【感想】「きみの色」観てきました【ネタバレ有】
今週は仕事のスケジュール上非常に忙しい1週間で、前日はもう泥のように眠りについたわけですが、そこから一転朝風呂朝食バイキングを堪能した上で映画「きみの色」観てきました!
作品を知ったきっかけはなんだったかな。確か劇場で予告編を見た覚えがあるんですが、なんの時だっけ……とまぁおぼろげなんですが、でもなんとなく心惹かれるものがあったんでしょうね。今見るなら「きみの色」だ!と決めうちで映画館へ向かいました。
それ以上の前情報はなし。なんかバンドの話でアニメ作品。監督や声優はあまり詳しくない。それでも、本当に来て良かったです。パンフも衝動買い。全人類見ろレベルで勧めたい。
◆トツ子
人物に対して色が見える、というのは「共感覚」という名前で呼ばれ、似たものが実在する現象だというのは知っていましたが、特段共感覚だということに言及がある訳ではありません。ただ、その感覚の持ち主であるトツ子が人と異なる感覚の持ち主だという(ときにネガティヴ寄りの)自覚と、その感覚があるからこその感じ方で他者に語りかけることができる。このシンプルな2点がありさえすれば、科学的にどうだとかそんなものは物語には不要だし野暮なのでしょう。
自身の色が何色なのか分からなかった彼女は、エンディングで一人バレエを踊る中、その手に色を見出します。おそらくはパステル調の赤ですが、彼女自身が「良い色だ」と思うことができたのなら、何色だったとしてもそれはこの上ない祝福となるでしょうね。
ちなみにこの赤はきみの青、ルイの緑と合わせて光の三原色を成し、混ざり合って全ての波長を含む白となります。美しいですねぇ……。
◆きみの色
オープニングからトツ子のハートを射止めた美しいブルーの持ち主であるきみは、他の2人に比べると自信のなさを見せる描写が挟まれます。序盤のドッヂボールのシーンから、きみの「どうしよう」というそぶりに対してトツ子は「大丈夫だよぉ」的に返す一連のやり取りは一貫しているのですね。
トツ子は深く考えてというわけでもないのですが、きみは色々な人に愛されて、そこへの向き合い方を徐々に習得していくような、そういった変化に注目するのも本作の魅力なんじゃないかと思いました。きっと3人の中で一番成長したんじゃないかな。
退学の件が家庭に伝わってないのは大いなるフィクションですが、もはや些事ですね。むしろパンフレットでも触れられていますが、書店とその主人(作品未登場)に感心が膨らみますね。きみの成長には、あの書店での静かなひとときが大きかったんじゃないかなと思います。
クリスマスのお買い物でトツ子が見た「色」の真相は明かされずじまいなので、一体どんな感情の発露があったのかは我々の想像に委ねられています。が、物語の締めくくりとして、きみが心の底から絞り出した全力の「がんばれ」があったのは間違いがなく、あの色にも「がんばれ」に至るきみの受動-能動の変化や育まれた関係性が影響してるのは間違いないでしょう。
私は物語の主題なんて、至極シンプルなものでいいと思っていて。私がこの作品を見て一番強く感じたのは、タイトル通り、輝けるきみの(「がんばれ」に象徴されるような)色が美しいなということでした。
遠くから見ていた時の青が、色々な交流を通してまた別の美しさを見せるという構図も、とても良いものだと思います!
◆しろねこ堂
そんな2人とバンド結成の起点を作ったのが、これまた美しい緑色の持ち主であるルイくん。書店で彼が声をかけた時に必要だった勇気、返す返すも相当なものだったんじゃないかと思いますよね。それができたのも、思わずトツ子があんな台詞を口走ったのも、彼の美しい緑を育んできたおかげだと思います。
場所を確保したり、作曲チャレンジを提案したり、SNSアカウントを作ったり、突如の合宿イベントにも対応したり(笑)ルイくんプロデュース力めちゃくたゃ高いぞ。医師志望で学力もあるので彼は最強です。うちの職場にも来てくれないか。
その一方で無邪気さ、素直さも持ち合わせている。彼の魅力に私の心は完全敗北状態です。
そんな3人が集まって結成された「しろねこ堂」のライブ、別に私は楽器とかやったことかけらもないのですが、すごく元気をもらいました。
特に、途中で日吉子先生が言っていた「暗い歌詞も、ときにあなたの心を守ってくれる。」という言葉と、トツ子が人差し指でピアノを演奏しきる姿。
それでもいいんだ、と、ちょっと今からでも何かチャレンジしてみたくなる、そんなライブだったと思います。
◆舞台で見たい!!!!!
もう2000字いきそうなので最後これだけ。この作品、めちゃくちゃ舞台で見たい。というかやりたい。ちょっと演劇的なものに関わっておるので、それへのモチベーションももらった気分です。感謝!
という訳でみなさん、ぜひぜひ劇場へどうぞ!
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