ロジラテ思考のマネジメント「問題点を見つけられても、課題をみつけられない人の特徴」#A13
私達ビジネスマンは、様々なチャレンジや、トラブルの解決に日々直面します。
真っ先にやるべきことは、何が起きているのかを現場に行ったり、関係者にヒヤリングして情報を集めます。
次に行うことは、何故それが起こったのか仮説を立てて、そこから本質的な課題を導きだします。
しかし、残念ながら多くの人は仮説と課題を考えようとしません。
何故なら、「そんなこと考えている暇があったら、まず実践!やりながら考えればいい!」と思っているからです。
こういった人達の話をよく聞くと、仮説の立て方、そこから課題をどうやって導き出せばいいのか知らないだけなんです。
今日は、仮説の立て方、課題の導き方についてロジラテ思考を使ってお話していきます。
1.楽ちん問題解決は、「ロジカル思考」+「ラテラル思考」を同時にやってしまうことです
1)「何が起こった」を分析します。(使う思考法 ロジカル思考)
ロジカル思考は、問題を洗い出し、その原因を深掘りしていけばいいので、ロジックツリーに落とし込めれば全体像が見えてきます。
この作業は、殆どのビジネスマンが慣れ親しんでいる方法だと思います。
2)「何故それが起こった」を考えます。(使う思考法 ラテラル思考)
その問題は、本当に解決すべき問題なのか?
その問題を解決したら目指す姿に到達できるのか?
について、複数の仮説をたてます。
つまり、ロジカル思考で分析した問題、原因を根底から疑って仮説をたてようという考え方です。これがラテラル思考です。
3)仮説から課題を見出します(課題の設定)
いくつかの仮説の中から、「目指す姿」に最も近いと思われる仮説を選び、現状とのギャップを埋めるための行動目標を課題として設定します。
2.業績不振のハウジンメーカーの課題とはなんだったのか?
以下の実例は、以前あげた記事「#A05」ですが、これを使って課題を抽出してみましょう。
この例から、箇条書きで問題点を洗い出してみると。。。。
1)何が起こったのか?(使った思考法 ロジカル思考)
・退職者、離婚した世帯向けに、家をダウンサイジング
・多くの見学者が来場したが契約まで至らなかった
・最新の家電、設備、オプションを用意したが、販売に繋がらなかった
・アンケートでは、広いリビング、ゲストルームが欲しいとのこと
・以前使っていたダイニングテーブルなどの家具の処理ができず、
悩んでいる
2)仮説 (使った思考法 ラテラル思考)
仮説① オプションのデザイン、用意した設備が的を得ていない?
仮説② 彼らはダウンサイジングの家でなく、もっとほかの要求が
あるのではないか?
仮説③ 以前使っていた家具を捨てられない理由が、買わない理由
ではないか?
3)課題 (使った思考法 ラテラル思考)
以上から分析すると
・仮説①②は、アンケートで見学者の声を聞いて実施したことなので、
更に拡張していっても効果はないと考えた。
・本質的な問題は、家族の思い出を捨てられないことではないか?
よって、以下の課題を設定した
課題 「以前使っていた家具を捨てられない理由を探る」
4)調査の結果、分かったこと
ダイニングテーブルや家具には、家族の思い出が詰まっていて捨てられず、ダウンサイジングの家には移れない。
これが顧客の目指す姿と現状とのギャップだった。
如何でしょうか?こうして箇条書きで分析するだけで、簡単に本質的な問題が見えてきませんか?
3.ロジラテ思考の素晴らしい効果
ロジカル思考は、目の前に現れた問題を解決して目指す姿に近づいていこうとする考え方です。そのため、本質的な問題を見過ごしてしまう可能性があります。
そこをカバーするのがラテラル思考です。
ラテラル思考は、今ある問題そのものを疑い、解決すべき問題とそうでな問題を見極めようとする考え方です。
どちらか一方が抜けても、本質的な問題は見つかりません。
ロジラテ思考は、ロジカル思考とラテラル思考を無意識のうちに同時にやってしまう便利な思考法です。
是非、一度 試してみてください。