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「人間関係の噛み合わせ術」は、他社がマネできないベストプラクティスを創る秘訣です。

メイドインジャパンの素晴らしさは、各部品の製造誤差を管理することで、何十万点の部品が組み合わさっても、高い品質を保証している点です。

企業の人間関係もまったく同じ事が言えます。

会社の経営理念やビジョン、ミッション、バリュー、コアコンピュタンスを社員全員が共有することで、誤差を管理し、社会に貢献できる高い経営ができます。

以前の記事で、これを人間関係の噛み合わせ術と名付け、読者から好評を頂きました。

今日は、さらに人間関係の噛み合わせ術について深掘りしたいと思います。

1.「ベストプラクティスに学べ」は危険です。


上司から良く聞く言葉あります

成功している企業と我彼比較して、当社との違いを明らかにせよ」

成功している企業にあって、当社にないものを埋めろ」

成功している企業のベストプラクティスに学べ」

ベストプラクディス(成功事例)は、非常に耳障りの良い言葉です。

経営者は、他社のベストプラクティスをマネすれば、短時間かつローコストで成果を上げられるのですから「すぐにやれ!」ということになります。

しかしちょっと冷静に考えれば、他社で成功したベストプラクティスは、その企業だからこそ成功したことに気づきます。

例えば、役員間、事業間、社員間、現場の作業員間で取り交わされる知識知恵の暗黙知は、その会社ならではの環境、企業文化、習慣です

長い間に培われた文化や習慣の積み重ねで、生まれた暗黙知の上に成り立ったベストプラクティスであったなら、他社が真似ても簡単に成果は上がりません。

知識知恵の暗黙知とは
「図面上に表現できない、言わなくても共有している知識知恵
であり、これは人間関係の噛み合わせの上に成り立っていることです。

2.ベストプラクティスとは、自社の知識知恵を体系化したものです。


人間関係の噛み合わせによって生まれた暗黙知は、他社にマネできないブランドに昇華していきます。

例えばトヨタの高い品質は、Kaizenや、5W1Hによって生まれました。

5W1Hとは、「問題が起きたら5回なぜを繰り返しなさい」という教えですが、この中に図面に表せない暗黙知が含まれます。

例えば工具を置く位置や、人の移動の仕方や所作などのようなもので、これは人間関係の噛み合わせから生まれ、それが暗黙知になります。

トヨタの協力メーカーは、必ずトヨタからKaizenや、5W1Hの指導を受けます。

しかし、未だトヨタを越える企業を知りません。

その理由は、人間関係の噛み合わせ術で自社ならではのベストプラクティスを構築できていないからではないでしょうか。

3.「人間関係の噛み合わせ術」は日常の中にあります。


やることは、次の3つです。

1)経営理念の共有です。

2)目指す姿(ビジョン)ミッション、バリューの共有です。

3)質の高いのコミュニケーションです。
質の高いコミュニケーションとは、目指す姿を常にメンバーと共有して、以下について議論することです。

何か問題が起こったら

What
 ⇒ どんな結果だったのか? 何が起こったのか?

Why  ⇒ 何故それが起こったのか(仮説立て)
     ⇒ 仮説の中から、最も重要な問題を見出す(課題・戦略)

How  ⇒ 課題を解決するための方法を考える(戦術)

What⇒Why⇒Howをメンバーと議論することが質の高いコミュニケーションで、それが人間関係の噛み合わせになって成果に繋がっていきます。

成果が上がれば、もっと嬉しいことが待っています。

それは戦略戦術が、自社ならではのベストプラクティスになって、他社はマネできないものへと昇華していきます。

人間関係の噛み合わせ術
皆さんはどう感じられたでしょうか?
ご意見頂けると嬉しいです。




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