「人の立ち振る舞いは、立場によって見え方が変わる」というお話です。
今日は、お気楽な記事です。
先日、長年お世話になった方の葬儀で、受付を頼まれたときのことです。
私は型どおり、弔問客の香典を受け取り、記名を頂く係をしておりました。
弔問客の中に50代くらいの紳士が、丁寧な物腰で香典を差し出し記帳されたのですが、物腰といい、達筆な文字といい、腕時計や万年筆といい、かなりのステータスを持った紳士だと感じました。
紳士は記帳が終って焼香の順番が回ってきたとき、ほかの弔問客とは違って長い時間 遺影をじっと見つめ、そっと手を合わせる姿は故人との関係の深さを感じました。
っとまぁ ここまでは心から哀悼の意を示し、故人を偲んだ体なのですが、この後、驚くべき事があったのです。
暫くしたら、なんとその紳士がまた受付にいらっしゃって、私にこう囁きました。
この紳士の気持ちを考えると、本当に恥ずかしかったんだろうと思います。
私は、彼が長い時間、遺影を見ながら焼香する姿を見て
「故人とは、かなり深いご縁があったんだろうなぁ」
っと思っていたのですが。
しかしこの紳士は、遺影を見ながらこんな風に焦っていたと思います。
「あれ? この人は誰だ?」
「うん?! やっぱり知ってる人じゃない!
「でも、焼香しないと帰れないし。。。取り敢えず焼香しよう」
「ご遺族へのご挨拶も。。。気まずいなぁ。。。。」
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今思うと、人の見え方はは面白いですよね。
私は、紳士の焼香する姿は、心から故人を偲んでいるように見えた。
この紳士は、焦りと恐縮した気持ちで恐縮していた。
私と紳士は、まったく逆な思いを持っていたにも関わらず、立ち振る舞いはなぜか哀悼の気持ちが伝わってくる。(笑)
これ。。。落語に出てきそうな場面ですよね。
人間って、面白く、可愛げのある生き物ですよね。。。。(苦笑)
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