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成功とは「地道な努力の積み重ね」ではない話

私たちは、成功とは地道な努力の積み重ねでだと教えられてきました。

様々な試行錯誤と沢山の失敗の中から、次にやるべきことを取捨選択しながらイノベーションが創られると思っています。

ところが、『天才科学者はこう考える』という本を読んで、実はそうでもないんじゃないかと思うようになりました。

今日はそれについて、お話しします。

1.疑わしきダーウィンの進化論

ダーウィンが唱える説は、生物が目の前の問題に対応しながら、自然選択を繰り返し、適応していくというものです。

この考え方は、冒頭で述べた「様々な試行錯誤と沢山の失敗の中から、次にやるべきことを取捨選択」とほとんど同じ考え方です。

その意味では、ダーウィンの進化論と、ビジネスのイノベーションのプロセスは同じことになります。

ところがです!

『天才科学者はこう考える』の中で、驚くべきことが書かれていましたので、ご紹介します。

それは細菌レベルの話ですが、これはと思う別の細菌と出会ったとき、細菌同士で「遺伝子を水平移動」するそうです。

つまり、努力の積み重ねではなく、他人の努力の成果をパクりあっているということになります。(以下 参照)

ダーウィン 的 進化 は、 遺伝子 が 世代 から 世代 に 受け継が れる 間 に 自然選択 という フィルター を 通っ て ゆっくり と 起きる もの だ が、 微生物 の 進化 は そういう もの では ない。

細菌 は、 同じ 世代 の 別 の 細菌 と 無作為 に 遺伝子 を 交換 し 合う。 まったく 違う 種類 の 細菌 の 間 でも、 大きく 分け て 3 種類 の 機構 によって、 この「 遺伝子 の 水平移動」 が できる。

その おかげ で 細菌 は 絶え間 なく 急速 に 進化 する。 さらに 細菌 は、 新た に 獲得 し た 遺伝子 を 日和見 的 に 子孫 に 受け継ぐ こと が できる。

しかも、 わずか 数 時間 という よう な 短い 期間 で 獲得形質 を 遺伝 さ せ、 長い 間 あり え ない とさ れ て き た ラマルク 的 進化 を 実際 に 成し遂げ て いる。

この よう に 絶えず「 遺伝子 の 組み換え」 を し て いる 微生物 を 見 て いる と、 いわゆる 遺伝子 組み換え 作物 など、 まったく 斬新 でも 特別 でも なく、 危険 でも ない よう に 思え て くる。

ジョン・ブロックマン. 天才科学者はこう考える――読むだけで頭がよくなる151の視点

細菌達は進化論なんて悠長なことではなく、臨機応変かつ柔軟に変化しているということです。

実は、コロナウイルスもそうだったことに今更気づく! 汗


2.ビジネスにおける「遺伝子の水平移動」


先日、Youtubeで出版プロデューサーの西浦幸次さんがおっしゃっておられたことが蘇りました。

西浦さんは書籍化できるコンテンツとは、使い古されたベタなことを否定するのではなく、ベタなことを受け入れた上で、その先に新しいコンセプトを提案すれば書籍化しやすいと述べていました。

たとえば「ダイエット」というベタなテーマは、使い古されたコンテンツです。ここに「おかず4割、ごはん6割」というコンセプトを加えると新しいコンテンツに生まれ変わり、イノベーションの種になるという考え方です。

話を戻して、さきほどの「遺伝子の水平移動」に当てはめるとよくわかります。「やせる」という遺伝子をそのままパクって、そこに「おかず4割、ごはん6割」という新しい遺伝子に組み変えれば、まったく違ったものになるという図式です。

3.イノベーションはパクリから始まる

世間では、イノベーションとは世紀の大発見というイメージだと思います。

しかし、実際はすでにある、誰でも知っている技術やメソッドに、顧客の「言語化されないニーズ」に対応するコンテンツを加えて、これまでにない新しいソリューションで顧客に喜んでもらうことがイノベーションです。

ここで外してはならない最も大事なことは、パクリ方です。

パクって、全く同じことをやるのは愚の骨頂。

パクって、新しいメソッドを付け加えて顧客の「言語化されないニーズ」を満たせれば、それはイノベーションになります。

「遺伝子の水平移動」。。。大事ですよね!

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