要かが分かると思います。
一度、一週間でも結構ですので、皆さんも仕事の時間計測をしてみませんか?
必ず成果に繋がるヒントが見出せると思います。